精華よもやま話   佐々木まさひこ議員のつぶやき

京都・精華町会議員佐々木まさひこのローカル日記

自治ということ

2008年05月28日 09時39分34秒 | 議会・地方自治
 地方の政治は、期待は大きいものの難しい面がある。今、大問題になっている「後期高齢者医療制度」も、地方の事務ではあるが枠組みなどはこと細かく政府が定めている。2年前に法改定されたが、詳細を定める省令などが遅れに遅れ、準備不足が混乱の一端でもある(根本的には理念が間違っています)。地方の事務なのだから、市町村でなんとかできるはずだが、実質的にはその自由=裁量はほとんど与えられていない。そんな中でも、少しでも改善をと私たち地方議員は研究したり、提案したりしている。
 精華町のように府県境に位置する自治体の場合、よく苦労するのが府県の壁である。隣接する奈良や大阪にいい医療機関があったり町内にない診療科があれば、通えるので府外に出る。そうすると京都府関連の制度が受けられなかったり、一旦立て替えて後で役所に請求するなどの手間がかかったりする。そのような不便さを感じずに生活できるような仕組みを作れないか、担当職員も含め悩ましいものである。
 また、政党所属の地方議員が陥りやすい罠がある。同一政党である以上、国会と地方議会とで主張することが違うというのはおかしな事です。しばしば、「自由な政党」だと自負しているところが「様々な意見があるのは当然だ」と言われるが、政党の意思決定過程ではそうでもいいが、決定後も自由に主張するのは本来おかしなことではないか。
 ただ、国会での主張そのものを地方政治に持ち込めばすべてが解決する訳でもない。政権与党の議員がよく陥るのは、政府で決めた制度を、地域の実情を無視してすぐ取り入れるように主張することだ。野党系議員も、原則論・一般論のみ主張し、地域にあった具体的提言をしないことなどがあげられる。どちらも間違っているもので、その地域の住民の立場に立って、受け入れるべき政策と拒否すべき政策を見極めること、そして使えるものは実情に見合うような具体的工夫をすることが求められている。それでも生じる隙間は、自治体(場合によっては住民協力も含まれる)の努力でカバーすればいいのではないか。
 これらのことは当たり前のことだと指摘される方々も多々あると思うが、残念ながら地方政治の場面では、このような当たり前のことが実践されていないこともある。
コメント
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