Nonsection Radical

撮影と本の空間

その道のプロの話は面白いから

2010年10月15日 | Weblog
難病申請をしに眼鏡店へ行ってきた。
どんなに医学が進歩しても治らないなぞの病気で、手元を見ようとすると急に目がかすんでしまう。
こんな病気に効果的な眼鏡があるというので出かけたわけだが、最近巷に増え続ける安売りチェーン展開するお店ではない。
これまで何度も眼鏡を作り替えてきたのだけど、その結果わかった事は、お店によって技術が全然違うという事だ。
技術とは、検査技術や加工技術、調整技術の事だ。
ポッキリチェーン店などを見てみると、イカすヤング店員がアレコレ器具を使って視力測定(のお手伝い)をして、即日眼鏡を持ち帰れて便利そうなのだけど、ダイジョーブなんかいな、と思う事もある。
まあ、単純な近視なら大方ダイジョーブなんだろうけど、satoboのような左右の視力が違い、乱視で、近くが見えなくなる難病を抱えていると、検査技術をまず重要視してしまう。
実際、以前に別のお店で作った眼鏡を見せたところ、加工がずれていたこともあった。
乱視の場合、加工がずれていると補正が上手くいかないので目が疲れるのだ。
当然、そういう指摘をしてくれたお店は信用し、そこで作る事になる。
しっかりしたお店というのは、検査に時間をかける。
その検査の合間に、こちらのシロート疑問を問いかけるのだけど、当然納得のいく答えをもらえる。
また多少話が脱線しても適切な受け答えで話も弾む。
都合の良い事だけではなく、都合の悪い事も教えてくれるお店は信用出来る。

考えてみれば、以前は街の専門店がたくさんあった。
魚屋さんや八百屋さんなど、行って店主と今日のおすすめやその料理の仕方、四方山話などプロの話が聞けたのだ。
プロの話であっても、相手はシロートだから、シロートにもわかるように話す技術(話芸)も持ち合わせていた。
その話を参考に調理し、美味しかったら次回にそう伝え、また新しい話を仕込む。
そういうやり取りが合って、シロートなりに知識や技術を蓄えていく事が出来たのだ。
そういう点では、今の時代は味気ない事が多くなった。
安くものを買う事は出来るようになったが、逆に損をする事も多くなったし、損している事に気づかない事も増えた。
シロート相手に商売しているお店なら、プロの技術でシロートに教えてくれる事は案外サービスの重要な要素なのかもしれない。
ネットで調べれば、というのも、知りたい事だけは出ていない、という状況を考えればあてにはならない。
疑問をぶつけて答えてもらえる対面販売というのは情報源としては価値のあるものだと思う。
そんなプロのお店を探すのは楽しい事だと思うのだけどね。
コメント
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