Life is ART!

高齢者施設で活躍しているアートワークセラピスト達の旬な声をお届けします。

シニアとキッズ さて現場では・・・

2012-02-21 10:33:55 | 素敵な現場
こんにちは。シニア担当のYokoです。

先日のブログ「シニアとキッズ」

雪をテーマにしたプログラムの違いを書きました。

「それでその現場ではどうなったの??」

そこまでちゃんとご報告しないといけませんね。


さてどうなったかと言うと・・・

まずはキッズのクラスでは

「ぬくぬくの雪」

「ゆきのひ」という絵本を読んで動機付けをしていきます。

ピーター君がたくさん遊んだ雪をポッケに入れて持って帰るけれど、雪はとけてしまう。

でも翌日窓を開けると・・・そんなお話です。

この日のリードは仲間のちゃい。 ちゃいのやさしい声色に子供達は引き込まれて行きます。


雪に見立てた綿がなぜかサポーターの体の中から出てくる出てくる出てくる。

子供達は大はしゃぎでした。

ふわふわの綿

それは子供だけでなく、お母さん達も首に巻いたり、頭に乗せたり 

どんどん自分が楽しい事を見つけて行きました。

そうして部屋いっぱいになった真っ白の綿

床には障子紙を敷いていたので本当に一面銀世界。

子供達は体にもてるだけもったり、ぬくぬくの雪に体を全部埋めてみたり、投げ合ったりと

全身でたっぷり発散しました。


(女の子のはしゃぐ声が聞こえてきそうでしょ?)

その後水彩絵の具で色をつけました。

筆を使って色を垂らす子、綿をぼしゃっと大きなパレットにつけこむ子、少しずつ少しずつ色をつけていく子

もちろん綿だけでなく、床の真っ白な障子紙にもたっぷりたっぷり色をつけて行きました。

最後はたっぷり遊んだ「雪」をお持ち帰りです。

そう絵本の「ゆきのひ」のポッケに入れて持ち帰ったピーター君のように。。

透明ビニール袋に子供達詰める。詰める。

絵本「ゆきのひ」では、ピーター君のポッケの雪はとけてしまうけれど、

翌日窓を開けると外は一面の雪の世界 ピーター君はまた外で思いっきり大好きな雪で遊べるのです。

持ち帰る事で子供達はそのお話のそれぞれが主人公。

子供達はそれぞれの楽しんだ雪の入ったビニールを小さな両手で大事そうに抱えて帰っていきました。

きっとお家で何か形にしてみたりと、更に想像力を発揮する事でしょう。



一方シニアはといいますと・・・

「雪がとけたら何になる?」

テーブルいっぱいの綿 こちらも一面銀世界

サポーターがかまくらを作ってくれたので、施設にあった小物のねこちゃんを入れてみました。



たくさん綿をボールにしてみんなでまわしたり、歌を歌いながらお手玉したり 素材をたっぷり味わって行きました。

ふわふわの素材は、優しくて暖かい。みなさんの緊張をどんどんほぐしていきました。

そして私からの質問

「雪がとけたら何になる?」

「水」全ての方がそうお答えになりました。 正解!

でも今日の答えは「雪がとけたら春になる」 

そうお伝えすると「素敵ですねぇ~」と顔がぱっと明るくなりました。

そうしてみなさんで一面の綿に手をいれて、雪をどかしていくと

雪の下から「福寿草」や「梅」の写真が・・・・

春がもうすぐやってくる。そう意識付けをしていきます。

そしてみなさんでパステルを使って暖かい春の色で雪をとかしていきました。

それぞれの春色の綿を大地に見立て、寒さからあたたかさへ自分が感じる春の訪れをアートしていきました。

 


この日はみなさんいつもと少し様子が違っていました。

着席されても、落ち着きがない。発言もやや怒っていたり、乱暴だったり。

認知症の方でよく見られる不穏な状態でした。

しかしアートセラピーは素材のセラピー

今回はやわらかい綿がみなさんの中の不穏な感情をまるで優しく包んでくれるかのように

時間と共に、落ち着きを取り戻し集中されていきました。


「素晴らしい!」「大満足!」


笑顔と共に発せられる声はとても力強く張りのあるものに変わっていました。

アートを使って自分らしさを表現していく事で、本来の自分を取り戻していく事が出来る。



それぞれのアートの現場のご報告でした。

いかがでしたか?

このブログを読まれている方で、今まさにプログラムを考えている方達に

何か参考になるといいのですが。。

またそうでない方には、アートを使ったこんなに楽しい現場がある事や

アートセラピーについて少しでも知って頂けるとうれしいです。

また子ども達のクラスの様子はNPOこども未来研究所のブログに載っています。

全国のアートセラピーの様子 どうぞこちらもご覧下さい。


さて、来月はどんな事をやろうかなぁ~

わくわく。




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