Life is ART!

高齢者施設で活躍しているアートワークセラピスト達の旬な声をお届けします。

感動の瞬間

2008-10-30 18:02:03 | Riyoko
超真面目なセラピストを自負する(笑)私は、毎回一生懸命シニアアートワークセラピーのプログラムを考えています。
でもそうしていると、ワークの途中でもシニアの方の反応ばかりが気になってしまうことがあります。

正直に言って、介護度の高い施設では、
「楽しい」のか、
「つまらない」のか、
すぐに反応がわからないことも多いです。

はじまりから終わりまで、何を感じていて、何を思っていて、お元気なのかどうかすら、まるでわからない状態で時間が過ぎていくこともあります。

“今日のプログラムは、果たして良かったのだろうか?”

あるとき、そんな風に考えながら、たくさん画材を詰め込んだゴロゴロバックを転がして歩いていると、帰り道のガソリンスタンドで
『傷・へこみ治します!』
という大きな看板が目に飛び込んできました。
“私のこのへこんだ気持ち、治せるものなら治してくれー!
と叫びながら帰宅したことも

子ども達は、割と何かあるとすぐに「わー」とか「ぴー」とか、わかりやすい反応がぱっと跳ね返ってきます。子ども達のアートワークセラピー教室を主宰していたこともある私にとっては、その反応に慣れすぎていて、このシニアの反応に最初とてもとまどいました。


ところが、次の回その施設を訪れると、夜勤者からこんな伝言がありました。

「アートセラピーがあった日の夜は、飾られた自分の作品見たさに、シニアの方が次々とロビーにいらっしゃいます。
そして、ご自分のお部屋に持ち帰るとおっしゃられます。
よっぽど、うれしかったのだと思います。」

また、
「日頃口数の少ない方なのに『あの人は、今度いつ来るの?』という問い合わせがあるんですよ。」
という介護者の驚きの声も。

そんな時が「やっぱりアート表現の楽しさは、ちゃんと伝わってたんだー!と感動する瞬間です。

そして、人それぞれのいろんな感じ方に、やはり感動します。




へこむことは、今でももちろんあります。
でも、今ははじめた頃よりずっと仲間も増えたし、そしてこういった感動の連続で、時間が過ぎているような気がします。


RIYOKO

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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2008-11-08 02:19:59
はじめまして。
こういう場合って難しいのかもしれませんね。
僕も以前、男性のご高齢者に絵をしばらく教えていたのですが、
その時の印象は同じようなものでした。
それだけ、いろんな経験を積んで、考えながら物事を進めていくからこそ、時間がかかることもあるでしょうし、、単に手先から感情、そして言葉や行動といった反応に時間がかかるのかもしれませんが、どちらにせよ、瞬時につかめきれる反応だけではないですよね。RIYOKOさんご自身が書かれているように、
こういう時間や感動の積み重ねがその感覚を
明確にしていくものだとも思います。
それに何より、RIYOKOさんが来ることを
心待ちにしてくれている、この事実は何よりの
結果だと思います。頑張ってください。
僕も見習います。
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ありがとう(涙) (RIYOKO)
2008-11-12 21:28:33
Unknownさんへ

コメントありがとうございます。

このような気持ちを共有して頂ける人がいて下さるなんて感激です。
また、そういった仲間がいないとせっかくのすてきな場が、
作りだせなくなってしまうなと思います。

ですから、今では、個人ではなくたくさんの仲間たちと活動を広げています。

そして勝手ながらコメントのUnknownさんもすてきな場を作ってる仲間。

これからも、いろんな意見交換をして、
お互いたくさんの可能性を広げていきましょう!
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