シニア担当のYokoです。
今日のワークのご報告
介護フロアの皆さん
M様 少しずつですが発語が減って来ています。ちょっとぼんやりする時もある。
でもアートの時間は日常と異なり、もの凄い集中力で取り組まれている。
日常生活の様子は私たちにはわかりませんが、参加されるどの職員の方もアートワークで過ごす様子に驚かれます。
こちらの施設ではアートワークは日常過ごされるフロアとは別なフロアで行なっています。
それには理由があります。
どこか別な場所に行くという事でご本人の意識が変わる事や外出が難しくなった今、
「お出かけのような感覚」を持つ事が出来き、そこで外部の人間(私たち)が接する事で、
日常が少し切り離され意識や気持ちの切り替えが行なわれるのです。
それはM様だけでなく、他の参加者の皆様も同じです。
さて、今日のM様・・・・
「さびしいですね」
発語が減ってきているとはいえ、ご自分の気持ちやお仲間の素敵な所を伝える事は十分に行なえる方です。
作品を作り終え、皆さんと一緒に鑑賞をしているとご自分の作品に対してそのように話されました。
今日は毛糸を使って季節を感じて頂くワーク。
ご自分で重ねたい毛糸を何種類も厚紙に横に縦にと巻いて行きました。
ゆっくりゆっくりと。
誰よりも多い3種類の毛糸を使って。
まだまだ体力がある事が十分にわかります。
そこに染めた葉っぱの紙や木の実、本物の落ち葉などご自分でデザインしながら飾って行きました。
そうして「終わりました!」とお元気な声
ワークの最後には作品とともに皆様を承認していきます。
その時です。「さびしいですね」
M様の作品には十分に秋が訪れ色とりどりです。
だけれどもご本人は自分の手元から離れ、少し距離を置いて作品をご覧になったらそう感じられたのです。
(作品は私が持ってご本人の脇で、ご本人にお見せします)
少し距離を取ってみる。
これはテーブルの上のご自分の世界から、少し世界を変えて物を見る事が出来るものです。
シニアアートワークの時間だけでなく、アートカウンセリングなどでも行ないます。
その事でまた別な物の見方で気づいて行く事が沢山あるのです。
「M様は寂しいと感じられるのですね。」
「はい。」
「ではここに何があったらお好きな秋の世界になりそうですか?」
すると即座にこうおっしゃいました。
「お花!」
飾る材料の中にお花の形の紙はありましたが、使われませんでした。
改めてそのお花をお見せしました。
「M様 このようなお花ならありますが飾ってみますか?」
「はい。いいですね」
「どちらがいいですか?」
「四隅にあるといいです」
作品を離してご覧になった事で改めてご本人のこうしたいという思いが芽生える。。。
そうして選んだ4色のお花 そうコスモスのお花の紙をご希望の箇所にペタりペタり
「いかがですか?」
「いいですね。明るくなりました。いいですね」
いつもの笑顔です。
ここから気持ちも更に明るくなり、いつものように皆様の作品に対して
「素晴らしいですね」などと伝えて下さいました。
ここがアートセラピーの素敵な所です。
こうしたい!!
その芽生えた想いを素材を使って付け足してみたり、引いてみたり、形や色を使って行なう事で
自分の今この作品という世界で満足を感じる事が出来るのです。
これはもちろんシニアの皆様だけでなく、子どもにも、成人の方にもどなたでもです。
また同時に私たちセラピストはワークの作り方だけでなく、自分を知る事と同時に授業でカウンセリング実習なども学んでいます。
どの作品にもM様とのようなやり取りを行ないながら進めています。
このプロセス 関わりを私たちの時間ではとても大切にしています。
一方的ではなく、また同じ物が出来上がる事を狙わずに共に感じながら過ごしていく時間です。
それが日常とは異なり「集中される」「落ち着かれる」理由がきっとここにあるのだろうと思っています。
職員の方達だけは補い切れない箇所を私たちアートセラピストが担っているのだ思います。
皆様の毛糸を使ったあたたかで豊かな秋
どうぞどんなやり取りがあったのだろう?どんな方なのだろう?と想像をしてご覧頂くと
より味わい深いものがあるかもしれません。
片麻痺の方もいらっしゃいます。認知症の方もいます。
だけれどもその事で身体的制限はあるにせよ、その方の持つ心は豊かであり自由である
ここを制限する事など神様でもさすがに出来ない事なのだと・・・私はいつも思うのです。
今日のワークのご報告
介護フロアの皆さん
M様 少しずつですが発語が減って来ています。ちょっとぼんやりする時もある。
でもアートの時間は日常と異なり、もの凄い集中力で取り組まれている。
日常生活の様子は私たちにはわかりませんが、参加されるどの職員の方もアートワークで過ごす様子に驚かれます。
こちらの施設ではアートワークは日常過ごされるフロアとは別なフロアで行なっています。
それには理由があります。
どこか別な場所に行くという事でご本人の意識が変わる事や外出が難しくなった今、
「お出かけのような感覚」を持つ事が出来き、そこで外部の人間(私たち)が接する事で、
日常が少し切り離され意識や気持ちの切り替えが行なわれるのです。
それはM様だけでなく、他の参加者の皆様も同じです。
さて、今日のM様・・・・
「さびしいですね」
発語が減ってきているとはいえ、ご自分の気持ちやお仲間の素敵な所を伝える事は十分に行なえる方です。
作品を作り終え、皆さんと一緒に鑑賞をしているとご自分の作品に対してそのように話されました。
今日は毛糸を使って季節を感じて頂くワーク。
ご自分で重ねたい毛糸を何種類も厚紙に横に縦にと巻いて行きました。
ゆっくりゆっくりと。
誰よりも多い3種類の毛糸を使って。
まだまだ体力がある事が十分にわかります。
そこに染めた葉っぱの紙や木の実、本物の落ち葉などご自分でデザインしながら飾って行きました。
そうして「終わりました!」とお元気な声
ワークの最後には作品とともに皆様を承認していきます。
その時です。「さびしいですね」
M様の作品には十分に秋が訪れ色とりどりです。
だけれどもご本人は自分の手元から離れ、少し距離を置いて作品をご覧になったらそう感じられたのです。
(作品は私が持ってご本人の脇で、ご本人にお見せします)
少し距離を取ってみる。
これはテーブルの上のご自分の世界から、少し世界を変えて物を見る事が出来るものです。
シニアアートワークの時間だけでなく、アートカウンセリングなどでも行ないます。
その事でまた別な物の見方で気づいて行く事が沢山あるのです。
「M様は寂しいと感じられるのですね。」
「はい。」
「ではここに何があったらお好きな秋の世界になりそうですか?」
すると即座にこうおっしゃいました。
「お花!」
飾る材料の中にお花の形の紙はありましたが、使われませんでした。
改めてそのお花をお見せしました。
「M様 このようなお花ならありますが飾ってみますか?」
「はい。いいですね」
「どちらがいいですか?」
「四隅にあるといいです」
作品を離してご覧になった事で改めてご本人のこうしたいという思いが芽生える。。。
そうして選んだ4色のお花 そうコスモスのお花の紙をご希望の箇所にペタりペタり
「いかがですか?」
「いいですね。明るくなりました。いいですね」
いつもの笑顔です。
ここから気持ちも更に明るくなり、いつものように皆様の作品に対して
「素晴らしいですね」などと伝えて下さいました。
ここがアートセラピーの素敵な所です。
こうしたい!!
その芽生えた想いを素材を使って付け足してみたり、引いてみたり、形や色を使って行なう事で
自分の今この作品という世界で満足を感じる事が出来るのです。
これはもちろんシニアの皆様だけでなく、子どもにも、成人の方にもどなたでもです。
また同時に私たちセラピストはワークの作り方だけでなく、自分を知る事と同時に授業でカウンセリング実習なども学んでいます。
どの作品にもM様とのようなやり取りを行ないながら進めています。
このプロセス 関わりを私たちの時間ではとても大切にしています。
一方的ではなく、また同じ物が出来上がる事を狙わずに共に感じながら過ごしていく時間です。
それが日常とは異なり「集中される」「落ち着かれる」理由がきっとここにあるのだろうと思っています。
職員の方達だけは補い切れない箇所を私たちアートセラピストが担っているのだ思います。
皆様の毛糸を使ったあたたかで豊かな秋
どうぞどんなやり取りがあったのだろう?どんな方なのだろう?と想像をしてご覧頂くと
より味わい深いものがあるかもしれません。
片麻痺の方もいらっしゃいます。認知症の方もいます。
だけれどもその事で身体的制限はあるにせよ、その方の持つ心は豊かであり自由である
ここを制限する事など神様でもさすがに出来ない事なのだと・・・私はいつも思うのです。
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