さる,11月27日(木),白石市立斎川小学校を対象に田んぼの生き物調査を行いました。
今回は3,4年生の児童5名が参加し,小学校周辺の水田と用水路でひとりひとり網を片手に水路内を調査しました。
斎川周辺では,平安時代から,当地域で「子どもの疳の虫」の民間薬として珍重されてきた「孫太郎虫」(ヘビトンボの幼虫)が生息しており,今回はその捕獲を目指して調査を行いました。
【調査中の児童】
「孫太郎虫」は数が減っており,なかなか見ることができなくなってきているそうですが,調査では,なんと大小10匹の孫太郎虫を捕獲することができました。また,その他,ヤゴや川エビもたくさん獲れ,斎川周辺の水質や自然環境が良好な状態で保全されていることを体験することができました。
「孫太郎虫」は参加した児童により学校で大切に飼育され,ヘビトンボの羽化まで観察するそうです。
【捕獲した孫太郎虫】
さて,この「孫太郎虫」という名前の由来には諸説あり,江戸時代の作家山東京伝の「敵討孫太郎虫」という伝説が由来となっているという説が有名です。
その昔,丹波国に桜戸姫(さくらどひめ)という美しい女性がいましたが,この女性の夫は横恋慕した他の男性に殺されてしまいます。
女性は息子孫太郎と共に斎川村(現在の白石市南部)まで逃げてきましたが,孫太郎は虚弱体質のため大病に陥ります。桜戸姫は斎川地区に現在も残っている田村神社で必死に祈り,「斎川の小石の間にいる百足のような虫を食べさせよ」というお告げを授かります。
【田村神社は斎川小の南に位置する】
これに従い,孫太郎に与えると,たちまち全快し,すくすくと成長します。そして,ついには,父の敵を討った,という伝説から,その百足のような虫を「孫太郎虫」と呼ぶようになったということです。
農業農村整備部 K.A