滋賀県長浜市で幼稚園児2人が刺殺された事件で、同級生の母親で殺人容疑で逮捕された鄭永善容疑者(34)が19日までの調べに「(自分の長女が)仲間外れにされているように感じていた」と供述していることが分かった。県警捜査本部は、幼稚園や地域で鄭容疑者の長女(5)へのいじめや孤立していた状況はなかったとみており、一方的な思い込みから殺害に及んだとみて動機をさらに追及している。
鄭容疑者は18日にやや不安定な様子を見せたものの、全般的には淡々と調べに応じている。動機に関する供述も始めており、このほか「(長女が)地域になじめなかった」などと話したという。
しかし、疎外されていると感じた理由や具体的な出来事については述べておらず、「自分の子供が他の子となじめず、このままではダメになると思った」という18日の動機に関する供述についても、他の園児を名指しするようなことはしていないという。
捜査本部は19日、鄭容疑者を殺人容疑で大津地検に送検した。鄭容疑者を乗せた県警のワゴン車は午前9時40分ごろ、留置先の大津署を出て、数分後に大津地検に到着した。鄭容疑者は赤色ズボン、ピンク系の上着姿で、警察官に支えられて車を降りた。この際、顔を覆い隠すためのフード付きジャンパーを着るよう勧められたが断ったという。捜査本部は銃刀法違反、死体遺棄容疑などでも追送検を検討している。