真の国際スターへの最初の試練は、英語のお勉強? フィギュアスケート女子金メダリストの荒川静香(24=プリンスホテル)が、本格的に英語を学び始めることになった。金メダリストとして世界から脚光を浴び、国際舞台に立つ機会も増える。本人も周囲も完全マスターへ意欲的だ。
03年6月に初めて米国を練習拠点としてから2年8カ月。周囲によると「聞き取りは大丈夫だし、簡単な言葉なら話すこともできる」という。金メダル直後の欧州取材陣からのインタビューでは、英語で答えた。だが、自分の思いを丁寧に伝えることは不完全。共同の優勝会見でも、喜びは通訳を通して日本語で語っていた。
同じ東北高の後輩であるプロゴルファー宮里藍も、勉強しながら海外選手と交流を深め、自分の糧にしている。将来の夢であるアイスショーに出る場合、海外選手との交流は必要不可欠。荒川のマネジメント会社は「自分の人生を広げるためにも本格的に英語をやらないといけない。人生はそんなに甘くないですから」と金メダルにもおごることないよう、語学学校への通学か、専属の家庭教師をつけて鍛えるつもりだ。
昨年12月に新しくモロゾフ・コーチに習い始めて以降、英語でのやりとりは、人を介したりメールやファクスで済ませることが多かったが、少しずつ自らの言葉で伝え始めている。そこで身についた自立心が、五輪の舞台では生かされていた。同コーチには今後も師事する予定。五輪の金メダルで知名度は世界に広まった。次は、名実ともに「世界の荒川」を目指す。