尼崎脱線事故 25日で1年 妻の形見、今年も満開
妻博子さんが好きだった自宅の庭のチューリップを見つめる山田冨士雄さん=兵庫県川西市で06年4月22日、小関勉写す
庭のチューリップを見て、妻は「今が一番きれいね」と声をかけた。「そやね」と、夫は相づちを打った。これが夫婦の最後の会話だった。兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故で亡くなった山田博子さん(当時54歳)。同県川西市の自宅に、チューリップが今年も花を咲かせた。「前向いていかなあかん」。会社員の夫冨士雄さん(56)は自分に言い聞かせる。事故から25日で1年になる。
博子さんは1両目に乗車して、大阪市内に住む母の介護に向かう途中で事故に遭った。花が好きでたくさんの花を自宅の庭に植えた。中でも、花が大きくて存在感のあるチューリップが好きだった。
冨士雄さんは、新たにチューリップの球根25個を買って昨秋に植えた。博子さんの“忘れ形見”からも4本が芽吹き、今は29本が咲いている。「大きく花開き、一年中で最高の時期。事故の日も、そうやった。嫁が亡くなったのも、こんな時期やったなあと思うと、たまらない気持ちになる」
会社員の長男(29)、高校3年の二男(17)と3人で暮らす。結婚した長女(27)に教わり、冨士雄さんが食事を作る。博子さんの笑顔を思い浮かべ、子どもの手本にならなくてはいけない、負けたらあかんという思いで家族を支えてきた。
よく妻の夢を見るようになった。「嫁の分まで生きよう思うたら、やっぱりめげていられへん」。冨士雄さんは25日、尼崎市である追悼慰霊式で、遺族を代表して「慰霊の言葉」を述べる。支えてくれた人たちと天国の妻に「元気でやっています」というメッセージを送るつもりだ。
あの怖かった事故の後
映画でちょうどあんな場面が出てきて
ちょっと思い出してしまって怖かった
でもあの事故からもう1年もたったんですね
107名の尊い命を一瞬にして奪って
107×何人もの悲しい人がいるんだなぁと思うと
切ないです
どうかみなさん幸せでいてください
ご冥福をお祈りいたします
合掌