恋愛小説「メールの涙」は、作者のオリジナルフィクション物語であり、登場する人物、団体名は実在するものとは全く関係ありません。
純愛をテーマにしているので年齢関係なく読める恋愛小説になっています。
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第十四章 啓祐の幼き頃
いぶかしがる詩織の瞳を真っ直ぐにみつめながら、啓祐は言葉を続けた。
「僕は物心ついたときから、不仲の両親の顔色をうかがっているうちにこの能力がついたと思っていたけど、実は潜在的なものだったんだ。」
「うん。」
「僕のこの能力が潜在化したときに、母親側の祖母に聞いた話なんだけど、祖父もこの能力の持ち主だったんだ。なぜかこの能力がうちの家系では、男性にだけでるらしく、母親は健常者だった。で、母が父と結婚し、兄と僕が生まれた。もちろん、母親は、自分の両親からこの能力については聞かされていなかったんだね。もちろん、うちの父親も。僕の能力は3歳の時には顕在化した。想像して。自分の子供がたどたどしい言葉で両親の自分達が思ったことを全部話し始めたら」
「もし自分の心を隠したくても隠せない」
「そうだ。それで今まで仲のよかった両親の間がギクシャクしていった。両親が不仲だから、俺にこの能力が備わったわけではなく、俺の能力が顕在化したから、両親の仲は悪くなったんだ。」
詩織の心は、幼い頃の、啓祐をいたわるような優しい慈悲の気持ちにあふれていた。
「どんなに仲がよくても相手にすべての本音を知られたら嫌よね。あ・・ごめん。啓祐君のことじゃなくて。」
「いいよ。大丈夫。そうなんだよ。それで父親が僕をある組織に売ろうとしていたことが母親に発覚した。俺は、兄、良介が能力者だなんて知らなかったから、きっと良介は、それを隠していたのか、もしくは力が俺よりも弱かったから、両親に気が疲れなかったのか。とりあえず、父親のターゲットは俺だった。」
「組織って」
「新能力開発センター。いわゆる超能力といわれているものを研究している国の組織だ」
「国の組織?」
詩織は、俺の言葉にびっくりしたように目を大きく見開いた。
「もちろん表立っては誰にも知られていない。信じられないよね」
「ううん」
(啓祐君の言うことなら何でも信じるよ)
「ありがとう。その組織に僕の能力を高く売りつけようとしていた。」
「本当の血のつながった父親が!」
両親は、そのことが原因で、毎日大喧嘩をしていた。そして、ついに離婚になったとき、
母親は、絶対に俺を引き取る。と言ってきかなかった。そりゃそうだよね。父親に連れて行かれたら
俺は、組織に研究材料として売り飛ばされたんだから。詩織のさっきの話でやっと、わかったよ。良介は、弱くても読心術があったから、そんな父親のどす黒い気持ちを読み取って、引き取られるはずだった、父親から逃げ出したんだ。もし、微力ながらも自分が能力者だと父親にわかってしまったら、自分も俺と同じように売り飛ばされる運命だからって」
「それで、良介兄さんは、逃げ出し、交通事故に会い、記憶喪失になって、孤児院に預けられた。
でも、ご両親は探さなかったのかしら?」
「うん・・・・ここからは、俺の想像だけど、うすうす父親は、良介の能力に気がついていたんじゃないかな?そして俺の代わりに組織に売りつける約束をしていた。なのに、突然の息子の失踪。警察に理由とかいろいろと訊かれたらめんどうだと思ったんじゃないか?一応表にはでていない裏の機関だから。」
「・・・・・・」
そこまで話を聴くと、詩織は、急に大粒の涙を流して泣き始めた。
第十五章「感受性」につづく・・・・
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いぶかしがる詩織の瞳を真っ直ぐにみつめながら、啓祐は言葉を続けた。
「僕は物心ついたときから、不仲の両親の顔色をうかがっているうちにこの能力がついたと思っていたけど、実は潜在的なものだったんだ。」
「うん。」
「僕のこの能力が潜在化したときに、母親側の祖母に聞いた話なんだけど、祖父もこの能力の持ち主だったんだ。なぜかこの能力がうちの家系では、男性にだけでるらしく、母親は健常者だった。で、母が父と結婚し、兄と僕が生まれた。もちろん、母親は、自分の両親からこの能力については聞かされていなかったんだね。もちろん、うちの父親も。僕の能力は3歳の時には顕在化した。想像して。自分の子供がたどたどしい言葉で両親の自分達が思ったことを全部話し始めたら」
「もし自分の心を隠したくても隠せない」
「そうだ。それで今まで仲のよかった両親の間がギクシャクしていった。両親が不仲だから、俺にこの能力が備わったわけではなく、俺の能力が顕在化したから、両親の仲は悪くなったんだ。」
詩織の心は、幼い頃の、啓祐をいたわるような優しい慈悲の気持ちにあふれていた。
「どんなに仲がよくても相手にすべての本音を知られたら嫌よね。あ・・ごめん。啓祐君のことじゃなくて。」
「いいよ。大丈夫。そうなんだよ。それで父親が僕をある組織に売ろうとしていたことが母親に発覚した。俺は、兄、良介が能力者だなんて知らなかったから、きっと良介は、それを隠していたのか、もしくは力が俺よりも弱かったから、両親に気が疲れなかったのか。とりあえず、父親のターゲットは俺だった。」
「組織って」
「新能力開発センター。いわゆる超能力といわれているものを研究している国の組織だ」
「国の組織?」
詩織は、俺の言葉にびっくりしたように目を大きく見開いた。
「もちろん表立っては誰にも知られていない。信じられないよね」
「ううん」
(啓祐君の言うことなら何でも信じるよ)
「ありがとう。その組織に僕の能力を高く売りつけようとしていた。」
「本当の血のつながった父親が!」
両親は、そのことが原因で、毎日大喧嘩をしていた。そして、ついに離婚になったとき、
母親は、絶対に俺を引き取る。と言ってきかなかった。そりゃそうだよね。父親に連れて行かれたら
俺は、組織に研究材料として売り飛ばされたんだから。詩織のさっきの話でやっと、わかったよ。良介は、弱くても読心術があったから、そんな父親のどす黒い気持ちを読み取って、引き取られるはずだった、父親から逃げ出したんだ。もし、微力ながらも自分が能力者だと父親にわかってしまったら、自分も俺と同じように売り飛ばされる運命だからって」
「それで、良介兄さんは、逃げ出し、交通事故に会い、記憶喪失になって、孤児院に預けられた。
でも、ご両親は探さなかったのかしら?」
「うん・・・・ここからは、俺の想像だけど、うすうす父親は、良介の能力に気がついていたんじゃないかな?そして俺の代わりに組織に売りつける約束をしていた。なのに、突然の息子の失踪。警察に理由とかいろいろと訊かれたらめんどうだと思ったんじゃないか?一応表にはでていない裏の機関だから。」
「・・・・・・」
そこまで話を聴くと、詩織は、急に大粒の涙を流して泣き始めた。
第十五章「感受性」につづく・・・・
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