恋愛小説「途中下車」は、作者が初めて掲載する、大人の恋愛を描いた小説であり、
文中に一部今までの小説とは違った、男女の恋愛描写が描かれている部分がございますので、ご了承の上お読みください。
また、この物語に関しては、長編小説初挑戦で現在作成途中のため、不定期に掲載される場合があります。
当小説は、作者のオリジナルフィクション物語であり、登場する人物、団体名は実在するものとは全く関係ありません。
☆,。・:*:・゜'★,。・:*:・゜'☆,。・:*:・'★,。・:*:・゜'☆,。・:*:・゜'★,。・:*:・
「途中下車」第一部
第一章 プロローグ
空は今にも泣き出しそうな曇天だった。
プシューという無機質な音をたてて電車のドアが背中の後ろで閉まった時、俺は初めてその駅が無人なことに気がついた。
どの位の間、電車に揺られていたのだろう・・・・
別に何か目的があったわけではなかった。
ただ、昨日の単なる続きでしかない今日・・・毎日、同じように繰り返される今日から抜け出してみたかっただけだ。
昨日のお酒が少し、まだ頭の隅に残っているようだった。
「少し飲みすぎたな」
誰もいないベンチに座り一人ごちた。
「おめでとう」「すごいな」という同僚達の賛美の声が、今も耳から離れなかった。
「すげーよな!高井、今度課長だってよ。同期最速!さすが高井!将来は、社長か?」
「高井!婚約おめでとう。百合菜姫のハートをゲットできるなんて、やっぱイケメン、高学歴はちげぇよな」
「おいおい・・・結婚式二次会には呼べよ・・・」
みんなが笑顔の高井をこづきながら、笑顔で何回も何回も乾杯!と言いながらグラスを重ねた。
「私、乾杯は、二人でするのが好きよ。グラスとグラスを少しだけ・・そうKISSをするように優しく・・・周りに聴こえないくらい少しだけの音をたてて」
駅舎にかけられているレトロな時計が、ふっと霞んで見えた。
「俺・・・泣いているんだ」
握りこぶしに落ちた一滴の水滴を見て、俺は、久しぶりにその両目から涙があふれていることに気がついた。
~第二章「新入社員研修」へつづく~
http://blog.goo.ne.jp/sherry0324/e/dbb854e88345a8facf00812f8218e76d
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プシューという無機質な音をたてて電車のドアが背中の後ろで閉まった時、俺は初めてその駅が無人なことに気がついた。
どの位の間、電車に揺られていたのだろう・・・・
別に何か目的があったわけではなかった。
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昨日のお酒が少し、まだ頭の隅に残っているようだった。
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誰もいないベンチに座り一人ごちた。
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「高井!婚約おめでとう。百合菜姫のハートをゲットできるなんて、やっぱイケメン、高学歴はちげぇよな」
「おいおい・・・結婚式二次会には呼べよ・・・」
みんなが笑顔の高井をこづきながら、笑顔で何回も何回も乾杯!と言いながらグラスを重ねた。
「私、乾杯は、二人でするのが好きよ。グラスとグラスを少しだけ・・そうKISSをするように優しく・・・周りに聴こえないくらい少しだけの音をたてて」
駅舎にかけられているレトロな時計が、ふっと霞んで見えた。
「俺・・・泣いているんだ」
握りこぶしに落ちた一滴の水滴を見て、俺は、久しぶりにその両目から涙があふれていることに気がついた。
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