詩絵里(★シェリー★)の星の囁き達

尾崎詩絵里(★シェリー★)の自作恋愛小説及びポエム、写真専用部屋です。掲載文の引用、転載は固くお断りいたします。

恋愛小説「途中下車~ちょっと大人の恋物語」NO.28

2011年07月08日 | 恋愛小説「途中下車」
恋愛小説「途中下車」は、作者が初めて掲載する、大人の恋愛を描いた小説であり、
文中に一部今までの小説とは違った、男女の恋愛描写が描かれている部分がございますので、ご了承の上お読みください。
また、この物語に関しては、長編小説初挑戦で現在作成途中のため、不定期に掲載される場合があります。
当小説は、作者のオリジナルフィクション物語であり、登場する人物、団体名は実在するものとは全く関係ありません。

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第十八章 そして再び二人でむかえる朝~NO.28~

俺は、ロレツも回らなく、一人で歩くことすらできない、百合菜をどうしていいかわからずに、タクシーを拾ってひとまず俺の部屋まで連れてきた。
百合菜の目は、飲みながら泣いたせいか、少し腫れていた。
でも、そんな百合菜が俺には美しく見えた。
真っ直ぐな心、いつもは強がっているくせに本当は、弱くて繊細な心の持ち主。
俺は、百合菜を自分のベッドに横にさせると、自分はテレビの前のソファーにゴロっと横になった。
目を瞑っても眠気は襲ってこない。俺も百合菜につきあってそうとう飲んだはずなんだけれど、百合菜から聞いた過去の衝撃的な話が、グルグルと頭の中を回り、何もしてやれない自分の無力さ、ふがいなさに腹がたった。

大学時代の悪友の俊介から、メールが来た。
気がついたら、まだ、23時を回ったところだった。
いい日本酒があるから今から俺の部屋で飲みたいと。
言い訳を考えるのが面倒くさかった俺は、今の状況をそのまま俊介に伝えた。
すると

『いいな~早速、女連れこんでいるのかよ!うらやましいぜ!!今夜は熱い夜を過ごせそうだな!!俺もして~ぇよ!!』

そうだろうな、普通の成人男子だったら、こういう状況をそう理解するんだろうなと俺は、頭の片隅で思った。でも、もちろん俺には、そんな気持ちは全くなかった。
それよりも、俺は百合菜の心を救いたい、救ってやりたいと・・・そんなことばかり考えていた。


**NO.29 第十九章「告白」へつづく**
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