序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

小言幸兵衛その2

2012-02-13 20:26:53 | ブログ

さて、どこまで話したかな。

ああ、そうそう。

人との付き合いを結び付けているのは言葉だね。

ところが芝居の世界でその言葉を交わすことを面倒がる手合いがいるてな話だったな。

とにかく近頃の若いのは言う事は言うんだ、自己主張はね。

でも言いぱなしなんだな。

内容にしても受け売りの場合が多いのよ。

「これはいい」と思っても、それを聞いて確かめる事が出来ないから、「大体こんな感じ」といった曖昧なものでしかないのさ。

自分の思ったことは言うんだが、それに対する他人からの反応に対しては無頓着なんだよ。

いや、返事はいいんだよ、「ハイハイ」ってね。

でも聞いてないんだ。

若いのの会話を聞いてると、自分の言いたい事を言いたいままに言い合うだけで会話の体にはなっていないもんね。

一方通行なんだね。

でもそれじゃ芝居はできない。

芝居にとって聞くという事は、大事な事でね。

例えばさ演出からの言葉を分からないのに「ハイハイ」って聞いても、それだけじゃ済まないんだよ。

その返事の具体的な表現を後で求められるんだからね。

芝居に於いての「わかる」という事は「できる」という事なわけよ。

だから他人からの言葉は自分の言葉に置き換える作業が必要になってくるんだよ。

だから自分でそれが出来ないのなら、できるまで人を言葉を吟味しなくてはならなくなるんだよ。

それから分からなかったら聞かなければならない、恥ずかしい思いをしなければならないのよ。

でもそれを出来る人だけが、それが楽しいと思える人だけが芝居の世界で生きていけるのだと私は思うね。


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