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光子の娘の美樹が勝利の所から駆けつけて来る。
光子 「それじゃ、能書きなしで二回目の乾杯と行こうか」
陣五 「オイース」
光子 「それじゃ、乾杯!」
一同 「乾杯」
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美樹 「ちょっと話があるの」
一同とは離れる光子と美樹。
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美樹 「お母さん、怒らないで聞いてね」
光子 「なんだい」
美樹 「実はね。今日会社にいたら急に携帯なった
の・・・」
光子 「・・・誰から・・・ああ、勝ちゃんから?」
美樹 「それが・・・お父さん」
光子 「エッ!」
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光子 「帰って来てるの、あの人」
美樹 「そうなのよ」
光子 「まったく人騒がせな奴ね。で、何だって」
美樹 「だから、此処で会えって」
光子 「此処で?何でさ」
美樹 「知らないわよ。でも横丁がこんな風になっていたの
で驚いてたみたい。そこに倉本のおじ様から電話があって、
二人して会いに行ったの」
二人の会話を素知らぬ顔で聞く一同。
光子 「全く相変わらず他人の事なんかお構いなしの人ね。
それで何だっていうの?」
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美樹 「お母さん、お願いがあるの」
光子 「何だい、改まっちゃって」
美樹 「あの・・・お父さんと会ってあげてくれない?」
光子 「・・・・あんた、何言ってるか分かってるの」
美樹 「ええ、分かってる」
光子 「あんたは血の繋がった娘だし、もういい歳の大人だ
からあの人と会おうが会うまいが勝手だけど、あたしとあの
人はもう他人なの。もう関わりたくないのよ。分かる?」
美樹 「ええ、分かってわ。でも・・・」
光子 「あの人はあたしとあんたを自分のしたい事の為に、
捨てたんだよ。放っぽリ投げたんだ、ゴミくずみたいに。そ
れだけじゃない、どんなお偉い画伯になったかしらないが、
あたしの気持ちなんかそっちのけで自分の立場が変わった
ら、当然の様に夫面して、元に戻ろうなんて・・・あんな手
前勝手な男とは金輪際あたしゃ会わないから」
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消防車が続けて通り過ぎる。
美樹 「病気なの」
光子 「えっ?何だって」
消防車通過。
美樹 「(大きな声)お父さん病気なの!」
響き渡る美樹の声。
凍る一同。
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光子 「・・・病気?本当」
美樹 「ええ、本人から聞いたわ」
光子 「それで帰って来たの」
美樹 「ええ、そうみたい」
おずおずと一同が近づいて来る。
それに気づいた光子。
光子 「みんなちょっとゴメンね」
美樹と光子店に入る。
見送る一同。
第3場へと続く
撮影鏡田伸幸
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