木曜はライトノベル愛語り。今回は、かなり読み手を選ぶ作品を紹介します。
今回紹介するのは、寺場糸先生の『僕はライトノベルの主人公』です。内容は、主人公である手塚公人とメインヒロインの高嶺千尋を中心とし、とある高校を舞台にしたラブコメ…なんですが、かなり「かっとんだ」と言うか、「イカれてる」って言うか、普通の人には読みにくそうな印象です。
何故なら、この作品はメタフィクションを全面に押し出しているからです。
ウィキペディアによると、「メタフィクション(英: Metafiction)とは、フィクションについてのフィクション、小説というジャンル自体に言及・批評するような小説のこと」とあり、更に「メタフィクションは、漫画・アニメ・小説などにおいて『それが作り話だ』ということを意図的に(しばしば自己言及的に)読者に気付かせることで、虚構と現実の関係について問題を提示する」と記述されています。この説明を読んだだけで、何だか難しそうな印象を受けますが、『僕はライトノベルの主人公』の内容自体は大した難しくありません。
ただ、「この作品はメタフィクションだから」と言う理由で、作品中では相当な無茶が押し通されています。何か事件が起きても、「これはメタフィクション内での出来事なので」と言って、事件が無かった事にされる事もあります。これ、その事を許容できる読み手なら楽しめますが、「え? 何で、そうなるの?」とか「それってイイの?」と感じる読み手なら、全く楽しめないと思います。
そう言う私は、結構、この作品を楽しく読みました。何故なら、この様な展開に馴染みがあったからです。
それは、押井守監督の映画作品です。
特別、押井守監督の作品が好き…と言う訳ではないのですが、よくよく考えると、少なくない数の作品を視聴していました。「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」から始まり、「紅い眼鏡/The Red Spectacles」、「機動警察パトレイバーthe Movie」、「ケルベロス-地獄の番犬」、「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」など。そして、これらの作品には、「問題の本質を追求する」と言う要素が共通しています。
中でも、「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」と「紅い眼鏡/The Red Spectacles」は、「問題の本質を追求する」過程で物語が複雑に重なり合ったり、影響し合ったり、登場人物が変化したり…が発生します。この点が、「この作品はメタフィクションだから」と言う理由で、作品中で相当な無茶が押し通される『僕はライトノベルの主人公』と似ている…と、私は感じました。
そんな既視感があったから、それなりに私は楽しめたのだと思います。
だから、押井守監督の作品が好きな方なら、案外、この作品は楽しめるかもしれません。結構、派手な場面も沢山あるし、ラブコメとしての要所も押さえていますから。
…と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。
今回紹介するのは、寺場糸先生の『僕はライトノベルの主人公』です。内容は、主人公である手塚公人とメインヒロインの高嶺千尋を中心とし、とある高校を舞台にしたラブコメ…なんですが、かなり「かっとんだ」と言うか、「イカれてる」って言うか、普通の人には読みにくそうな印象です。
何故なら、この作品はメタフィクションを全面に押し出しているからです。
ウィキペディアによると、「メタフィクション(英: Metafiction)とは、フィクションについてのフィクション、小説というジャンル自体に言及・批評するような小説のこと」とあり、更に「メタフィクションは、漫画・アニメ・小説などにおいて『それが作り話だ』ということを意図的に(しばしば自己言及的に)読者に気付かせることで、虚構と現実の関係について問題を提示する」と記述されています。この説明を読んだだけで、何だか難しそうな印象を受けますが、『僕はライトノベルの主人公』の内容自体は大した難しくありません。
ただ、「この作品はメタフィクションだから」と言う理由で、作品中では相当な無茶が押し通されています。何か事件が起きても、「これはメタフィクション内での出来事なので」と言って、事件が無かった事にされる事もあります。これ、その事を許容できる読み手なら楽しめますが、「え? 何で、そうなるの?」とか「それってイイの?」と感じる読み手なら、全く楽しめないと思います。
そう言う私は、結構、この作品を楽しく読みました。何故なら、この様な展開に馴染みがあったからです。
それは、押井守監督の映画作品です。
特別、押井守監督の作品が好き…と言う訳ではないのですが、よくよく考えると、少なくない数の作品を視聴していました。「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」から始まり、「紅い眼鏡/The Red Spectacles」、「機動警察パトレイバーthe Movie」、「ケルベロス-地獄の番犬」、「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」など。そして、これらの作品には、「問題の本質を追求する」と言う要素が共通しています。
中でも、「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」と「紅い眼鏡/The Red Spectacles」は、「問題の本質を追求する」過程で物語が複雑に重なり合ったり、影響し合ったり、登場人物が変化したり…が発生します。この点が、「この作品はメタフィクションだから」と言う理由で、作品中で相当な無茶が押し通される『僕はライトノベルの主人公』と似ている…と、私は感じました。
そんな既視感があったから、それなりに私は楽しめたのだと思います。
だから、押井守監督の作品が好きな方なら、案外、この作品は楽しめるかもしれません。結構、派手な場面も沢山あるし、ラブコメとしての要所も押さえていますから。
…と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。