木曜はラノベ愛語り。今回は、最近読んだラノベについて語ります。
今回紹介するのは、漂月先生の『マスケットガールズ! ~転生参謀と戦列乙女たち~』と言う作品です。題名と副題を読めば予想できる通りの内容ですが、簡単に紹介します。
現代日本で死んでしまい、ナポレオン時代くらいの異世界(魔法無し)に転生してしまった主人公ユイナー・クロムベルツ。彼は軍人になり、とある事情から、女性ばかりの第6特務旅団の旅団長付き参謀となります。そして、ユイナーは幾つかの戦いを勝ち抜き、徐々に出世していく…と言う、『太閤記』みたいな立身出世伝が本作です。
作者の漂月先生は軍事知識が豊富で、私が知らない専門用語も幾つか出てきますし、戦闘場面はリアルに展開していきます。普通のラノベみたいに、チート能力で主人公側が圧勝…とはなりません。もっとも、ナポレオン時代くらいの戦闘なので、リアル過ぎると凄惨になり過ぎます。だから、そこそこ主人公側が勝つ様に書かれていますが…。
戦記物っぽい雰囲気があり、ユイナーをめぐるラブコメ要素もあり(ユイナーは「悪役令嬢物」並に鈍感!)、政治闘争もあり、なかなか面白い作品です。読みやすいので、するすると最終巻(全4巻)まで読んでしまいました。
ただ、満足度で言うと…う~ん、やや物足りないって言うか、少々残念な感じです。その原因は…突き詰めて考えると時代設定、と言うか武器設定にある様な気がします。
この作品の面白さは、第1巻で漂月先生自身が語っている通り、「女の子たちが銃を持って戦う」と言う点にあります。出来れば、「女の子たちが銃を持って戦い、男どもに勝って強くなっていく」だと更に面白いでしょう。
ところが、肝心の「女の子たちが銃を持って戦う」場面が少ないのです。概ね、1つの巻につき1場面くらいの感じです。それでも、第1巻は訓練の場面などもあって満足できますが、第2巻からは実際の戦闘場面より、政治闘争が多くなってしまいます。
おそらく漂月先生は、第2巻の途中までは、戦闘場面を入れるつもりだったと思います。実際、第2巻の戦闘場面は、戦死者が出る程の激しい戦いとなっています…が、これにより「戦闘場面を描くと、登場人物を沢山死なせなくてはならない」と気付いたのでしょう。第2巻に、戦死者が出る事への謝罪めいた文を書いていますから。
そこで、戦死者が沢山出ない様に、政治闘争を多くする事にしたのだろう…そう、私は考えています。そして、その「変質」した事が、少々残念な印象につながった訳です。
では、何故、戦闘場面を減らさざるを得なかったか…それは、女の木たちが使う銃がマスケット銃だからです。
作中でも紹介されていますが、マスケット銃の有効射程は50mくらいなので、撃ち合いによって戦闘が決着する事はありません。銃弾の飛んでくる中、歩兵は隊列を組んで歩いて前進し、残り50mまで近づいたら、猛ダッシュで突撃します。そして、銃剣を使った白兵戦で決着する…ナポレオン時代の戦闘は、そんな感じでした。
白兵戦で戦闘が決着するなら、戦闘の度に戦死者が出るのは必定。それを避けるなら、戦闘場面自体を減らすしかありません。つまり、マスケット銃を使ってる時代は選ぶべきではなかった…となります。
これが、有効射程の長いライフル銃であれば、白兵戦で決着…とはなりにくくなります。もちろん、戦闘場面を描けば戦死者が出る可能性はありますが、極力、戦死者が出る事を減らす事も可能となります。
まぁ、最初から「主人公ユイナーの立身出世伝」と考えて読めば、割と面白い作品なのですが…。設定が面白かっただけに、少々残念感のある作品となってしまいました。
今回紹介するのは、漂月先生の『マスケットガールズ! ~転生参謀と戦列乙女たち~』と言う作品です。題名と副題を読めば予想できる通りの内容ですが、簡単に紹介します。
現代日本で死んでしまい、ナポレオン時代くらいの異世界(魔法無し)に転生してしまった主人公ユイナー・クロムベルツ。彼は軍人になり、とある事情から、女性ばかりの第6特務旅団の旅団長付き参謀となります。そして、ユイナーは幾つかの戦いを勝ち抜き、徐々に出世していく…と言う、『太閤記』みたいな立身出世伝が本作です。
作者の漂月先生は軍事知識が豊富で、私が知らない専門用語も幾つか出てきますし、戦闘場面はリアルに展開していきます。普通のラノベみたいに、チート能力で主人公側が圧勝…とはなりません。もっとも、ナポレオン時代くらいの戦闘なので、リアル過ぎると凄惨になり過ぎます。だから、そこそこ主人公側が勝つ様に書かれていますが…。
戦記物っぽい雰囲気があり、ユイナーをめぐるラブコメ要素もあり(ユイナーは「悪役令嬢物」並に鈍感!)、政治闘争もあり、なかなか面白い作品です。読みやすいので、するすると最終巻(全4巻)まで読んでしまいました。
ただ、満足度で言うと…う~ん、やや物足りないって言うか、少々残念な感じです。その原因は…突き詰めて考えると時代設定、と言うか武器設定にある様な気がします。
この作品の面白さは、第1巻で漂月先生自身が語っている通り、「女の子たちが銃を持って戦う」と言う点にあります。出来れば、「女の子たちが銃を持って戦い、男どもに勝って強くなっていく」だと更に面白いでしょう。
ところが、肝心の「女の子たちが銃を持って戦う」場面が少ないのです。概ね、1つの巻につき1場面くらいの感じです。それでも、第1巻は訓練の場面などもあって満足できますが、第2巻からは実際の戦闘場面より、政治闘争が多くなってしまいます。
おそらく漂月先生は、第2巻の途中までは、戦闘場面を入れるつもりだったと思います。実際、第2巻の戦闘場面は、戦死者が出る程の激しい戦いとなっています…が、これにより「戦闘場面を描くと、登場人物を沢山死なせなくてはならない」と気付いたのでしょう。第2巻に、戦死者が出る事への謝罪めいた文を書いていますから。
そこで、戦死者が沢山出ない様に、政治闘争を多くする事にしたのだろう…そう、私は考えています。そして、その「変質」した事が、少々残念な印象につながった訳です。
では、何故、戦闘場面を減らさざるを得なかったか…それは、女の木たちが使う銃がマスケット銃だからです。
作中でも紹介されていますが、マスケット銃の有効射程は50mくらいなので、撃ち合いによって戦闘が決着する事はありません。銃弾の飛んでくる中、歩兵は隊列を組んで歩いて前進し、残り50mまで近づいたら、猛ダッシュで突撃します。そして、銃剣を使った白兵戦で決着する…ナポレオン時代の戦闘は、そんな感じでした。
白兵戦で戦闘が決着するなら、戦闘の度に戦死者が出るのは必定。それを避けるなら、戦闘場面自体を減らすしかありません。つまり、マスケット銃を使ってる時代は選ぶべきではなかった…となります。
これが、有効射程の長いライフル銃であれば、白兵戦で決着…とはなりにくくなります。もちろん、戦闘場面を描けば戦死者が出る可能性はありますが、極力、戦死者が出る事を減らす事も可能となります。
まぁ、最初から「主人公ユイナーの立身出世伝」と考えて読めば、割と面白い作品なのですが…。設定が面白かっただけに、少々残念感のある作品となってしまいました。
…と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。