白珠だより

札幌にて美人画と武者絵を扱っております白珠画廊のブログです。

白鳥の子かしら?

2011-02-19 | 画廊の様子
お花やさんの店先に色とりどりの春の花たちが揃いはじめました。
香しい花びらをこぼれるようにつけた水仙の花が春はすぐそこよと
微笑んでいます。

昔のむかし、地中海に生まれ育った水仙はふるさとをあとにして
旅に出ました。
シルクロードを経ていつしか唐の国に着きました。
その可憐な姿から「水仙」‥‥水に住む仙女と
名づけられました。
でも、まだまだこの花の長いながい旅は続くのです。

ある時、それは源平の戦いのさ中でした。越前の国の海岸に
嵐にあって流れ着いた美しい娘がおりました。
戦いに敗れて帰国した兄と国を守って留まっていた弟が
この娘をいっぺんに好きになりいがみあう様になりました。
それを悲しんで娘は海に身を投げてしまいました。
やがて次の春、一輪の美しい花がこの国に流れつきました。
これは日本の水仙のおはなしです。

大陸から黒潮に乗ってやって来たロマンチックでダイナミックな
小さな花の旅は日本の暖かな海辺にたどり着いて終わりになりました。

水仙の園芸品種は一万種くらいあって世界中で作られ愛されています。
緑のセンターで可愛いお日さまのような元気な子に会いました。
名前はテイタテイト~Tete-a-Tete、さっそく連れて帰りました。
スイセン図鑑を開くとこんな風に可愛い名前のお花がたくさんあります。
アラ、なんだか聞いたことのある素敵なお名前が☆☆☆Totoですって。
どこかのいたずらっ子だったかしら???  s・y

  白鳥が生みたるもののここちして朝夕めづる水仙の花
                 与謝野晶子