白珠だより

札幌にて美人画と武者絵を扱っております白珠画廊のブログです。

夏は来ぬ

2013-06-07 | 画廊の様子
遅い春を惜しむ間もなく、山の向こうから緑の風が吹いて来て
木々の葉を一斉に染め上げ、陽炎を燃え立たせ、光がはじけて
花たちのあふれる北国の六月になりました。
いよいよお祭りの季節がやって来ました。
北海道神宮のお祭りは14日の宵宮から15,16日と続きます。
蝦夷地が北海道と改められたのは明治2年、1869年のことです。
明治4年に札幌神社として札幌市の円山に置かれ、開拓のお守りにと
三つの神様をお迎えし、明治12年(1874年)から神輿が市内を
まわるようになりました。
神輿を担ぐ人たちは開拓当時を彷彿とさせる衣装を着けます。
華やかに飾られた山車や神輿、お囃子が静々と大きな通りを
進みます。
深い雪から抜け出た市民はその喜びに神輿行列見物に駆けつけます。
ライラックの花の香りがお祭りを楽しむ人々を優しく包みます。
お祝いの食卓にはお赤飯、蕗や笹だけの子に油揚げやこんにゃく
わらびの煮物、ますや時鮭の漬け焼き、赤カブの酢の物など
定番のご馳走がいっぱいに並べられてどこの家でもお馴染みの
お祭りのメニュウとして振舞われています。
今も昔も変わりません。
札幌の街も周囲が大きくなったので昭和39年に北海道神宮となりました。

今日の一枚の絵 「祭り」 ジヨージ・クロスビー 油彩 1990年

祭り半天を羽織り、きりりと額に締めた鉢巻姿も凛々しい子供たちが
ヨーヨー釣りに興じているのが描かれています。
今でもお祭りのハイライトは中島公園に並ぶテントの出店です。
美味しい匂いや数々のゲームや小物のお店が大人も子供も大好きです。

クロスビーは1947年、ニューヨーク生まれのニューヨーク育ち。
イラストレーターとして働いていた当時に浮世絵に出会いました。
1989年の冬から1990年の夏まで約半年間札幌に滞在して
どこにでもある街の景色を特別に美しいものとしていきいきと
描きました。

お祭り見物に出かけて行って迷子になって大泣きしたのは
だぁれ?手をあげて!
            s・y