白珠だより

札幌にて美人画と武者絵を扱っております白珠画廊のブログです。

しがねえ恋が・・・

2013-04-23 | 画廊の様子
木更津の浜辺に気持ちの良い潮風が吹いて春たけなわ、潮干狩りの
人々で大賑わいでした。
江戸の大店の放蕩息子、与三郎は預けられていた親類の家から
ぶらり見物に出かけました。
松林ですれ違った女、お富に一目惚れ、その衝撃で羽織を落とす
有様です。
二枚目若旦那といい女が出逢ってしまいましたから大変です。
お富は囲われの身なので当然許されない恋、忍び逢いが続きます。
運命の出逢いはやがてとんでもないことに・・・

「与話情浮名横櫛」~通称「切られ与三郎」は1853年初演、
以後八代目團十郎の与三郎でブレイク、歌舞伎を代表する
演目の一つとなりました。

15代仁左衛門の与三郎と5代玉三郎のお富の組み合わせもあり、
それはそれは美しい舞台であったことでしょう。

GWも間もなくです。千葉の辺りはそろそろ潮干狩りのシーズンですね。
満月新月の時が潮の引きが大きいので収穫があるとか。
干潮満潮の時刻を調べてから行きましょう。
運動靴、手袋、熊手や網、入れ物も忘れないでね。でもね、
ここ北国はやっと春風さんがやって来たばかりなのです。

修学旅行でお土産に買ってきた貝合せでも出してきて
思い出にふけりましょう。  s・y

今日の一枚の絵  [横櫛おとみ」 鰭崎英朋 明治40年代
                      複製版画

そこここに名科白が~しがねえ恋が情けの仇

          ~イヤサお富、久しぶりだなぁ

鰭崎英朋 1881~1968年
     浮世絵並びに日本画を学ぶ。
     当時、鏑木清方と共に美人画の双璧と言われた。
     泉鏡花の「婦系図」の口絵と挿絵は大人気でした。
     


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