単なる雑記帳

日々の出来事と、ゴルフ・仕事・時事ネタ…などなど適当に書いてます。
故に『単なる雑記帳』と名乗っています。

時には昔の話を

2008-10-10 16:19:15 | むかしばなし
・・・と言う事で、たまにはそんな話もいいでしょう。

以前話したことがあるかも知れないが、俺には今はもう両親が居ない。

元々俺が幼稚園に通ってた頃には、母親は他の男と駈け落ち同然で離婚そのまま音信不通。
離婚したときに二十代中盤だった親父は、男手一つで俺を育て上げた。


今回はそんな、親父との思い出の一つを綴ってみる。


生きていれば今年57歳になるはずだった親父は、在来工法の大工って事もあり、歳の割に古臭く頑固な人間だった。
まあ頑固イコール厳しいっていう定番パターンで、門限やら何やらと厳しく躾けられてはいたが、ことさら厳しかったのは何故か魚の食べ方だった。(釣り好きだったってのもあるんだろうけど)
背骨に魚肉が残っていようものなら、グーでパンチが飛んでくる程(ノ_・、)
・・・別に殴らなくてもいいのに。

お陰様で今じゃ人様に見られても、恥ずかしくない程度には巧く食べられるようになった。



そんな親父は仕事が忙しく、土日も殆ど仕事が入っているため、俺と行楽に出掛ける事がなかった。

そんな数少ない行楽の記憶の中で、今だに一番の思い出になっているのが、何の前触れもなく連れていってくれた東京タワーだ。

俺が小学校低学年の時、薄曇りの休日の朝、親父が突然「shirokimu、今日休みだから何処か好きな所に連れていってやる、何処に行きたいかshirokimu考えろ」
なんともまあぶっきらぼうでやぶからぼうな訳だがw、とりあえず俺は考えた。
そこで最初に思いついたのは、それまで一度も行った事が無かった東京タワーだったのだ。

当時住んでた五井から、二人で電車に揺られて御成門に到着。

まず東京タワーのその大きさに驚き、エレベータで展望フロアに上がり、眼下の建物の小ささから、高さに驚き足がすくんだ。
当時からあったガラスの床、俺は怖くて踏めなかった・・・(´・ω・`)
(当時から高いところは嫌いだったのだ、そのトラウマになった話はまた機会があったらする事としよう)

そんな俺を尻目に、親父は特別展望台行エレベータのチケットを買った。

当然俺も連れていかれた訳なのだが、上がってみると逆にその高さに実感が湧かず、ある意味下の展望台より楽しめた。

展望台の後は、下のビルの蝋人形館に行ったのだが、まだ小さかった俺にはお化け屋敷状態(´・ω・`)
怖くて半ベソかいてた俺を、親父は思い切り笑っていた・・・
本人にとっては生きるか死ぬかの問題なんだけどね。

そんな東京タワーで買った一番のお土産は、何故かウサギの小さなぬいぐるみだった。
男らしい土産では全然ないんだけど、ウサギ好きだった俺にはいいお土産だったわけ。



俺には、親父が突然連れて行ってくれた東京タワーの思い出が、今だ一番最初に出てくる思い出だ。

ウサギの小さなぬいぐるみは、その後ずっと俺の部屋の何処かに必ず居て、親父の代わりに俺の成長を見守ってくれた。







親父は2001年の夏に、50歳でこの世を去った。

俺は出棺前に、ウサギの小さなぬいぐるみを、親父顔の隣に収めて送り出した。



忘れる事の無い思い出をありがとう。




という事で、昔話をしてみました。
今回のタイトルは紅の豚のエンディングテーマで、加藤登紀子さんの歌のタイトルです。

ちなみに東京タワーには、それ以来訪れていない。
コメント (4)
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