食養生365日 食材の栄養や漢方・薬膳的な効能のお話

あなたのバランスをサポートするサロンConcordia~コンコルディアのsoraがお届けする薬膳・食養生のことなど

白ごまと黒ごま

2013-08-16 | 体を潤す
今日は「ごま」がテーマです。

サプリメントですっかり有名になったセサミンには、強い抗酸化作用があり、老化防止、肝機能の改善、悪玉コレステロールを低下させ動脈硬化を防ぐ、血圧を下げるなどの効果が期待できます。
不飽和脂肪酸のリオール酸とオレイン酸、タンパク質、ビタミンE・B群、カルシウム、鉄などのミネラルも豊富な健康食材です。


白ごまと黒ごまで栄養成分はほとんど変わらないそうです。
(細かくいうと、黒ごまの皮には、活性酸素を取り除き老化を防止するアントシアニンが含まれています。)
漢方では、黒ごまと白ごまで性質や働きが少し異なります。

白ごまは、体を冷やす寒の性質。
黒ごまは、冷やす・温めるのどちらでもない平の性質です。

漢方で食材の作用が入りやすい臓腑や経絡を指す「帰経」は、白ごまが肺と脾と大腸。
黒ごまは肝と腎です。効く場所が別とイメージしてください。

効能にも違いがあります。
乾燥を潤す・便秘を改善するところは同じですが、白ごまは体を冷やす食材なので、余分な熱を取り除いたり、皮膚の赤みを落ち着かせる働きがあります。
黒ごまは、肝と腎に入り潤すので、足腰がだるい・耳鳴り・ほてり・めまい・頭痛・不眠・寝汗などの症状の改善に効果を発揮します。
また、血を補い精を増やすので、白髪や貧血などにもよいです。
なぜ肝と腎に入るとその症状が改善できるの?という話は、長くなりそうなのでいつか別の機会に。

お祭りに参加して一日外にいたら、パックしてもお肌の乾燥が治らない…
白ごまを食べて潤い肌を目指します!

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
白胡麻
性味/帰経
寒、甘/肺・脾・大腸

効能
余分な熱を取除く、皮膚の乾燥や赤み・便秘を改善する


黒胡麻
性味/帰経
平、甘/肝・腎

効能
肝腎の陰を養う、血を養い精を増やす
乾燥を潤して便秘を改善する


解熱・解毒・利尿に緑豆(もやし)

2013-08-15 | 体の熱を冷ます
今日のテーマは「緑豆」です。

身近なところでは、「緑豆もやし」と「緑豆春雨」は緑豆が原料です。
(春雨はじゃがいもやさつまいものでんぷんを原料にしているものもありますので、表示を確認してください。)
緑豆そのものはスーパーでは見かけません。私も必要な時は中華街や通販で買っています。


小豆より小さな緑色の豆で、数時間水に浸せばいいので、黒豆のように一晩水に浸す手間がなく楽に使える食材です。
うっかり温かい所で半日近くふやかしていると、芽が出はじめてしまうことも(^ ^;)

漢方では、解熱・解毒・利尿の働きに優れた食材として知られています。
体の熱やほてりを取ってくれるので、煎じ汁を飲むと熱中症の予防ができます。
また、豆類の利尿作用で摂り過ぎた水分を上手に出してくれます。

緑豆は余分な熱を取ってくれる、体を冷やす食べものです。
お仲間の緑豆もやしや緑豆春雨も体を冷やしますので、寒い冬の季節には、体を温める食材や薬味をいつもより多めに一緒に食べるなどの工夫をしてください。
胃腸が冷えて下痢しやすい人は夏でも控えめにしてください。

緑豆もやしには、豆にはないビタミンCをはじめ、ビタミンB群、疲労回復に効果のあるアスパラギン酸、血圧を下げるカリウムや、カルシウム、鉄、食物繊維などが含まれています。
豆なのでもちろんタンパク質も含まれています。
見た目のか弱さと値段の安さからは、全く想像できない栄養価の高い野菜なんです!

もやしのビタミンCは加熱で損失しやすいので、手早く調理しましょう。
今日の簡単レシピは緑豆もやしを使った一品です。

簡単おうち薬膳レシピ
緑豆もやしと豚肉の黒胡麻炒め
体の熱を取りつつ潤し、余分な水分は排出します


作り方(2人分)
(1)フライパンに油を引き、しょうがのせん切り少々と刻んだ豚肉150gを炒め、肉の色が変わったらもやし1袋を加えてサッと炒める。
(2)紹興酒大さじ1、黒砂糖小さじ2、しょうゆ小さじ1、黒酢小さじ2、スープの素小さじ1、塩少々を加えて全体に調味料が絡んだら、最後に黒胡麻大さじ1を混ぜてできあがり。

黒胡麻を使うことで潤い効果がよりアップします。
黒酢の量や塩加減はお好みで調節してください。黒酢の働きについてはこちらもあわせてご覧ください。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
涼、甘/心・胃

効能
余分な熱や毒素を取り除く
利尿作用によりむくみを改善する


一年中食べたい豆腐

2013-08-14 | 体の熱を冷ます
まだまだ暑いし冷奴が美味しいですね☆今日は「豆腐」がテーマです。

漢方では、消化機能を整え、乾燥を潤し、余分な熱や毒素を取り除く働きがあり、肺に熱がこもった感じがする時の咳、喘息、喉の渇き、便秘、むくみ、皮膚の腫れや赤みに効果があるとされています。

体をしっかり冷やす寒の性質を持つ食べものです。
夏、クールダウンのために冷奴を食べるのはもちろんありですが、冷えやすい方はしょうが、ねぎ、シソ、みょうがなどの体を温める薬味を一緒に摂るようにしてください。

また、冷奴と一緒にお刺身、たたききゅうり、冷やしトマト、冷たくした焼きなすを食べるのは冷やし過ぎです。
でもこれ、居酒屋さんで普通に頼んでしまいそうなラインナップですよね(^ ^;)さらに冷たいビールも!
知らず知らずのうちに体の中を冷やしていて、外気とのギャップで体がまいってしまいます。ほどほどに食べながら暑さを乗り切っていきましょう。

豆腐には良質な植物性タンパク質が豊富。ほかに注目の栄養素がたくさん含まれています。
コレステロール値を下げるレシチン、脂肪酸の酸化を防ぎ活性酸素を抑え老化防止に効果的な大豆サポニン、女性ホルモンに似た働きをするイソフラボン。

寒い季節や冷え体質でも、体を温める薬味と一緒に食べたり、煮物や鍋物のような温かい料理で一年中摂りたい食材ですね(^_-)

[超]簡単おうち薬膳レシピ
豆乳スープ奴
体を潤し咳を鎮めます。便秘やむくみの改善にも


少し時間が経つと豆乳スープの表面に膜ができます。湯葉みたい。

作り方(2人分)
(1)絹ごし豆腐1丁は2等分して深めの器に入れる。
(2)豆乳200ccにめんつゆ小さじ2、しょうゆ小さじ1を混ぜ、それぞれの豆腐に半分ずつかける。
(3)豆腐にくっつかないようにふわりとラップをし、電子レンジ500wで2分30秒ほど加熱。豆乳が沸騰したらできあがり。


器がとても熱くなっているので、取り出す時やラップを外す時のやけどにご注意ください。
火も使わないし薬味も刻まなくていい、超お手軽メニューです。
豆乳は漢方では、肺を潤して咳を鎮め、便秘やむくみを改善し、血を補い疲労を回復する働きがあるといわれています。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
寒、甘/脾・胃・大腸

効能
消化機能を整える
体に必要な水分を生み乾燥を潤す
余分な熱や毒素を取り除く


牛肉で気と血を補って元気に

2013-08-13 | 気力・体力アップ
野菜や果物が続いていたのでたまには肉の話題ということで、今日のテーマは「牛肉」です。

漢方では気と血を補い滋養強壮し、疲労回復、めまいや息切れ、膝や腰のだるさなどに効果があるといわれています。

肉のタンパク質は、植物性タンパク質に比べて体内に吸収されやすいのが特徴です。
中でも牛肉は、ビタミンB群や鉄分・カリウムなどのバランスがよく、特に鉄分は、野菜の鉄分よりも吸収されやすいヘム鉄が多いそうです。

スタミナをつけたい時に牛肉が食べたくなるのは、まさに体が欲しているんですね!
とはいえ食べ過ぎると消化不良を起こしますのでほどほどに。


疲れた体にごほうび!

大根おろしと一緒に食べたり、食後にサンザシ(山査子)の入ったお茶を飲むといいですよ(^_-)
どちらも消化促進の働きがあり、大根は体を冷やす野菜、サンザシは体を温める食材です。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
平、甘/脾・胃

効能
気を補う、疲労回復、内臓下垂の改善
血を補う、滋養強壮

胃腸の水分を調節してくれるさやいんげん

2013-08-12 | 気力・体力アップ
今日のテーマは「さやいんげん」です。


漢方では胃腸の調子を整え働きを活発にし、余分な水分を取る働きがあるとされています。
蒸し暑くて体が重だるい時、食欲がない時、膨満感があり便秘の時、水分代謝が悪くなって起こる下痢を止めたい時などに効果を発揮します。

栄養素では、抗酸化作用のあるカロテンを多く含みます。カロテンは体内でビタミンAに変わり、皮膚や粘膜を強くする効果があります。
疲労回復効果の高いビタミンB群も豊富です。

夏のダメージや梅雨の時期の不調をやわらげてくれる食材です。

油と一緒に摂るとカロテンが体内で吸収されやすくなりますので、いんげんの胡麻和えやナッツ和えは効果的な食べ方です。
薬膳的に見ると、胡麻と和えると便秘の改善に、ピーナッツと和えると疲労回復に、くるみと和えると体を温めて便秘と咳止めに、より働きかけるメニューになります。

さやいんげんは生では食べられません。消化しやすいようによく加熱して、やわらかく調理してから食べてくださいね。
すぐに鮮度が落ちるので、食べきれない場合は茹でて冷凍保存しておくと便利です。固めに茹でておけば、再加熱でも美味しくいただけます。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
平、甘/脾・胃

効能
消化機能を高め余分な水分を取り除く
蒸し暑さをからくる胃腸の不調を改善する

先取りではじめてゆるーく行きましょう

2013-08-11 | 漢方・薬膳
薬膳は漢方(中医学)にもとづいた食の知恵で、毎日の食事で元気になるのを目指しています。
人間の心と体を自然の一部と捉え、季節の変化・体質や体調・年齢に合わせた食事をしていきます。

その中でも季節の薬膳は、自然のパワーが備わった旬の食べ物を利用して、季節特有の不調を予防したり改善したりしていくもので、体質や体調に応じた薬膳に比べて複雑な知識や分析が必要なく、取り入れやすい方法です。

最初に薬膳に興味を持ちはじめたのは、とある本で季節の薬膳特集を見て、作ってみたら美味しくて体調もよくなった気がしたからでした。

でも、本格的に勉強をスタートして、この季節の薬膳に違和感を感じました。
暦と自分の感覚が2ヵ月ぐらいズレているんです。

4月、暖かく春らしくなってきたなと思ったら、1ヵ月もしないうちに立夏。
まだまだ暑い8月に立秋。9月も秋とは思えない暑さ。
10月、ようやく涼しくなって秋を感じるようになり、また1ヵ月もしないうちに立冬。12月にならないと冬とは思えない。
冬のさ中の2月に立春。春を感じるのは桜が咲く頃です。
それなのに暦で季節を分けるんですか?

このモヤモヤを師匠に相談してみたところ
「先取りして、本格的にその季節になる頃に体の準備ができているというのが理想的な状態です」
というお応えが返ってきました。

確かにそうなのでしょうけど何となく腑に落ちない。。
と思いながら1年を通じて色々試してみて自分の体で感じたことは、

次の季節を先取りではじめて、少しずつ本格化すればいい
梅雨の薬膳はピンポイントで湿度の高い時に利用する

でした。
今思うと最初はなんて頭が固かったんだろう(- -;)
立春からいきなり春の養生全開ではなく、冬に食べる物をメインに摂りながら、少しずつ春の薬膳の回数を増やしていく。
体は急な変化を嫌うので、ゆっくりと慣らしていくのがちょうどいいんです。

梅雨は胃腸の調子を整えることと、湿気をどう取るかが重視されます。胃腸の調子を整えるのは春の薬膳で実践できるので、そのまま続けるだけ。湿気とのおつき合いはピンポイントで利用すると効果的、というわけです。

あとは人それぞれ温・冷の体質がありますから、様子を見ながら食べる量を調節したり、気になる症状に合うものを食べたりします。たとえば、冷えやすい体質だから夏のにがうりはほどほどにするとか、貧血気味だからレバーを食べようとか。


夏ですが、体力低下を感じて作った体を温めるスープ。結構効きました!


とにかく楽しく続けるのが一番!
ガチガチでやろうとするとストレスになりますから、適当にゆるーく取り入れて行ってください☆

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ

ぶどうも疲労回復にいいんです

2013-08-10 | 血を増やす
スーパーでデラウェアをよく見かけるようになりました。ぶどうが美味しい季節の到来ですね!
ということで今日のテーマは「ぶどう」です。

果糖、ブドウ糖などの糖質が主成分で、体内ですばやくエネルギー源になるので疲労回復が早まります。
カリウムなどのミネラルも含まれています。カリウムは、干しぶどうにするとその量がさらに増えます。

黒い皮(巨峰、ピオーネなど)と赤い皮(デラウェア、甲斐路など)のぶどうには、抗酸化作用のあるポリフェノールの一種、アントシアニンやレスペラトールが含まれています。
活性酸素を取り除き老化を防ぐ効果、視力回復や肝機能の向上、血圧の抑制などが期待できます。
皮ごと絞ったジュースや赤ワイン、干しブドウでアントシアニンごとまるっといただきです☆


漢方では、気と血を補って疲労を回復し、息切れを改善し、足腰を強くして、利尿作用でむくみを取るなどの効果があるとされています。
ぶどうを食べて夏の疲れを取り、元気に過ごしましょう(^o^)

房の下の方より、つるに近い肩の部分が甘みが強いそうです。最後まで甘さを感じたければ、下から上に食べればいいということで。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
平、甘・酸/脾・肺・腎

効能
疲労回復、息切れの改善
筋肉や骨の強化、足腰や筋肉・関節の痛みの改善
利尿作用によりむくみを取る

熱を取り渇きを潤すズッキーニ

2013-08-09 | 体の熱を冷ます
今日のテーマは「ズッキーニ」についてです。

きゅうりのようにも見えますが、かぼちゃの仲間です。
ヘタの切り口がみずみずしいものが新鮮だそうです。
これは買ってからラップに包んで野菜室で保存して、2日たったもの。


ヘタの切り口は少し茶色くなっていましたが、中はみずみずしかったです。

ほのかな甘みがあって淡白な味です。
イタリアやフランスなどヨーロッパで人気があり、フライや煮込み料理などに使われます。ラタトゥイユ(トマトやなすと一緒に煮込んだ料理)には欠かせません。
黄色い実がなる種類もあります。

カロテンやビタミンCが豊富で、かぜの予防や美肌に効果があり、炭水化物が少なく低カロリー。
オリーブオイルとの相性がよく、一度炒めてから煮込むとカロテンの吸収がよくなり、粘膜や皮膚の保護効果や抗酸化作用が高まります。

漢方では、余分な熱を取り体に必要な水分を生む、口内の渇きを改善する、むくみを取るなどの効果があると考えられています。
秋に向けて溜まった熱を冷ましながら体を潤したい今の時期に(もちろん蒸し暑い6、7月にも!)食べたい食材です。

簡単おうち薬膳レシピ
ズッキーニと豚肉のカレー風味トマト炒め
体を潤して渇きを癒し、食欲を増進します。むくみの解消も助けます。


カフェご飯を意識してみました(^ ^)サッとできちゃう一品です。

作り方
(1)オリーブオイルとにんにくをフライパンで熱し、香りが出たらみじん切りの玉ねぎと豚ひき肉を炒める。
(2)5ミリぐらいの厚さに切ったズッキーニ、カレー粉(2人分でだいたい小さじ2)を炒める。
(3)ざく切りのトマトと砕いたコンソメ、隠し味にケチャップを少し加えて、数分炒め煮にする。
(4)トマトから水分が出て形が崩れて来たら、味見して塩で調整する。ご飯にかけていただく。


ズッキーニもトマトも体を冷やす陰の食材なので、にんにく、玉ねぎ、カレー粉を使って冷え過ぎを防いでいます。
豚肉は体に潤いを与える効果があります。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
寒、甘/肺・胃・腎

効能
余分な熱を取り体に必要な水分を生む
肺を潤し口内の渇きを改善する、空咳を止める
むくみを取る、お腹の張り・尿が濃い・排尿痛などを改善する

疲労回復にお酢(酸味)を摂る

2013-08-08 | 血行をよくする
夏はさっぱりした酢の物がとても美味しいですよね。今日のテーマは「お酢」です。

酸味(酸っぱい味)には、収れん効果があり、汗の出過ぎを防ぎます。
また、酸味と甘味(甘い味)が合わさると、さらに唾液が出て体に必要な水分を生みだしてくれます。
甘味には疲れを取る効果もありますから、お酢と砂糖が入っている三杯酢を使った酢の物は、夏にうってつけの食べ物なんですね。

漢方では、お酢は血流をよくして血の固まりを取り除く、消化機能を促進する、殺菌の効果があるとされています。

クエン酸には、筋肉中の乳酸を分解してこりをほぐす作用があり、疲労を回復します。
アミノ酸が血液をサラサラにしてくれます。
胃液の分泌を促すので、食欲を刺激して消化を助けます。
殺菌効果は、台所用の除菌スプレーや、酢水を沸騰させて部屋に置き冬かぜのウイルス退治に使われたりします。

お酢にも色々種類がありますが、おおまかに分けるとこんな感じ。
穀物酢⇒小麦・とうもろこしが原料でさっぱりした味。ドレッシングに合う。リーズナブル。
米酢 ⇒米が原料。穀物酢より味にコクとまるみがある。穀物酢よりお値段高め。
黒酢 ⇒玄米が原料。米酢の一種。代謝を上げてくれるなどの効能があるアミノ酸が、穀物酢の10倍。味も匂いも強力。
果実酢⇒果物が原料。米酢よりまろやかな味なのでドリンクに使いやすい。

作ってみました
ミ○カンのCMでおなじみの鶏のさっぱり煮に、中華食材店で買った鎮江香醋(黒酢)を使ってみました。
黒酢風味 鶏のさっぱり煮
血行をよくして疲労を回復し、体を潤します


黒酢と黒砂糖を使ったので色も酸味も濃く仕上がりました。美味しかった!

穀物酢の量を小さじ2杯程度減らし、その分黒酢を入れました。
砂糖は黒砂糖を使いました。体を温め血行をよくする効果があります。
鎮江香醋は味も匂いも強力な黒酢なので、餃子や小龍包などのガッツリお肉系によく合います☆
黒酢は胃酸の分泌を高めるので、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の方にはあまりおすすめできないです。
卵には体を潤したり、イライラをおさえる効果があります。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
温、酸・苦/肝・胃

効能
血流を改善し血の固まりを取り除く
消化機能を促進する
殺菌、殺虫、食中毒の予防

なすは溜まった夏の熱を冷ます

2013-08-07 | 体の熱を冷ます
今日8/7は立秋、まだまだ暑い日が続いていますが暦の上では秋のスタートです。
薬膳では、秋分(今年は9/23)を境に、秋を前半と後半に分け、摂り入れたい食材を変えています。

前半のまだ暑い頃は、体の中に夏の余分な熱が残っています。
秋のはじめはこの余熱を取り、後半に向けてゆるやかに体を慣らしていく時期。
夏の余熱を残した体に秋の外気の乾燥が重なって来ると、かぜでもないのに咳が出る、便秘になる、皮膚がかゆくなったりするなどの症状が現れてしまいます。

そこで、きゅうりやとうがんなどのうり系、トマト、なすなどの体の余分な熱を取る食材に調整を手伝ってもらいます。
冷えすぎを抑えるため、生ではなく火を通して食べるようにしてください。

ということで前置きが長くなりましたが、今日のテーマは「なす」です。


漢方では熱による出血・高血圧や肥満の改善、むくみや黄疸を取る、消化機能を整える効果があるといわれています。
体を冷やす食材です。

「秋なすは嫁に食わすな」のことわざは、お嫁さんの体が冷えないようにと気遣っているという意味でなるほど頷けます。
でも、初秋の頃なら少しは食べてもいいと思います。
食べ過ぎてはいけませんし頑固な冷え体質なら話は別ですが、せっかく旬の美味しい時期なのですから、火を通してどうぞ楽しんでください。

カリウムが含まれているので利尿効果が期待できます。
紫の皮にはナスニンという、アントシアニン系の色素が含まれています。ポリフェノールの一種です。
アントシアニンは、ブルーベリーと同じく目の疲労や視力の回復、血管をきれいにする、活性酸素の働きを抑制する、などの効果が期待できるといわれています。

ちなみにこのナスニンは水溶性なので、水にさらさない方がいいそうです。
空気に触れるとあっという間に黒くなってきますが、切ってすぐに調理すれば大丈夫。

麻婆茄子、パスタ、カレー、みそ汁、なす味噌炒め、レンジ蒸しなす、豚肉となすの生姜醤油炒め…
焼きなすも大好きなのでよく作ります。
(せっかくの皮の効果をいただけないのは残念ですが ^ ^;)

焼きたてのアツアツで皮をむいて、まだ温かいうちにかつお節としょうがを乗せてポン酢をかけて。
しっとりやわらかくて、口に入れるとほろっと溶けていく食感がたまらないです。

この皮をむくのが、手は熱いしなかなか難しいんですよね。
お尻に十字に切れ込みを入れてから焼く、という自己流を続けていましたが、先日簡単にむく方法を教えていただきました。

焼きなすの皮を簡単にむく方法
(1)ヘタの下にぐるっと切り込みを入れてから、なす同士をぶつけ合い全体をたたいておく。
(2)皮が焦げるまでよく焼いたら、熱いうちに皮をむく。

(1)の工程は知らなかった。今度試してみます!

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
涼、甘/脾・胃・大腸

効能
熱を取り除いて血行を良くし出血を抑える、高血圧や肥満の改善
むくみを取る
消化機能を整える

夏でも体が冷えていると感じたらししとう

2013-08-06 | 体を中から温める
熱を冷ます食材が多くなってしまったので、今日は夏に美味しい野菜の中では、珍しく体を温める「ししとう」についてお届けします。

漢方では、胃腸の冷えを改善して寒気を散らす働きがあるといわれています。
唐辛子には消化機能を活性化し、食欲を増進させる効果があり、ししとうにもこの効果が期待できます。
夏でも一日中エアコンの効いた室内にいて、体が冷えていると感じる時に摂りたい食材です。

日焼けによるシミを防ぐビタミンCと、胃腸などの粘膜を強くしてくれるカロテンを豊富に含んでいるので、とても夏向きの野菜です。
カロテンは脂溶性のため、油を使って調理すると効率よく吸収できます。
強めの火加減でサッと加熱すれば、ビタミン類の損失も防げて美味しく食べられます。

今回はむくみと冷えが一緒に来ている時にぜひ食べてほしい一品です。
よくある食べ方なので今さら?という感じですが効果は期待できます(^_-)-☆

簡単おうち薬膳レシピ
ししとうのちりめんじゃこ炒め
胃腸を温め、水の代謝を助けてむくみを改善します


作り方
(1)ししとうはヘタを取り、包丁で縦に小さく切り込みを入れておく。破裂も防げるし味もしみやすくなる。
(2)フライパンにごま油を引いてししとうをサッと炒め、ちりめんじゃこを加えて、酒、めんつゆ少々で味つけする。

ししとうは、調理する前に竹串で穴を開けたり、包丁で切り込みを入れておくと、加熱した時に実が膨らんで破裂するのを防げます。
ちりめんじゃこには、消化機能を整えてむくみを取る効果があります。温涼どちらでもない平の性質です。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
温、辛/心・脾

効能
胃腸の冷えを改善し、寒気を散らす

むくんだ時に食べるもの

2013-08-05 | むくみを取る
昨日なぜか足がむくんでパンパンになり、膝まで痛くなってしまいました。
食養生を毎日実践するようになって2年、最近は冷えやむくみの症状がそれほど気にならなくなっていたので驚きました。

水飲み過ぎたかしら?
確かに3日前にビールを飲んだけどその翌日は何ともなかったのに。
(でも冷えが徐々にたまる原因にはなったかも(^ ^;))
ここ数日食べたものを思い返し、胃腸が冷えて水分の代謝が悪くなったのでは?ということになりました。

きゅうり、トマト、なすは今日は食べるのをお休み。
緑茶を杜仲茶に変えました。杜仲茶は体を温めて腎の働きを助けます。

友人と食事をすることになっていたので、胃腸を元気にして温めてくれるかぼちゃや鶏肉、利尿の働きのあるとうもろこしと枝豆をしっかり食べられるメニューを選びました。とうもろこしと枝豆は、温でも冷でもない中間の平の食材です。
冷たいビールは我慢。友人はかき氷を食べていましたが私は温かい紅茶を飲みました。

久々に少し運動してエアコンで冷えていた体に刺激を与えました。
そして今日は尿の出もよく、膝も痛くないし、むくみはだいぶ解消されてます。うまくいったみたいです(^ ^)

むくみを取る効果があるといわれている食材には、体を冷やすものが意外とあります。
スイカ メロン ズッキーニ 豆腐 緑豆 緑茶 きゅうり
セロリ なす 空芯菜 とうがん はと麦 昆布 もずく

…など

確かに寒い所に行くとトイレが近くなるので、体を冷やすものに利尿の効果があるのは納得できます。
ただ、冷えた状態の人がさらに冷える食材を摂っても、水分代謝に関わる脾(いわゆる脾臓だけでなく消化機能全体を指します)や腎(いわゆる腎臓と生殖機能を指します)の働きがさらに低下してしまうので、むくみに効果を発揮してくれません。

こういう場合は、温でも冷でもない平の性質で利尿の効果があるものや、体を温めるものを食べて、水の循環を整え不要な水分を排出しむくみを取っていきます。

平の性質で利尿効果のある食材
小豆 大豆 黒豆 空豆 とうもろこし ぶどう
さば かつお すずき 白魚 石持

…など

体を温める温の食材
かぼちゃ にら もち米 羊肉
いわし 鮭 鯵 海老 鶏肉(平に近い温)

…など

体の声を聞きながら色々試して、自分に合った方法を見つけていきましょう。
効果が見られなければ食べるものを変えればいいだけですから、神経質になる必要もありません。気軽にゆっくり続けるうちに体は変わって行きます!
私はそのヒントを発信して、みなさんの体と心をいい状態に近づけるサポートができたらうれしいです。

むくみには今回のケース以外にも様々な原因があるので、それはまた別の機会に。
それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ

かぼちゃの種にも効能アリ

2013-08-04 | 未分類
今日はお菓子のトッピングなどでたまに見かける「かぼちゃの種」についてです。

かぼちゃの種には、果肉の5倍ものカロテンや、血行を促進し体を温めるビタミンE、血中コレステロール値の上昇を抑え動脈硬化予防に効くといわれているリノール酸が含まれています。
果肉と同じ量を食べることがないので5倍のカロテンと言われてもピンときませんが、なかなか侮れない食材です。

漢方では「南瓜仁」「南瓜子」と呼ばれています。
消化機能を整えて水分代謝を順調にしむくみを取る、寄生虫を退治する、お乳の出を良くするなどの効果があるとされています。
また、種の類はその油分が腸に潤いを与えるので便秘の解消も働きかけてくれます。

先日、種が大きめな国産のかぼちゃが手に入ったので、種のおつまみ作りにチャレンジしました。

作ってみました
南瓜仁のおつまみ

(1)ワタから種を外して水洗い。少しヌルヌルします。大きさはひまわりの種ぐらい。

(2)ザルに入れて天日で数日干します。周りのぬめりはパリパリとした薄皮状になって取れました。


1/4カットのかぼちゃから取れる量は大体これぐらい

(3)白い殻の頭と脇のすこし柔らかい部分に料理ばさみを入れて、殻から取り出しやすくします。
細かい作業で結構力が要ります。何個も繰り返すうちに手が痛くなってきました。
なんでこんなこと始めてしまったんだろうと挫けそうになりながら、ひたすらはさみを入れます。


(4)殻を外して中身を取り出します。
最初は中身が縦真っ二つに割れてばかりでしたが、だんだんコツをつかんできました。
頭の切れ込みから爪を入れて殻をはがすと、きれいに取れる確率が高いです。
きれいな形のまま取り出せるとうれしい(´∀`)プチ達成感。


(5)フライパンで乾煎り。途中で塩を少しふります。
火が入るとプチプチと弾ける音がして心地いい!
加熱しすぎると焦げてしまうので、音がし始めたら火を止めて取り出します。
ようやく出来上がり!殻との格闘を始めてから1時間が過ぎていました。


乾煎りすると色がほんのり鮮やかに

香ばしくて美味しいです。できたての温かい時が特に美味しかった!
ピスタチオに風味が似ていますが、ピスタチオよりさっぱりしています。
もったいないので少しずつ食べています。
激しく手間がかかるのでもう自分では作らないかも!?
簡単に殻をむく方法をご存知の方、ぜひコツを教えてください。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
温寄りの平、甘/胃・大腸

効能
胃腸の調子を整える、むくみを取る
虫下し
お乳の出を良くする

取り過ぎた水分も出してくれるスイカ

2013-08-03 | 体の熱を冷ます
一時より落ち着きましたが、まだまだ暑い今日この頃。喉は乾くのに水分の取り過ぎでむくんでる気がする。
そんな時に食べたくなる「スイカ(西瓜)」が今日のテーマです。

漢方では、体内の熱を排出し、口の渇きを癒し、気力を回復させ、むくみを取るなどの効果があるとされています。

高熱、顔色が赤い、口が渇く、たくさん汗をかくなどの症状に使われる「百虎湯」という漢方薬に、スイカの効能が似ていたことから、昔の人には“天生の白虎湯”と呼ばれていたそうです。
白虎加人参湯という漢方薬は、この百虎湯に体全体の機能を向上させ元気にしてくれる人参が加わったものです。

スイカは90%以上が水分なので、渇きを潤してくれるだけでなく、カリウムの利尿作用によって老廃物の排出を促す作用があり、疲労回復が期待できます。むくみが気になる人にとてもいいです。
水分補給できる上に取り過ぎた水分は出してくれる、なんて都合のいい食材なんでしょう。

赤い果肉には、抗酸化作用のあるカロテンとリコピン(トマトでおなじみですね)が含まれています。

皮にアミノ酸の一種であるシトリンが多く含まれており、血管を若返らせる効果があり、新陳代謝の向上や動脈硬化の予防などその効能が注目されているそうです。

とはいっても皮を食べることはほとんどないですよね。私もほとんどありません。小さなスイカを丸ごと漬けた奈良漬なら食べたことがあるぐらいです。

わが家では旦那さんがスイカが苦手。残った皮の匂いにも反応するほどなので、いない間にこっそりカットスイカを食べてます(´艸`)
皮の効能を試す道のりは遠い…

ちなみに甘みを美味しく感じる適温は15度。冷やし過ぎると甘みが落ちてしまうそうです。
冷蔵庫でキンキンに冷やすと胃に負担がかかってしまうので、ほどほどが体に優しくて美味しいのです。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
寒、甘/心・胃・膀胱

効能
体内の熱を排出する、目の充血や喉の痛みの改善
口の渇きを癒す、口内炎をおさえる
むくみを取る

ハーブの日ということで

2013-08-02 | 殺菌・抗菌
8月2日は語呂合わせでハーブの日だそうです。知らなかった(~ ~;)
ということで今日は日本の香辛野菜の代表格「わさび」についてお届けします。


以前家族で訪れた安曇野のわさび畑。緑が美しくてのどかで癒されました。

鼻に抜けるような独特の辛味成分は、アリルイソチオシアネート(噛みそうな名前!)といいます。強い殺菌作用があり、特に生魚との組み合わせは食中毒を防ぐ効果があります。
刺激的な香りは食欲を増進させ、消化を促します。
漢方ではさらに、湿性の神経痛やリウマチによく、気鬱を取り除き気分を爽快にするといった効果もあるといわれています。

辛い味(辛味)には、体を温め、気を巡らせてストレスを発散し、血流をよくする作用があります。
香りのある食べ物(芳香類)には、体内の湿気を乾燥させて、食欲を促進し、ストレスを解消して精神を安定させる働きがあります。
わさびっていい仕事してますね。お刺身とアボカドを食べる以外はあまり使わなかったけど、これからもっと取り入れていこうっと。

ほかに海鮮類の殺菌効果が期待できるのは、シソ(大葉)としょうがです。
どれも刺身や寿司を食べる時につけたり添えたりするもの。昔の人の知恵に感心するばかりです。
また、わさびもシソもしょうがも体を温める食材ですので、体を冷やす刺身と陰陽のバランスを取るという意味でもいい組み合わせです。
ところで、にんにくも抗菌・殺菌作用が高く、ウイルスや細菌から体を守るパワフル食材ですが、残念ながら海鮮類には効果が期待できないそうです。

シソ、しょうが、にんにくについてはまた改めて。
今さら気づきましたが、わさびは漢字で書くと「山葵」。昨日のオクラ「秋葵」に続く葵つながりでした。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
温、辛/脾

効能
健胃(食欲増進)、解毒(防腐殺菌)、湿性の神経痛やリウマチによく、気鬱を取り除き気分を爽快にする