*****ご注意!一部ネタバレの可能性がありませう*****
日常、何気なく「伝統」と思っているものが実は起源が浅いものが多くあることはなんとなく気づいていたけど、どうして、どうやって「伝統」と見なされるようになったかの例示を多く解説してくれていて面白い
序盤の初詣の考察からなるほど、と思わされた。
恵方巻の商業的意味合いは知っていたが、「おせち」が戦後の百貨店戦略というのも言われてみれば・・・であって、一の重、二の重のしきたりも明治以降に考えられたもの、という
変に「知ったか」をしないようにしようと思った
洗濯板が明治になって欧米から取り入れられたもの、というのには、おとぎ話や時代劇の場面がひっくり返る威力があった
正座も古来からの座り方ではなく江戸時代中期から、という点も畳の普及前の板の間では正座ができないのは想像がつく
NHK大河ドラマでは戦国時代までは胡坐、江戸時代においおい正座になるよう考証しているそうだ
「人は1世代前には反感をして、2世代前には共感を覚える」というくだりは、少し前の大正ロマンブームを思い出し、今の「昭和レトロ」の人気に合点がいく
あとがきにもあるように、決して「伝統」を否定しているのではなく、「伝統」に不都合が生じた際に、「なぜ」の答えが「伝統だから」になってしまわないよう考えようという趣旨に大きく賛同しました。