side by side:湘南夫婦のあしあと

二人が好きな地元湘南、スポーツ観戦、旅行、食べ歩き,音楽・美術鑑賞など、日々のあれこれを綴ります

能面検事の奮迅

2022年04月16日 | 書籍・雑誌

*****ご注意!!一部ネタバレの可能性があります!***** 


中山七里さんの能面検事シリーズ第2作
舞台は大阪地方検察庁
感情を全く表情にださない検事不破俊太郎が主人公。
その無表情さから「能面検事」と呼ばれている。

本作は、「国有地払い下げに関する財務局職員の収賄疑惑に関しての検察内部の証拠改竄」とどこかで聞いた事件が題材。

財務局職員が絡んだ収賄はあったのか、大阪地検の証拠改竄はなぜ起こったのか。
どうして払下げの国有地が選ばれたのか。
不破検事の疑問が事件の別な局面をあぶりだし、中山作品らしく仕上げていく。

東京地検からの応援で「あの岬検事」が登場
不破検事との絶妙なコンビプレーを見せる。
中山作品シリーズの「悪徳弁護士」御子柴vs岬検事では御子柴に軍配が上がったが、不破・岬のチームになったらどうだろう?などと妄想が膨らむ。

ストーリーは検事付の惣領美晴事務官 の視点から語られる。
この事務官、能面の不破検事の真逆で、とにかく感情のブレが大きい。
強い正義感は悪くはないけど、得た情報ですぐ物事を判断しようとする。
前作来何度も不破検事に釘をさされても学ばないというか、、、そのグダグダ感でページが埋まるのが少々苦痛でもあった。



初出 小説宝石 (2018年8月号~2019年5月号)
2021年7月30日 第1刷発行
装幀 長崎 綾
装画 斎賀時人




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