*****ご注意!!!一部ネタバレの可能性があります*****
堂場瞬一のSCU(特殊事件対策班)シリーズ2作目
今回はSCUメンバー最年少で交通課から移動してきた最上を中心にストーリーが語られる
人気バンドFOTが松本公演後都内に向かっている途中で移動車ごと行方不明となる。
FOTの所属事務所はメンバーの早期発見をせかしながら、スキャンダルを隠しておきたい気持ちから情報を小出しにしている節がある。
間もなくバンドメンバーは拘束されてはいたものの、無事に発見されたが、マネージャーが遺体でみつかり拉致・殺人事件となる
最上自身も高校までバンドでギタリストとして活動しメジャーデビューを夢見ていたので、どうしても心がざわついてしまう。
事故で指に損傷を負い夢を諦め、そのエネルギーを資格取得やパソコン技術に注ぎ込み今の最上があり、諦めた夢を考えないようにしていたのだ。
メジャーデビューし、人気バンドとして活躍する裏にある事務所やマネージャーとの関係が徐々にあきらかになっていくなか、全く関係のないと思われた放火予告事案が大きくかかわっていく。
前回に続き、SCUの面々の個性が際立って話に厚みを出していて面白い。
薬物を入れて女性をレイプするとか、実行犯に指示だけして自分の手を汚さないとか、昨今の事件を想起させられるものだった。
キャップ結城が持ち込んだ案件が事件と関わっていると判明するところなど、犯罪予想システムが稼働しているのかと勘くぐってしまう。
2022年12月 第一刷発行
書き下ろし作品