バナナケーキの思い出

今から25年ぐらい前になるかな。

公民館事業で『ぬいぬいの会』という会が発足する事になり参加した。

80才近い先生と30代～60代の女性12人の生徒で月1回余り布を使って小物を作る会だ。

会で作った物


ある時先生が、『縫い物を休んで、それぞれ1品持ち寄ってお茶会にしましょう』と言った。

美味しい漬け物も無いし何にしようか迷ったが、バナナケーキを焼いた。


田舎の薄焼きのような物で見栄えはあまり良くない気がした。


お茶会に恐る恐る出した。
他の人もサラダとか漬け物とかで、そんなに見劣りしていると言う感じは無くほっとした。

その中で一人器といい果物の盛り方といい、

食堂のウインドに並んで居る様な見栄えの物を持って来た人が居た。

一番若い人だ。

服装から見て都会から来た人と言う感じを受けた。

お茶会はお互い持って来た物の作り方など聞いたりしあって話しも弾んだ。


お茶会が終わり残ったバナナケーキを片付け始めたら、その若い人が私に

『美味しかったから良かったら下さい』と言った。
もちろんあげた。

都会的な若い人にこんな見栄えの悪いものを欲しいと言われた事に私はとても気を良くした。

残念ながらぬいぬいの会は先生の都合でその後中止となったが、

バナナケーキを焼く度に思い出される懐かしい思い出だ。


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