5月頃の話になりますがメイカーズのコードバンチャッカにハーフラバーを貼りました。
しかし修理の過程で不手際があったのと自分で油染みのようなものを作ってしまったこともあり再修理をしました。
まず不手際ですがアッパーに接着剤を垂らされてしまい、除去をさせたのですが若干色抜けが出来てしまいました。
正直大して目立つものではありませんが、除去後の革がエラく乾燥しており処置に対して不信感があったので、ちょっとダメ元ですが目立たなく出来ないか相談をしました。
不手際はもうひとつあります。左足(写真左)のコバの処理です。
写真だと分かりにくいのですがフマズ部分、ハーフラバーをグラインダーで整える際にどうもコバと一緒に削ってしまったようで、エグれたような見た目となり左右のバランスが崩れています。
これは上記のクレーム処置後に気付いたものです。最初は接着剤の方に目が行って分かりませんでした。もう呆れてお店には言いませんでしたけどね。
最後はシミです。これは自分で付けてしまったもので正体は日焼け止めクリーム。
手に日焼け止めクリームをつけ、乾燥後にその手で靴を触った際にやってしまいました。指の跡がベタベタ残っています。。。
ブラシをすれば白っぽさは取れますが黒いシミが浸透しているのが分かります。
この3点の修理を大阪のBontaに依頼。先日戻ってまいりました。
Bontaからはどの修理も目立たなくするぐらいしか出来ないと言われていましたが、、、
まず溶剤跡。若干目立たなくなりました!
日差しの下だとさすがに分かりますけどマシになりました。まぁここはそんなに期待してなかったので十分です。
コバの仕上げ直し。とても自然な仕上がりとなり左右のバランスが良くなりました。
しかも仕上げ重視の為、元のハーフラバーを剥がしてから作業してようで、わざわざ新しいハーフラバーに貼り換えています。
最後は染み抜きです。跡形もなく消えています!
(※BontaのFacebookで修理の過程が紹介されていました。)
アップにしてもこの通り!どこにシミがあったかもわかりません。
どうやっても跡は残ると思っていたので、感動的な仕上がりです!
これだけやって修理料金は4,320円(新しいハーフラバー込)です。送料片道分など費用は別に1,000円ちょっとかかっていますがそれを含めても安いですね。
今回はメールのやり取りなどに時間が掛かってしまい発送までに1ヶ月、受け取りまでに更に1ヶ月を要し見積もりから受け取りまで約2か月も掛かってしまいました。
でもこの仕上げと値段なら許せてしまいますね。
なおオールデンのコードバンチャッカのリフト交換も同時にお願いしましたので、そちらもまたご紹介します。
ちなみに再修理の原因となったお店はもう利用しないと思います。3年近く通っていましたがこんなことや、こんなことなども過去にはあり、修理が雑だと感じることが多々ありましたがその都度笑って誤魔化された記憶があります。
アッパーに接着剤を垂らすなんて高い靴を扱う修理屋として管理に問題があるとしか思えません。修理する側も人間ですからミスをするのは防げませんし、事故後の対応が非常に重要となりますが今回は対応にも色々と不満がありました。ブログの存在を知られていたので、今まで記事で触れるのを躊躇していましたが、もう我慢の限界です。
店員氏とも顔馴染みであっただけに非常に残念ですが、やっぱり仕上げは丁寧な方が良いですし、これに勝るものはないと最近思うようになりました。
前回は店の中に入れなかった大阪・梅田のbontaですが、先日メールで連絡を取り、靴の修理と注文靴の採寸に行ってまいりました。
初のビスポークとなるわけですが、完成は来年の6月以降と気の長い話となりそうです。焦らずに待とうと思います。ビスポークに進展があればまたご紹介します。
今回は注文靴以外にも4足を新幹線で運び修理に出してきました。その仕上げが感動モンだったのでご紹介します。
まずはAldenのフットバランスヒールのリフト交換。
フットバランスは通常取り扱いがないので同ミリ厚のVibramサンライズリフトをトーマスヒールの形状に合わせています。
キレイに仕上がってますし、何より耐久性が上がっているのが良いですね。
フットバランスはチャイナメイドでよく削れますからね。
コバもピカピカなのが嬉しいです。しかもこれで2,500円!関東なら4,000円は取られますわ。
次はグリーンのサンドリンガム。コバが色褪せていたのでコバ磨きとサイズ調整をお願いしました。
見違えるほどキレイになりました。
つま先には厚みの違うラバーがありましたが、、、
厚みを調整してもらいました。頼んでいないのにソールのケアもしてくれたようです。
(←購入直後)
比較すれば一目瞭然の美しさです。
インソックによる調整も完璧なサイジングでした。詰め物を入れて試し履きをしなかったのにです。手で触った感触だけでここまでとは驚きました。
中敷きの貼り方も今まで頼んでいたところよりも丁寧です。剥がして再度貼ったとは思えない。
値段はコバ磨きが2,000円、サイズ調整2,000円でした。
3足目はクロケのランガム2。この靴は少々ロングノーズの為、ハーフラバーを突き破ってつま先が削れてたのでトゥラバーを施しました。
VKLが気になりましたがドイツの修理材料みたいです。丈夫だとか。
コバがホントにキレイ。
新品の時よりも光っていると思います。これでたったの1,000円!安すぎます。
(←新品の時がコレ)
最後はTrickr'sのスエードチャッカです。正直これが一番ビックリしました。
クリーニングしたらカビが発覚し、大量のシミが発生。それを誤魔化そうと修理屋が何故か右足だけ毛並みを荒らしてしまい、自分でカラーリキッドを塗り更にムラだらけにしてしまった曰く付きの一足です。毛並みを荒らした修理屋には「黒に染めるしかない」と言われ、他の修理屋にも難しいと言われてしまったので本当にダメ元でした。
bontaに預けた時も"ちょっと厳しい、、、"という感じだったのですが、受け取ってみたらかなりキレイになってました。
シミはまだ残っていますが預けた時に比べたら雲泥の差。画像だと分かりにくいですが。。。
右足の毛並みもキレイに揃っていますし、左右の色味も異なっていましたがキチンと合わせてくれています。
(←以前の画像)
正直全く期待していなかったので、嬉しい大誤算です。
bontaの人はシミを完全に消すことを基準にして"厳しい"と言っていたんでしょうね。
ホントにすごい職人さんです。これでお代は1,500円です。もう最強のコスパだと思います。
シューレースも交換したんですが、完全にお任せで元の色とかなり近い色を選択してくれています。
一回履きましたが解けにくくて、かなり良い紐です。このクオリティで350円!
仕事の丁寧さ、価格の安さにも驚きましたが納期も早かったです。一週間と言われていたのに3日後には神奈川の自宅に配送されていました。
配送も考えると4足を2日で仕上げたと思われます。。。どんだけ凄いのよ。もうbonta以外は考えられなくなりそうです。
まぁ唯一の欠点はメールの返事が遅いこと。最短でも3日はかかると思った方が良いです。(※1週間ぐらい返ってこない時もあります。)たぶん修理や靴の制作を優先されているんでしょうね。配送で依頼する人は気長に待ちましょう。
クラック補修後編です。
ここから使用するのはこの6点(デリケートクリーム、補修用クリーム、仕上げ用リッチデリケートクリーム、乳化性クリーム、マスキングテープ、コバクレヨン)です。
手順としてはまず丸洗い後デリケートクリームを計6回程塗り込み保湿を十分に行います。インソールへの塗布も忘れずに。その後アッパーが乾いたらやすりで削った箇所を補修用クリームで補色。
コバも整えたかったのでマスキングテープをコバの真上のアッパーにぐるっと一周貼り付け、コバをやすりがけします。終わったらコバクレヨンでコバを塗ります。
ウェルトが丸洗いにより柔らかくなって形が崩れていたので竹ブラシの持ち手側でコバの形を整えました。
マスキングテープを外すとやすりがけの部分にテープが張り付き毛羽立ったような感じになりますがデリケートクリームを塗り込めば元に戻ります。
ここから仕上げ用のリッチデリケートクリームを塗り込み、乳化性クリームで全体を整えていきます。なおここまで作業工程の写真は全部撮り忘れました。笑
というわけで仕上げ後の写真です。
(←やすりがけ後)(←やすりがけ前)
↑右足(内側)
クラックが一番酷かったところです。かなり削りましたので割と誤魔化せているかと。削り過ぎなのか凹みが出来てしまいました。。。
あとは履いてみてどうなるかです。削る行為が正しいかどうか、、、真価が問われるところです。
(←やすりがけ後)(←やすりがけ前)
↑右足(外側)
こちらは自然な仕上がりだと思います。
(←やすりがけ後)
↑左足
ここはあんまり変わらないかな。。。
(←やすりがけ後)
跡は多少残りましたね。もうトップリフト替えないとなぁ。
(←やすりがけ後)
つま先は結構満足な仕上がりです。
(←やすりがけ後)
丸洗いをすると良い艶がまた出るようになりますね。
(←作業前)
コバもボロボロでしたが、かなりキレイになりました。
ヒールもやすりがけしましたが、素人でも結構きれいに仕上がりました。
職場はロッカーのみで下駄箱がない為、仕事の靴は1足にしていましたがちょっともう限界ですね。
スコッチのシャインオアレイン買おうかなー。
※しつこいようですが革靴へのやすりがけはリスクが伴うため、自己責任でお願い致します!
仕事専用靴として酷使しているスコッチグレインにクラックが発生しました。
上2つは右足の写真です。左足は1か所のみでしたがご覧のように右足には無数のクラックが出来てしまいました。
原因としては仕事専用にしてからデリケートクリームの塗布を怠っていたことが一番だと思われます。クラックが出始めた頃から塗布し始めましたが手遅れでした。
アウトレット専用品ということもあり革の質が悪いこと(右足は特に悪い)も原因の一つと思いますが直接の原因ではないと思います。
対応を色々考えたんですが、やすりでクラックごと削り落としてしまおうと考えました。ダメなら買い替えようと覚悟を決めて削ります。笑
4日ほど休みがあったので家に持ち帰り、まずリムーバーで汚れを落とした後に温水につけて丸洗いをしました。昨年同様ボディソープで洗います。タオルで水分をふき取り新聞紙を中に詰め陰干し。所々でデリケートクリームを塗布し、表面が生乾きぐらいになった所でやすりの出番です。
※革靴へのやすりがけはリスクを伴うため、自己責任でお願い致します!
水分を含んでいる為なのか、普段より削れ易い気がしました。
削り過ぎに気を付けながらも大胆にやすりがけをします。
やすりはまず280番手のものを使用し、最後に400番手で仕上げます。
左足はここだけ。
クラック以外にも過去に傷をつけてしまったところも削りました。
つま先も傷だらけです。
3年しか履いていないのにインソールはこの状態。酷使されていることがよくわかります。
下地の処理は出来ましたが丸洗い後ですのでデリケートクリームを塗布しながら表面が乾燥するのを待ちます。(後編へ続く)
ブラシも良いモノをということで買ってみました。
江戸屋とブートブラックのコラボブラシです。
残念ながら江戸屋のロゴは見当たらないので、見ただけでは江戸屋のブラシとは分かりません。
ブラシに巻かれた紙に辛うじて記載がある程度なのでちょっと寂しいですね。
まぁ気分の問題ですが(^-^;
当初、このコラボ品ではない江戸屋の靴ブラシにしようと思っていました。
サイズが違うのかもしれませんが、江戸屋単体のブラシの方が値段が安いんです。
しかし江戸屋のホームページには職人の減少、原材料の高騰等の理由で手植え靴ブラシ生産中止のお知らせが。。。
早急に必要なものではありませんが、買えるうちに買っておこうと、在庫のあるブートブラックのブラシにしました。
定価は7,560円ですが、会社の福利厚生が受けられる立場でしたので10%OFFの6,800円ほどで購入しました。
値段が値段だけに良さげな箱に入ってました。紙の箱ですけどね(^-^;
白の馬毛ということは年を取った芦毛馬の毛なんですかね?
競馬好きはそんなことが気になります。笑
毛は短めで結構ハリがあります。
持っているブラシと並べて比較してみました。
左からタピールの馬毛ブラシ、R&Dの化繊ブラシ(仕上げ用)、江戸屋のブラシです。
毛だけみても素人には違いがよく分かりませんでしたが、毛の植え付け部の処理が全然違いました。
R&D化繊ブラシ(約1,000円)
タピールの馬毛ブラシ(約3,000円)
江戸屋のブラシ。
他の二つの植え付け部はバリだらけですが、江戸屋のはバリが一切ありません。
毛質も江戸屋の方が良い気がします。
これがどう品質と関係あるかわかりませんが、タピールのはよく毛が抜ける気がします。