お買いモノ考

-欲望なすがまま-

J.M.WESTON 598

2018-10-01 | 


ウエストンの名靴「ロジェII」
中古でかなり履き込んでいましたが、よく手入れされているであろう個体を楽天系の「ラクマ」で購入してみました。いわゆるフリマアプリですね。

いわゆる旧ロゴの個体です。インソックから見てかなり履き込んでいることが見て取れます。

届いた時がこの状態。全体の写真を撮り忘れてしましました。

これはこれでムラがあり良いアジが出ているようにも見えるのですが、全体的にギトギトしている印象。。。

つま先に触れると写真のように茶色の粉が手にたくさん付着するので、やっぱり変だなっと。表面が割れている所もあったので、ワックスが塗りたくられているようです。一度スッピンにしました。

ワックスを取るとキズやシミがハッキリ視認できるようになりました。

そしてウエストンのタンに色が戻りましたね。

ある程度のキズやシミは仕方ないと思うのですが、ワックスは落とした状態で写真を載せて欲しいですね。

ウエスにごっそりワックスだかクリームが付いてきてビックリしました。

靴の前側は大して気になりませんでしたが、ヒールカップ周りがちょっと酷かった。ワックスを落とすとこんな感じになっていました。


確かに出品時の画像では、ヒールカップが少し黒ずんでいるようには見えました。
出品画像が↓

画像を見て黒ずみは承知していましたが、ここまでひどいとは。。。
出品者につま先にワックス塗ったか。と質問したところ"購入後にクリアに塗布した"と回答がありましたがクリアって何だ?笑
塗り過ぎだよ!と突っ込みを入れたくなるぐらいでした。ヒールにも相当ワックス入れてましたね。写真の撮り方も上手だし、少しでも良く見せようとしたんでしょうがねぇ。やっぱりお店で中古を買うのとは訳が違います。評価もアテにならんですね。これも自己責任で仕方ない。

とは言えクレームを入れるかは、ちょっと悩みました。配送の速さや梱包の丁寧さを見ると悪意は感じられず。中古で買って履かなかったそうで、その前の持ち主の仕業かもしれない。。。取引価格も36,900円、楽天のポイントが3,000ポイント程あったので実質33,000円程と安く買えたと思います。そして何より、、、

この革質です。ヒールカップに難はありますが、本当に素晴らしい革質です。手持ちの靴で一番良いのではないか、というほど。さすがは旧ロゴ・ウエストン恐るべし。履いてしまえばヒールカップは見えないしね。

出し縫いのピッチも細かく、ウィールも丁寧に入っています。

レザーソールでつま先のスチールは購入時から交換していない模様。かなりしなやかで歩きやすいです。そのうちハーフラバーを貼らないとね。

ソールのロゴも旧ロゴ。現行とは異なります。どれくらい前の個体なのか。

ちなみにサイズは6.5Cをチョイス。ラストは22。旧ロゴの6.5Dを履いたんですが、踵が抜けるのでCウィズを。少しタイトですが何とかなると思います。

実は現行の598も履いてみたんですが、随分ほっそりしていました。こちらは21ラストでゴム底、平ウェルト。昔のとはラストが違うようです。ストームウェルトでレザーソールもあるそうですが、この細さでは要らないなっとなりました。

全てが上手くいきませんでしたが、トータルで見ればまぁまぁ良いものが買えたと思います。あとは愛でるのみです!


Tricker's M7789

2018-09-27 | 


革靴が増え続けております。処分をしないものですから置き場所を作ってもすぐに一杯になってしまいます。。。

こちらはトリッカーズのカントリーブーツ。もはや定番中の定番。でも本国じゃドレスシューズの方が評価が高いみたいですね。

このカントリー、型番をM7789と言いまして、M2508とは若干仕様が異なっています。
が、デザインはほぼ同じなので恐らく並べてみないと気付けないでしょう。詳しくは後程触れます。

見てわかると思いますが、新品ではありません。サイズがキツイ(US7)ということで、譲り受けたものになります。

ヒール周りはかなりスッキリしています。

あまり履いていないものですが、コバだけはヤレてましたので、コバクレヨンでお手入れ。

↑が手入れ前

雪の北海道で履いたということで若干のダメージ(塩吹き跡)があります。

ソールはダイナイト。

このM7789ですが、M2508で採用される"4497S"ではなく"13501"という細身の木型を採用しています。知らべるとジャケットリクワイヤードなどで別注をかけているよう。
こちらはGMT FACTORYのファミリーセールにかかっていたものです。過去に他のショップでも販売されていますので、ジャケットリクワイヤードのみの展開というわけではない模様です。

ファミリーセールに出ていたからなのかは分かりませんが、アッパーに血筋のようなものがあります。
色はマロンアンティークやシーシェイドにも似てますが、BEECHNUT Burnished(ビーチナットバーニッシュ)という色です。

左から今回のM7789(Last:13501)M2508(Last:4497S)M7309(Last:4444)を並べてみました。
M7789がいかに細身かお分かりいただけると思います。木型だけでなくコバのボリュームも抑えられていますので、かなりスッキリしています。結構良いですよ、コレ。

上と向きが変わってしまいスイマセン。つま先のメダリオンは3型とも全て異なっています。
サイズはM7789がUS7、他はUS7.5です。フィッティングは全て5です。

M7309のLast4444はかなり内に振っていますね、並べてみると色々面白いことがわかるもんです。

M2508はゴツ過ぎてちょっと。。。という方には良いモデルだと思います。扱っている所が少ないのが難点ですが。。。
折角頂いたもの、大切に履きたいと思います。


Peron e Peron Bespoke Sample

2018-09-14 | 


呆れるようですが、また革靴です。実はまだ他にも。。。
まぁそれは置いておいてイタリアで古くから続く小規模なタンナーや靴工房などと関係のある日本人が主催する革製品のイベントで購入したものです。きっかけはInstagram。すごい世の中になりましたね。

日本ではあまり知られていないようですが、Peron e Peron(ペロンエペロン)というボローニャにある工房の靴です。
基本的に誂えで既製はやってないのですが、ビスポークサンプルとなります。5足ほどあり全てワンサイズ。そのうちの1足が僕に合ったということです。まさか合うとは思っていなかったのでビックリです、このへんから歯車が狂いだします。笑

イベントの主催者は大変熱い方で、イタリアでの靴作りからタンナーの実態などを事細かに教えてくれました。

・大手タンナーは革にランク付けしているので、名前につられないこと(※大手の上位ランクは日本に入ってこないなど)
・本当に良い革は小規模な無名タンナーが持っている
・工場靴と工房靴はまるで違うものであること
・デュプイはクロム鞣しばかり。

など目からウロコの情報でした。こういうのは普段知りえないわけですからね。語り口は辛口、というより激辛でしたね。好き嫌い分かれる方だと思います。笑
工場靴は基本褒めていなかったですけど、エンツォ・ボナフェだけは良いと仰ってました。ジャコメッティについては「あれは工場靴ですよ」ぐらいの反応。笑

そんな激辛の当人がオススメする工房靴がこのPeron e Peronというわけです。
このくびれの強いヒールが色気を感じます。食いつきはどの靴よりも素晴らしいです。

アッパーは無名タンナーの上質なベジタブルタンニンレザーを使用。最高の革と言っていました。確かにモッチリしておりますが、展示の際に付いたと思われるシミがあったのが少し残念。
つま先はピカピカですがノーワックス。良い革にワックスは必要ない!ということでワックスは手入れではなく飾りだとハッキリ仰ってました。

要所、要所ダブルステッチとなっていますが、わざと縫い目をずらしています。
そうすることで存在感が出るようになっています。

糸もコットン100%の糸しか使わないそうです。化繊の糸とは雰囲気の出方が全く異なるそうで。

伏せ縫いで飾り釘なし。ハーフラバーを貼ることを勧められました。
オールソールは靴にとって負担でしかなく、主にウェルトにダメージがあるようです。
機械縫いでオールソールすると元穴を100%拾えないんだって。
ハーフラバーを貼り換えることで、オールソールしなくて済むので経済的にも優しいわけです。ソールの手入れなんて殆ど必要ないそう。

つま先は筆で塗ったような意匠が施されています。コバの仕上げも美しい。

インソックはこんな感じ。イタリアのファクトリーに多い手書き風。
シューツリーというか、シューキーパーも付けてもらいました。
プラスチック製ですがよく出来ています。ネジで長さを調整できるタイプです。
裏はくり抜かれています。割れないか少し心配。カンガルー革のシューホーンもおまけで頂きました。
最高級のカンガルー革だと。

確かにかなりキメ細かい革です。ループ部分は編み込みで凝った作りです。
Rが通常のシューホーンより強めに付いているので、履き口にフィットし靴を傷めないのも良い所です。
正直、僕には少し気が早い靴かな。。。合わないかな。。。
っと迷いながら購入しましたが、10年後にこの靴に見合う大人になれるよう頑張ろうと思います。


Alden of CamelからAF26を個人輸入したお話

2018-08-05 | 


今更ながらではありますが、Aldenの個人輸入で有名なAlden of CamelにてAF26というコードバンシューズを買いました。
個人輸入はハワイのLeather SoulBUYMAでやって以来、3度目です。

箱を開けるときはいい年になってもワクワクするものです。
店主・アダムノット氏とのメールのやり取りも公開したかったのですが、アダムからNGが出たので、控えることにします。
まぁ、色々なサイトでメールのやり取りが上がっていると思うのでそちらを参考にしてください。ひとつだけ言えることは翻訳サイトで何とかなるということです!

AF26のAFというのは、カーメルで使用している品番でAlden Fanの略だそうです。数字は1から順番に附番され、130を超えるモデルがあるようです。
モノによってはAOCってのもありますが、Alden of Camelの略でしょうね。使い分けが気になるところです。

Aldenの品番は「4330CY」です。日本ではあまり見かけないプラザラストを採用。
8E13 024 3」から2018年5月製造ということが分かります。出来立てホヤホヤのようです。

なお品番末尾の「C」はコマンドソールのことで、これはたまに見かけますよね。アメリカ本土に多い仕様というイメージ。レザーソールにコマンドタイプのハーフソールを縫い付けていますが、ソールとしてはこれが理想形かもしれません。縫い付けていなければ交換しやすいのでもっといいんですが。。。

「Y」はWide Sole Extention(ワイドソールエクステンション)この靴のウェルトとヒールから来ているようです。ストームウェルトがワイドで通常より張り出しているらしいのですが、そこまで出っ張ている印象はありません。しかし「Y」ってどこから来てるんでしょ?WideならWだし、まさかワイドのワイでYってこと?(笑。

ヒールはダブルウェルト仕様で、360度グッドイヤーと言えば分かりやすいですかね。ヒールにもウェルトがグルリと巻いてあります。ただ270 Degree weltとして紹介しているサイトもあり、これだと270度なのでヒールのウェルトはないことになります。恐らくストームウェルトのことですかね?ヒールは折り返しのないフラットウェルトですし。
しかしこのワイドソールエクステンション、最近のAldenにはない仕様でちょっとトリッカーズっぽく雰囲気◎です。さらにアンティークエッジ(茶色のウェルト)というのもイイですね。

横顔も美しいです。

靴は増やしたくないのですが、誘惑にはなかなか勝てないです。最近はインスタで良いなっと思ったモノが多くて。。。これもまさにそうでした。

モディファイドラストの短靴同様に踵の外側に傾斜が付いております。
踝が当たり易い僕にはありがたい仕様です。お陰でノンストレスです。

ちなみにコマンドのハーフソールが縫い付けられているのは先ほど触れましたが、一番消耗の激しいつま先部分はゴム層の厚みが増しています。しばらくはトゥラバーの修理のみで乗り切れるかも。意外と考えているAlden社!笑

AldenのNSTは2211も所有しておりますが、全く雰囲気の異なる靴です。個人的にはAF26のが好みかな。これの黒版のAF36もあり誘惑は続きますねぇ。笑
さて、個人輸入と言えば関税が気になるところです。
ネットを見ているとコードバンシューズでも5,000円前後という方が多く、今まで2回の個人輸入もヒット率50%、ヒットしたカーフのAldenも6,000円程でした。

20,500円!!!
どうやら僕は持っていない人間のようです。笑
しかし参りましたね。税関ガチで課税しやがった(T-T)

アメリカから輸入する革靴は商品価格の60%が課税対象で、そこから30%の税率となるので、単純計算で18%。
AF26は779ドルでしたので、高くても15,000円くらいと思っていたのですが、そこに諸税と消費税が5,200円もプラスされるとは。。。自分の運の無さにげんなりです。
ご存知の方が多いと思いますが、米オールデン社の方針(ラコタの保護)でカーメルは直接日本に配送してくれません。アダムよりOPAS(転送サービス)を使えとの指示がありますので、それに従いOPASの無料プランに登録しました。
配送の流れとしてはカーメルからまず米国内のOPASへ配送(8ドル)され、OPASのウェブサイトで配送の手続することにより日本へ配送(78.5ドル)されました。

以下、金額の内訳を記します。
【AF26】779ドル(予約のため内金有)
内金(デポジット)275ドル・・・30,549円(レート111.089円)
残金+米国内配送料 512ドル・・・57,475円(レート112.257円)
OPAS送料 78.5ドル・・・8,735円(レート112.282円)
関税 20,500円
合計117,259円

このモデルは日本未発売ですが、コードバン、NSTであることを考慮すると日本でのプロパー価格は12万後半~13万円代ほどでしょうか?これだけ関税を課せられても1~2万円くらいは安く買えたことになりますね。やっぱりラコタのボリ価格は異常(´ω`)他のブランドもそうだけどちょっと考えてもらいたいなぁ。
関税がもっと安ければお得感も増したのですが、納税は国民の義務ですから仕方ありません。。。最近は税関も厳しくスルーと言うのはなかなか無いようですし、僕のようにガチで課税もたまにあるようなので、個人輸入の際は覚悟が必要ですね。


F.lli Giacometti FG296

2018-08-01 | 


F.lli Giacometti FG296 "CULATTA CAVALLO Plane Toe"
新たなおニュー靴がワードローブに加わりました。

ジャコメッティのプレーントゥです。

CULATTA CAVALLO(クラッタカバロ)と呼ばれるGUIDIの馬革を使用しています。
同じ革を使用したローファーを持っていますが、エイジングが素晴らしく、かなり艶が出ます。コードバンとはまた違った魅力のある馬革です。

ヒールカップ

ジャコメッティのレザーソールは本当に美しいです。


<右・つま先>  <左・つま先>  <右・つま先サイド>

<インソック>  <品番・サイズ> <ヒール>


ステッチが乱れている所がありました。右側(右足)の画像、無理矢理縫っています。
ジャコメッティにしては珍しい気がします。

羽根は立体的な意匠。地味にお気に入りポイント。

箱はいつもの白い箱。サイズは40で木型はMASSIMO(マッシモ)のよう。
少し大き目のラストかと思います。若干緩いのでサイズアジャストの修理に出しました。

純正シューレースは生成りですが、秋以降はダークブラウンの平紐にしても雰囲気良さそうです。今回は楽天市場のARKNetsで購入。最後の一点でした。
定価90,720円ですが、ポイントを使用し88,143円でした。さらにポイント14倍とかで12,700ポイントくらい付いたので少し安く買えたと思います。
通販の為、サイスを少しミスりましたが、調整したので対応できそうです。