晩秋の日差しが降り注ぐ奈良の朝は6.0℃と、例年よりやや冷え込み、
春日奥山と若草山の紅葉も見頃で、そろそろ奈良公園の紅葉へと移るのでは


その公園内、奈良国立博物館の「第72回正倉院展」も9日で終わりですが、
「東大寺」大仏殿の夜間特別拝観が11月の毎週金曜日の午後8時迄行わており
午後6時から新型コロナウイルス終息祈願法要のあと、30分ほど大仏様への
奉納演奏が行われ、特別な雰囲気のなかでの参拝ができますよ。
その後は、寒くなった体を温める日本酒は如何ですか。
その清酒発祥の地として「伊丹」か「奈良」かの争いは置いておいて・・・
興福寺『多聞院日記』に室町時代・嘉吉年間(1441~44年頃)、奈良市菩提山町
「正暦(しょうりゃく)寺」で僧坊酒とする清酒を製造されていたようで、酒母
に三段仕込みで麹米、掛米、水を加えてできたもろみを酒袋に入れて圧搾し、
酒かすと酒に分ける技術を僧ら確立したとされる記載がある。
そこで培われた清酒製造の技術をもとにして江戸時代に「伊丹」で大量生産し
江戸まで流通させ、清酒の良さが日本全国に広がったのでは・・・。
私の好きな奈良酒の中、奈良御所市に油長酒造の『鷹長・タカチョウ』が
製造されなくなり、1998年から搾ってそのままのイキイキとした生酒の
『風の森』ブランドだけにと聞き及び、寂しい限り!
風の森の新シリーズの挑戦は「伝統を改変し、新たな伝統を創造する」と
HPによると、風の森1瓶で2通りの味わいを、五感で楽しんでほしいと
1.開栓時の炭酸ガスがあるときは、もろみ発酵由来の自然の炭酸ガスが溶存し
口に含んだ時にプチプチとしたフレッシュ感が味わえる。
2.炭酸ガスがなくなってからは、お米由来の豊かな味わい、うまみ、甘みと、
酵母が造り出す果実のような香りや酸味が味わえると。
試飲させていただいたのは奈良町界隈・西寺林町22の『なら泉勇斎』さん
酵母は協会7号系(K7)
原料米は米飯用の「アキツホ」・無農薬で地元・風の森近辺で栽培される
酒造好適米の「露葉風」・「雄町」と「山田錦」
精米歩合から80%、70%、65%、50%、22%
7種別あるのですが・・・(HPでは13品にも)

今回は5種類です。


注がれると、微炭酸がグラスにまとわりつきます。
・風の森 秋津穂 657、精米歩合65%、720ml 1,050円(税抜)
風の森のスタンダード定番です。

・風の森 露葉風 807、精米歩合80% 720ml 1,200円(税抜)
奈良産の露葉風の心白の大きさは山田錦をしのぎ、複雑味あふれる
酸味と渋みに甘みなどの旨味が絶妙との触れ込み。
炭酸が抜けた後の方がおいしいかも?

・風の森 露葉風 507、精米歩合50%、720ml 1,600円(税抜)

・ALPHA 風の森 TYPE1「次章への扉」秋津穂 精米歩合65% 720ml 1,150円
アルコール度数が14%と低く設定、ボリューム感、果実感を損なわない。
女性向かも、もう少し香りがあれば・・・

・ALPHA 風の森 TYPE2「この上なき華」秋津穂 精米歩合22% 720ml 3,000円
複雑で華やかな香りの酒質 との触れ込み
酒造好適米の22%精米なら頷けるが・・・私には米質が複雑すぎ?

一つの酵母で、これほどまでに多様な日本酒ができるとは驚きです。
このチャレンジに乾杯・・・かな。
合計二合にもならないのに、酔っぱらってしまいました。
お好みの日本酒探しも面白いものですね。