ついに羽生結弦選手の凱旋パレード「羽生結弦選手2連覇おめでとうパレード」の日がきました。
町を歩くと、下のようなポスターが目につき、参加してみたいものだと思いつつ、今年のパレードは前回4年前の人出を上回り、10万2千人が予想されるという話を聞くにつけ、ちょっと恐れをなしていました。
そして、つい先日は、パレードの資金調達のためのTシャツの販売のニュースが放映され、販売の初日に店舗の前に行列ができ、すごい勢いで売り切れたとのことを聞き、手に入れるのも大変そう...と思っていました。ネットで購入するのも今一つ気が進まないし...。
調べてみると、なんと仙台の泉中央のセルバテラスでも販売が予定されているとのこと。さっそく電話で問い合わせてみると、ちょうど翌日に販売する予定があるとのこと。
翌日用足しのついでに立ち寄り(と言っても開店10時より前)、列に加わり何とか記念Tシャツを手に入れることができました。
自分の記念にもなるし、パレードの役にも立つしで、良いことをした気分です。
さて、明日はパレード。市役所あたりを通ると、おしゃれにきめて元気そうに歩く若い女性が目立ちます。
「ははあ、もう県外から明日のパレードのためにきてるのだな..。」と思いました。
ところが、テレビのニュースを見ると、名古屋や東京から来た人たちがもう観覧席に座り、明日までそこで夜を超すつもりとの声を聴きました。
であれば、明日9時頃に定禅寺あたりに行く私が、パレードの始まる12:30まで観覧場所で待つというのは良いアイディアなのかも...、と思いもしかしたら行って、見ようかと思ったのでした。
腰かけられるおしゃれなキャリーバッグに帽子や日傘、氷も入れ、暇つぶしに読む本も持ちました。車はちょっと離れた駐車場にうまく入れられ順調です。
季節の中でも最もさわやかな頃、お天気が良く街路樹の新芽の色のさわやかさが心を浮き立たせます。
定禅寺通りの中央の緑地帯には、出店?の準備が始まっています。 佐藤忠良氏の彫刻も見えます。
市役所付近には、ボランティアの方々がいっぱいで!こういう方々に支えられているんですね。
あまり長く歩きたくないので、市役所に近い三越前の歩道に陣取ることにしました。ちょうど少し木陰になっていてナイスです。みなさん、ビニールシートに座っていたり。折り畳みチェアに腰かけていたり、さすがです。これから3時間以上も待たなければならないのですからね。
ここからが大変です。
勾当台公園のあたりも混んできています。 市役所前を選ぶ人もいます。
暑い日でした。アナウンスでは、たびたび体調に注意するよう呼びかけられていました。
12:30になってやっと前の道路の交通規制が始まりました。そして、立ち上がり道路の4車線のうち2車線も観覧場所となります。ここからがさらに大変です。ずっと立ったままで1時間以上待つことになります。しかも私の隣は体格の良い男性と背の高い女性が。うずまりそうです。よく見えるのは青い空ばかり。ヘリコプターが飛び始めました。
南町通りでセレモニーが始まったようです。何も聞こえません。隣の男性はスマホでテレビの中継を見ているようです。隣の奥様にその様子を話します。それで私も少しは状況がつかめるというものです。
足も痛いような気がする頃、つま先立ちして見るとちょっと、車の上に乗ってカメラを回しているような人が遠くに見えました。よくわからないけど写真を撮りました。
そうして何枚か写真を撮ったりしているうちに、周りのざわめきが大きくなってきました。いよいよ近づいてきたのかもしれません。
そして、スマホで撮影の準備をしていると、急に画面が自撮りになってしまいました。
「えっ?今?」と慌てて直そうとしても直りません。パレードの音が大きくなってきています。焦って直そうとしても直りません。一そのうち周りは「ワーーーー!」「キャーーーーー!」の歓声でボルテージは最高潮?!
もう仕方がない。肉眼に焼きつけよう!と思い、顔を上げるとすぐ近くにゆず君がいるではありませんか!反対側を向いて手を振っているので、「こっち!こっちむいて!」との声に?こちら側を向いて両手を振ってにっこりしてくれました。とりあえず、またシャッターを切りました。写っているかどうかも分からないけど一応。
パレードの曲「は晴明(せいめい)」です。曲に合わせて合わせて決めポーズ!?
そうしてだんだん通り過ぎてゆきます。
その時、どこかのおじさんが前に出て、
「みんなで『ありがとう』といいましょう!」 と声をかけました。
そこで、そこにいた私たちはみんな思い切り「 ありがとーう!!!」と遠ざかってゆく羽生選手に向かって叫んだのでした。
こんなに苦労したけど、誰もが喜んでいました。
その後、レストランで昼食をとっていたら、向かいの席の方々がパレードの話をしていました。そして、羽生選手のスケートだけでなく人間性の素晴らしさにも触れ、その彼を世に送り出した両親にも感謝したいと言っていました。
パレードの後に記者会見がありましたが、そこでも一言ひとことからその思いが伝わってくる発言の内容でした。仙台等に存分にスケートができる環境を作るためにできることをしたいとか、被災地の復興のためにこれからもできることをしていきたい等、強い気持ちが感じられました。
(羽生選手は仙台市と宮城県に、報奨金全額を同額ずつ寄付をしました。また、今日のパレードでは県外からはもちろん外国の方も訪れています。もちろん地元の人もたくさん。パレードの経済波及効果もずいぶんあったのではないかと思われます。本当に有言実行の素晴らしい方です。 仙台市、宮城県が誇れる人物となりました。)
最近は社会的地位のある方たちの不祥事?や世界の国々の様々な問題、そして天災等のような不穏なニュースでおおわれている感ですが、今日はそんなことをすっかり忘れさせてくれるような、お天気と同じ晴天のような素晴らしい一日でした。
今日、この場にいた人だけでなくテレビで中継をみていた人たちも、羽生選手と時間や空間を共にし、喜びあえる場となりました。まさに、みんなで行動や気持ちが一つになり盛り上がった「お祭り」となりました。生きる力をみんなに与えて自らも生きる力をもらえる明るく輝かしく力強いパワーあふれる1日となりました。
私の一生の中でも幸せな一日の一つとなりました。
ありがとう!羽生選手!