石巻白梅ししの会便り

石巻のためにできることを一緒にしようね!!

「石巻学5号」発行されています!!

2020年10月30日 | お知らせ

 

 「石巻学第5号」が発行されています。

 私が購入しようと仙台三越のヤマト屋書店に行ったら店頭にはなく注文になりました。(9月10日に発刊されていました。)通販のアマゾンでも販売されていたようです。

発売元はこぶし書房です。(☎は03-5981-8701)

 

 今回は、ページ数増(前回より50ページ増)です。

 内容も増で様々な観点からの記事が掲載されています。

 さらっと目を通してみて、内容が震災後の人々の心が表されているものが多いように感じました。

 寄稿者は若い方から年配の方まで年代も様々です。

 石巻にゆかりのある方や現在石巻で活動を続けている方の投稿で内容も様々です。

 読んでいる内に、子どものころの南浜町や門脇の町の様子が思い起こされる内容の文もあり、ふっとタイムスリップする感覚も味わえます。(大谷尚文さんの「南浜町の辺見庸さん」)

 

 私が興味を持ったのは、「短歌部カプカプ短歌集」です。

「短歌部カプカプ」は、石巻在住の若手短歌愛好家3名が集まり誕生しました。会員は現在(執筆当時)高校生から社会人まで男女8名とのこと。創作した短歌やその思いや短歌と出会うきっかけなどがつづられています。

 その中で私心にフィットした一つが佐藤さんの次の短歌です。

  「何もないと言われる土地に沢山の何かを見つけた日の走り書き」    伊藤成美さん

 

 伊藤さんは、16歳の高校1年生の時に 地域貢献などについて学ぶプログラムに参加したことがきっかけでその後「ISHINOMAKI2.0」が行っている「石巻学校」という高校生向けのプログラムを知り、町の中心にある「カフェIRORI石巻」というカフェに足を運ぶようになったそうです。それが石巻を知るきっかけになり地域や町の楽しみ方が分かり自分に対する考え方も変わっていったそうです。

そして、彼女の文章の中に次のような文があります。

「・・・略  IRORIにいるだけでも立ち寄る人を紹介してもらえて、顔見知りが増えていくのが楽しかった。石巻に住んでいるわけでもなく高校生になってからまちに出入りするようになった私のことを受け入れて話を聞いてくれることも嬉しかった。…中略・・。新しいことばかりで一気に世界が広がったように感じられた。

 はじめのうちは、そんなまちの人たちの地域について考えて行動している様子に心を惹かれているのだと思っていた。だが、そうではないことに気がついた。「石巻で」ということを意識しつつ、やりたいことをしている人が多い。そしてそのご近所同士でも仕事仲間でもない人々が、店より広く市町村より狭い規模のまちなかで仕事のような遊びのような楽しいことを日常的に行っていて、それが毎日尽きないということをとても魅力的に感じていたのだ。 

 私ははじめ、まちの一員になれたような、まちの人たちと関わることで、何かをやっているような気になっていた。だが、今のまちは震災後の大人たちの強い意志の積み重ねによってできていて、私はその土台の上で学んだり遊んだりさせてもらっているだけなのだと徐々に気がついていった、

 まちは土地だけでも人だけでも成り立たず、その土地で意志を持って暮らす人々によって作られていくのだと思う。まちで会う人と話す時、その人のみではなく後ろに見えないまちの存在を感じる。その距離感が絶妙で心地良いなと思う。

 このまちにとって私は何者でもないけれど、私にとってこのまちは存在そのものが発見で、形のない先生のように感じている。石巻を知ってからそろそろ三年が経つ。私はこのまちのことを密かに丸ごと特別に感じている。」

 (伊藤さんのいう「まち」とは石巻市全体のことではなく、主に市街地とそこで働き暮らす人たちのことをさしています。)

 

 破壊されてしまった石巻の中をこのようなとらえ方や感じ方ができる若い心があることを心強く嬉しく感じました。

 「何もないということは何でもあるということ」という言葉をどこかで聞いたことがありますが、そういうふうに思えるのはその心の中にあるものが豊かだからではないでしょうか。

 

その他にも若い感性が感じられる短歌がいくつも載っています。

 

 あの大震災から間もなく10年。

 当時は、町の惨状に絶句し、言葉も出ずにいつの間にか涙が出てきて、なんということだろうと心を痛める日々だったことを思い出します。

 一体、これからどうなるのだろう?と想像もできない思いになったものです。

 それが大急ぎでとりあえずインフラの整備が行われ、次第に回復?してきました。

 そして、設備などが整ってきた今、10年近くたっても施設のようには元に戻らない人の心があります。

 でも、そんな中でも佐藤さんの文にあるように心ある方たちの様々な取り組みが行われそれが表面には目立たなくても新しい石巻の力として育っているのだと感じました。

 とても深い意味のある短歌だと思いました。

 

その他様々な投稿がいっぱい。

少しづつ味わいながら読んでいます。

皆さんも  

ぜひ、どうぞ!

 

※ 今回「石巻学」の特集は「石巻と文学」です。

 梅里石雪氏の「日和山慕情」も親しみやすく分かりやすい内容でした。

 氏の経験(前に石巻魚市場の社長を18年歴任。現在相談役)を振り返りながら料亭「つつじ園」の思い出や日和山にある文学碑等について記されています。

 景勝地日和山の公園内に建立されている文人たちの作品の記念碑のうたが紹介されています。

  

     雲折々 人を休める 月見かな    (松尾芭蕉の句碑)

 

     わたつみに 北上川の入るさまの ゆたけきを見て わがあかなくも    (斎藤茂吉の歌碑)

 

     砕けては またかへしくる大波の ゆくらゆくらに 胸おどる洋       (石川啄木の歌碑)

 

     海のおもいいよいよ青しこのゆふべ 田しろあじしま 重なりて見ゆ      (折口信夫の歌碑)

 

     北上の尽きるところのかすみには なおとまどいの 青き波かな         (新田次郎の歌碑)  

 

 桜の時期、つつじの時期にはよく訪れ楽しんでいましたが、これらの記念碑には気づきませんでした。

 今度行ったら、探してみたいと思いました。

 

 その他、様々な方の投稿が満載。石巻に関わる人たちの心を知ることができます。震災から10年近く経った今知りたい石巻があります。

 またそのうちゆっくり読んでじっくり楽しみたいと思います。

 

     

 

 

 

 

 

 

 


変わりゆく季節

2020年10月01日 | お便り

 やっと、秋晴れのすがすがしい今日、メロリンさんからお便りが届きました。

さっそく紹介いたします。

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昨年は台風による風水害にみまわれ、今年はコロナで人生初の疫病感染予防の生活中のところへ又、台風の季節を迎えています。みな様お元気ですか?

 

被災者の方々にお見舞い申し上げますと共に、亡くなられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げます。

 

「変わりゆく季節感」

 

野に咲く花たちは最近の季節をどのように感じているのでしょう。

数年前の記事で私はアジサイとオシロイバナを一緒に生けた写真を掲載致しました。  あの年の季節はアジサイの花とオシロイバナの花が同時に咲いていたのです。

花の時期が同じだったのです。

去年も今年もそうはいきませんでした。

オシロイバナが咲く時にはアジサイの花はとっくに終わって枯れていました。今年もそうです。

今は9月末、周りの景色はオシロイバナのショッキングピンクの色で華やかです。が、庭のアジサイといえば枝も葉もすっかり枯葉色です。

 

あの年のあの時のあの写真はとても貴重だと思います。

アジサイとオシロイバナが同時に咲いていたのです。ふしぎです。

 

今日はスーパーの花コーナーで買ってきた小菊にオシロイバナを入れて見ました。

菊の花はハウスで温度調節されて育ち一年中手に入ります。

野に咲く花とは生まれも育ちも違うけれど、ただ固体としての花の命は皆同じ、一緒に眺めて過ごしましょうね。長持ちするのは菊の花が一番。

 

例年はいつも一、二本しか咲かないヒガンバナが今年は増えました。

ヒガンバナの近くの雑木林で3年前の5月に山火事が有りました。10メートルもある杉木数本が燃え消防車五台が駆けつけ火を消し止める事ができ、幸いにも近くの民家に燃え広がる事もなく大事に至らずに済みました。近くの民家とは我が家も含まれます。

 

山火事というものをこんなに間近で眺めて初めて分かった事は地下でも木の根っこが燃えているということでした。火はあっという間に広がり恐ろしい光景でした。

消防士たちの勇ましい働きぶりも頼りがいがあり印象的でした。炎が消えてもまだまだ放水は終わりません。まだ地下に火の気があるというのです。地面の熱がコンクリート道路を越えて周辺に伝わります。

 警察官も数名かけつけて取り調べもありました。原因ははっきりとはせず推測に留まったようです。

その日の朝のニュースで、『今日は空気が異常に乾燥しますのでご注意ください』と言っていた、その日の午後の昼下がりの出来事てした。

煙が少なくなってきた頃に夫がゴルフから帰ってきて何事かという顔をしました。

日が暮れて辺りが暗くなってようやく鎮火しました。

その後、炭素が増した土には草木が元気に生え出しています。

ヒガンバナが増えました。

 

今年の記録はヒガンバナとオシロイバナが同時に咲いたということです。

 

因みに長野県では同時に五つの花が咲くところと聞いています。りんご、梅、桜、桃、杏子の花…かな。

 

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 メロリンさん、いつものことながら自然の息吹きが間近に感じられる記事をありがとうございます。

 年によって花の咲く時期の違いのあることがよく分かりました。

 我が家の山吹(やまぶき)の花は、春に満開になるのですが今年は今頃になって、また2~3輪さいていて「あれっ!」と思いました。

 自然は微妙にその環境の変化をとらえてそれに応じた結果を示しているのでしょうね。

人間よりも敏感かもしれませんね

 それにしても、長野県の五つの花が同時に咲くとの話、我が家では、確かに春に桃、梅、リンゴの花が咲きました。当然桜も咲いている頃かと思いますが、杏の花はどんなものか見たことがないのであるのかどうか分かりませんでした。

 少し開く時期に差があったような気がしますが、長野県ではほんとに同時に咲いているのが見られるということなのでしょうか?長野県の人に聞いてみたいものです。

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 以下は、メロリンさんからのヒガンバナの写真、秋たけなわという感じです。