マイコン工作実験日記

Microcontroller を用いての工作、実験記録

進まぬ世代交代

2010-08-20 00:07:59 | Weblog
近頃、Netduinoが話題のようです。この間までは、FEZ Dominoが占めていたARM版Arduinoのポジションをめぐっての競合というところでしょうか。

Netduinoはその安さもあって注目されています。使用されているのがATMELのAT91SAM7X512で、このチップだけで2000円ほどしてしまうのに、このボードは35ドルと激安。たしかにボードとしては安いわけですが、それでもMCUの性能を考えれば、やはりCortex M3のSTBeeの方が魅力的でしょう。AT91SAM7X512の値段が高いのは、古いARM7ベースのチップという要素が大きいですよね。FEZ DominoはLPC2388で、こちらもARM7ベースです。どちらも比較的新しい製品なので、Cortex M3で作った方が安くできるような気もするんですが、ARM7を選択しているそれなりの理由があるように思われます。勝手に想像してみるに、内蔵RAMの大きさが関係しているのでしょうか?

LPC2388は基本64KBのRAMに加えて、Ethernet RAM, USB RAMの空間があり、合計すると96KBになります。AT91SAM7X512は、128KBのRAMを持っており、このサイズはSAM7シリーズ中での最大RAM容量になっています。一方、多くのCortex M3のMCUでは内蔵RAMは64KB程度です。その64KBも内部的にふたつの空間に分けられていることも多く、非連続だったりします。.NET Microで扱うに際しては、連続で容量が多い方が管理も容易で、ユーザプログラムにも多くのRAMを割り当て易いのではないでしょうか。

さて自分を振り返ってみても、なかなかCortex M3に移行できずにいます。今年はSAM3UやSAM3Sを使ってみるつもりでいたのですが、どちらもいまだにサンプリングの状態で、なかなか入手できるようになりません。この調子だとSAM3AやSAM3Xはいったい何時になるんだろうと気を揉んでいます。そうこうしているうちに、「携帯できる電話機」で使用しているAT91SAM7A3がMature Device扱いに変更され、Not recommended for new designsと記されるようになってしまいました。オイオイ、引退させるなら世代交代のための代替製品(SAM3A?)を用意してからにしてくれよ!!

そんなわけで、次のプロジェクトではSAM3は使えそうもありません。代りに何を使おうか思案中。LPC2368かLPC2369でも使おうかとも思い、マニュアルを改めて読んでみると、SD/MMCインターフェースが無いことに今頃気が付きました。やっぱり、手持ちのLPC2388付録基板を使うのがてっとり早いかなぁ。