https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170820-00010001-biz_lifeh-sci
2010年にコロンビア大学とハーバード大学の共同研究チームは、開放的で胸を張った姿勢の人はパワーが強く、リスクを求める傾向が強いことを発見しました。
Erik Peper氏によるその後の研究で、背筋がピンと伸びた姿勢の人の方が、生体力学的観点から見ると、筋力が強くなるだけでなく、ポジティブな記憶や考えを記憶する能力も高くなることも明らかになっています。
2015年にShwetha Nair氏が行った研究でも同様の結果が出ていますが、それに加えて気分の高揚も観察されました。同研究では、背筋を伸ばして座るだけで、ストレス耐性を促すことになると研究チームは結論づけています。
では、なぜ姿勢を良くすると、そんな良いことがいろいろと起こるのでしょうか? それは、心身相関が相互に作用するからです。
コロンビア大学研究所のDana Carney氏は、パワフルなポーズを取ると「安全だから安心して行動しても大丈夫」というシグナルが脳に伝達されるので、結果的に脳の機能も高まると説明しています。そして、脳にそのメッセージが届くと、ホルモンも変化するとのこと。
まず、男性ホルモンの代表格であるテストステロンが増加して、集中力、注意力、体力が高まります。また、ストレスホルモンのコルチゾールが低下しますが、コルチゾールは「闘争・逃避反応」と関連しているので、このホルモン量が多い状態が続くと、さまざまな健康問題が発生するのです。つまり、病気に対する抵抗力とリーダーシップの能力が変化することになります。しかも、研究チームによれば、このような変化はパワフルな姿勢を取ると、たった2分で発生します。
社会科学者のArmy Chuddy氏の「できるようになるまで、できるふりをしなさい」というアドバイスは有名ですが、それは、上述の科学的発見を根拠としており、幸福感やパワーを感じられる姿勢を取ることで、生産性をアップさせるという仕組みを活用しています。