https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20190225-00116081/ 略
前述した症例報告にある通り、アイコスには健康懸念の危険性があるが、実際の喫煙者でこのような実験をすることは再現性の点でも倫理面でも不可能だ。疫学調査には時間がかかるため、喫煙者が吸い始めてせいぜい数年しか経っていないアイコスの呼吸器への悪影響を評価できるようにはまだなっていない。そのため、研究グループはヒトの呼吸器の細胞を使って実験したというわけだ。
その結果、アイコスと紙巻きタバコの1.0%、5.0%、10.0%で細胞がひどく傷つくことが確認され、電子タバコの5.0%、10.0%でも同じ現象がみられた。アイコスの煙にさらされた細胞では、酸化ストレス(フリーラジカル)によってミトコンドリアの機能不全が起き、細胞の周囲に細胞が硬くなる(繊維化)現象が起きていたことがわかったという。こうした現象は、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの原因になる。また、気道に悪性細菌が付着しやすくなり、呼吸器の感染症を引き起こすことが知られている(※6)。
加熱式タバコを製造販売しているタバコ会社はどこも「紙巻きタバコと比べて」有害物質が提言されているとPRしているが、有害物質は全くゼロになっているわけではない(※7)。特にニコチンの量は、依存性を継続させるために低減できないというジレンマがある。略