家族小説。川合淳は中堅出版社に勤めるサラリーマン。妻・杏子と娘・春香とともに、マイホームで穏やかに暮らしていた。しかし中学生の春香がいじめにあい引きこもってしまう。やがて妻もそんな辛い現実を受け止めきれなくなり、救いを求めて「紫音」という霊能者にはまっていく。父親は「ふつうの幸せ」を失い、バラバラになった家族の心の和を再生しようとするが。家族の絆を救ったのは、まさかの老人・・・。推理小説の様な謎の伏線が張りめぐられており楽しめる。「スピリチュアル」「マインドコントロール」「ユング」「コールドリーディング」等々が語られ家族再生の物語になっている。
「人を傷つける人は、自分の心が傷ついている可哀想な人。人を騙す人は、人に騙されて世界を信頼できなくなった淋しい人」(P378)
闇から光へ、雨上がり人の物の見方を学んだ春香の今後が楽しみな展開でした。
2018年10月幻冬舎刊
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