自由になるということ

昨日は荒巻さんと「八神純子」のコンサートに行ってきた
十数年もの間 第一線を退き
本当に久しぶりのツアーだと言っていた

彼女を現場に戻したものは東日本大震災
震災のふた月後には現地でチャリティーコンサートを始めていたらしい

いろんな準備を考えると
震災が起こってすぐ
飛び起きるような感じで
アメリカを出発したんだろうと思う

２０歳のとき仲の良かった友達が
「八神さんすごい、女性として尊敬する！」と強く訴えてて
それまで小学生の時テレビで見た
「みずいろの雨」や「ミスターブルー」のイメージだけだったのだけど
地球交響曲やネイティブアメリカンにも造詣の深い友の言葉だけに
きっとすごい人なんだろうなとは思ってた

２０年ごしに初めて見る実物の八神さんは
本当に自由な人だった
好きなことやってるという自由ではなく
自分の信念に従って突き進む自由であり自在

あんなに歌がうまいのに
自分を特別だなんてこれっぽっちも思ってない
終演後 ロビーに出たら
もう握手のために外に出てきてた　衣装のまま

自由だ

素人の勘ぐりだけど
きっとあのまま芸能界に棲みつづけてたら
こんな風に純粋には変われてなかったんじゃないかな

たとえばどんなに好きなことであっても
しばらく距離を置くことで
本当の自分の気持ちがより強靭になったのかもしれないな
そんなことを思った

一幕の最後で中島みゆきの「時代」を歌った八神さん

苦しいこととうれしいことはきっとセットになってる
最近はそんな中国の「陰陽魚」のマークが大好きだって言いながら

「今はこんなに悲しくて 涙も枯れ果てて　
もう二度と笑顔には　なれそうもないけど

そんな時代もあったねと　いつか話せる日が来るわ
あんな時代もあったねと　きっと笑って話せるわ
だから今日はくよくよしないで　今日の風に吹かれましょう」

涙が止まらなかった
初めて歌詞の意味を知った気がするよ

肩の力を抜いて
今日の風
明日の風に吹かれようと思った