さて、今回も本編とあんまし関係ないお話で恐縮なのですが(汗)、今回も軽い介護ネタ☆でここの前文の時間潰しをしたいと思いますm(_ _)m
前回はホームヘルパー3級の介護実習で行った先のお宅のことだったんですけど、その後2級を取る時に某介護施設でボランティア的なことをすることになったんですよね(※今はもうホームヘルパーの3級ってないと思います)
それで、他の2級の実習を受けにきてるわたしと同じような方が5~6人いたものの、いくつか実習生として「こういうことはしちゃダメよ☆」的な説明を受けたあとは、ほとんど放っておかれたというか(^^;)
そこは結構規模の大きいデイケアのサービスセンターで……軽く5~60人くらいはおじいさん・おばあさんが集まってるような感じでした。
で、まあどこも大体同じような過程を辿るのかなって思うのですが、まずは到着したら血圧を測ったりして、あとはその日のプログラムによって何かゲームしたりとか、「ボケ防止に役立つ!」的なリズム体操をしてみたりとか、ボランティアできたゲストさんの歌を聞いたりとか……その間にお風呂に順番に入ってもらって、お昼を食べたあとの午後も何かのリクリエーションをして、三時とか四時とかに帰宅してもらう……みたいな??
それで、やっぱり実習できてるので、「○△してください」みたいに指示されてその通りのことをするのが一番いいと思うんですけど、お風呂介助を手伝ってくださいとか、そちらの様子を見学してくださいとか言われることもなく、本当にただ「好きにしてください」と言われただけだったんですよね
なので、これもまたどこの施設も同じっていう気がするんですけど、やっぱり中心の輪のほうに椅子並べて固まってるおじいさん・おばあさんの群れから外れて、端っこのほうにいる方って、必ず絶対おられるんですよね。それで、そうした方の話相手になったりしてたんですけど……これは、そちらの外れた輪のほうにばかりいるのも変かなと思って、わたしが少し中心の輪のほうに近づいた時に聞いたお話でした。。。
その日は例によって(?)「○△体操」をしてくださるゲストさんが来ておられて、そのおばあさんもその体操をみんなと一緒にしてたんですけど……特にこちらから聞いたわけでもないのに、自分から熱心に身の上話をしてくださったというか(実習が終わるまでどう時間潰せっちゅーんじゃ☆とか思ってたので、実に助かりました)
そのおばあさん曰く、元は家族と一緒に暮らしてたけど、今は介護施設のほうにご厄介になっているとのことで、簡単にいえば「家族に捨てられた」ということだったんですよね。
実の娘さん夫婦とお孫さんの家のほうで暮らしておられたそうなんですけど、この娘さんがですね、ある時から自分を邪魔者扱いしだしたと。「嫁とかじゃなくて、実の娘なのにだよ!それもね、孫にこう言わせるのさ。『おばあちゃんのうんちくさい』とか、『いつまでここにいるの?』みたいなことをね。わたし、そうまでして自分を追い出したいのかと思って、ほんと悔しくって涙がでたよ。それで仕方なく施設に入ることにしたのさ。最初は嫌々ながら入った施設だったけど、今はこれで良かったと思ってる。施設暮らしも楽しいし、ここのデイケアに来るのも楽しみだしね。それに、家族のほうでもクリスマスとか正月とか、たまに帰るってなると、その期間だけものすごくよくしてくれんのさ。だからわたしは今すごく幸せだよ』……なんというか、この話を聞いていて、わたし、すごく胸を打たれました
いえ、初めて会った見ず知らずの人だったから、むしろ言いやすかった……かどうかはわからないんですけど、こういう種類のことってどこの家庭でもあるんじゃないかなって思います(^^;)
わたしだってまあ、人から邪魔者扱いされたことってありますし、介護といったことじゃなくても、引きこもったりしてて、実の家族から「用なし」みたいに扱われたりとか、お金のことで迷惑をかけて家族から縁切られたりとか、家族の問題って色々あると思うんですよね。
なんていうか、この方からこのお話を聞いたことで、なんか妙に身につまされたというか、うまく言葉に出来ないけれど、とにかくこのおばあさんが話してくれたことは、わたしにとってとても大切なことでした。。。
そんでもって、わたしと同じように特に今介護の問題とか抱えていなくても……「なんかわかる」という方はきっとたくさんおられるんじゃないかな……と思ったもので、マリーの手紙を読み返しているうちにこの方のことを思いだして、なんとなく書き記してみることにしました(^^;)
ではでは、長いお話でしたが、次回でとうとうこの「聖女マリー・ルイスの肖像」も最終回となりますm(_ _)m
それではまた~!!
聖女マリー・ルイスの肖像-【48】-
「しっかし、マリー・ルイスがイーサンの家にいた頃っていうと……あの頃ミミちゃんは五歳とか六歳とか、そんくらいだったっけなあ。その子がすっかり育って食べごろになったもんで、横からかっさらおうとするなんてなあ。ラリー、おまえ実は昔から隠れロリコンの気があったんじゃねえの?」
「うるさいっ。俺だってもちろん、そのことはよく考えたさ。だけど、こおおんな赤毛のおっさんでもミミがそれでいいって言うんだから……恐妻家の作家の嫉妬になんか、いちいちつきあってられるか」
――ラリーとイーサンとルーディは、今も月に一度は集まって互いの近況を語りあうという集いを続けている。
ちなみに、ルーディは大学院卒業と同時に作家になった。ルーディは毎月自分が購読している小説誌に自分の作品が掲載されることを長く願ってきたのだが、どんな会心の作を書こうとも、そこの編集長にはねられ続けてきた。ところが、である。その後、自分の父親とその編集長がルーディの母を巡って争ったことがあるという事実がわかるなり……ルーディはすっかり馬鹿らしくなって、人から親の七光と言われようとどうでもいいと思い、ガルブレイス出版から自分の本を出版することにしたのである。
今やその作品数は七十を越え、そのうちの三分の一ほどが映画化、あるいはドラマ化するなどして、人気を博すに至っている。あれほどガルブレイス出版から自分の本を出すのを嫌がっていたのに、一体どうしたんだ?とイーサンが聞くと、ルーディはフローズン・ダイキリを飲みながら言ったものだ。『あんなあ、イーサン。文系の人間の嫉妬ってのは始末に終えんものがあるのよ。おまえなんかはさ、ムキムキマッチョなスポーツ寄りの人間だろ、どっちかといえば。ところがだな、文系の連中ってのはしつけえもんなんだ。何分自分が小説書くネタってのが、かつてあーでこーでそーで自分は満たされなかったとゆールサンチマンがその創作の原動力って奴が多いからな。そんなものに長くつきあわされた上、『君は童貞ででもあるのかね?』とまで言われたのかと思うと……急に色んなことが馬鹿らしくなったのさ』
そしてルーディは、彼がかつて書いてプロになってからも暫く放っておいたあの小説――マリーが僅かばかりモデルになったと言えないこともない例の小説――で、悪女を演じた女優と結婚していた。彼女はミランダ・ソープという名前で、ラリーはルーディを恐妻家と呼んだが、実際はそこまでひどいこともない。単にこのミランダ、ルーディに首ったけで二十四時間ずっと離れていたくないという質の女性なのだ。だが、ルーディは束縛されるのが何より嫌だというタイプで、ユトレイシアの街中に豪邸を持っていながらも、彼は実際には郊外にある別荘のほうで執筆活動していることが多い。
また、イーサンがラリーやルーディたちと会うのはこのルーディが所有している別荘でなのだが、実はこれまでに二度ほど、ミランダがこの別荘のまわりをうろついているのを見たことがある。「どうしたんですか?」とイーサンが聞いてみると、「夫がね、友達に会うなんて言って、また浮気してるんじゃないかと思ったもんですから……」と言われ、イーサンとしては「今日は本当に男だけの集いですよ」と答えることしか出来なかったものである。
「ルーディ、おまえこそ、あんな美人のカミさんがいながら、いまだに浮気する機会を常に狙うだなんて、ちょっと贅沢すぎるご身分なんじゃないか?」
「ふふん。よくもそんな口を俺に聞けたもんだな、イーサン。おまえこそ、得意の閨房術で女どもを悦ばせた、そのうちの誰かと結婚してみちゃどうなんだ。ええ?」
ルーディは唯一――イーサンがマリーと関係を持つに至ったことを知る人物だった。何分、一度そうなってからイーサンは毎日のように大学から猛ダッシュで帰宅していたのだから、勘の鋭いルーディが気づかぬわけがない。あの時期というのはイーサンにとって、新婚の蜜月とも言うべき、本当に幸せな日々だった。そして、それがこれからも永遠に続くと信じていた自分の愚かさを、イーサンはマティーニを片手に告白していたというわけである。
「結婚か。俺にはもうあまりそんな気はないな。子供たちも全員無事育ったし、その肩の荷が下りたってだけで十分満足してる。この上自分のガキまでこさえて苦労しようなんていう気、さらさらないというかな」
「そんなこと言うなよ」と、今も何も知らないラリーが慰める。「俺だって、結婚するにしたってそうなんでもかでも理想通りっていう相手になんか巡りあえっこないと思ってたんだぞ。それなのに、兄貴のおまえが是非妹をもらってくれだなんていうから……それで俺は今こんなに幸せなんだ」
と言っても、ラリーは今もマクフィールド家へやって来る時には花を片手に持ち、マリーの墓のほうへと真っ先に向かう。『俺にとっては忘れられない人だ』とラリーはミミと交際するようになる前から何度も言っていた。『知事に立候補することにしたのだって、そうすればマリーさんが心に描いていたような貧者救済とか、新しい福祉施設の建設とか、そういう計画を具体的に押し進めることが出来ると思ったからなんだ』
実際、知事に立候補した時、ラリーは弁護士としてある有名な冤罪事件の弁護士だったという以外では、特に何か目立った実績があったわけではない。だが、『マリー・ルイスの理念に基づいて市政を行う』というラリーの演説は多くの市民に受け容れられ、彼は今日に至るというわけだった(ちなみに彼はその時、マリーがクリスマスにくれたマフラーをして多くの市民を前に演説したのである)。
ミミは、マリーおねえさんのことではまったく嫉妬を覚えていないという。むしろ、お互いに心から愛する人がいたという共通点があることで……ますますラリーには惹かれるものがあるというそれだけらしい。
「だって、仕方ないだろう。ミミは恋愛には奥手な質で、自分から告白するなんて絶対できないなんて言うんだからな。でもまあ、実際はそう聞いて安心したんだ、ある意味な。相手がミミと同じくらいの若僧だったら、一度ガレージにでも連れこんで兄貴としてボコらずにはいられなかったろうからな。あるいは日本の刀か槍で串刺しにしてやるかのどっちかだ。その点、おまえなら……あらゆる点で男として推薦できる。それに、俺はもともとミミにはおまえくらいの年の落ち着いた感じの男とつきあってほしいと思ってたんだ。何分、あれだけ色々揃いすぎてるとな、あとは男のことで失敗するか泣かされるか……俺がミミのことで心配だったのはその点だけだからな」
「でも本当に、ミミちゃんはなんていうか……」
ルーディが珍しく真面目な顔になって言った。
「マリー・ルイスそっくりに育ったんじゃないか?具体的に顔がっていうんじゃなくさ、雰囲気として、なんていうかこう……」
「おまえの言いたいことはわかる」と、ラリーも同意する。
「そうなんだよな。小さい時はそうでもなかったんだが、大きくなるにつれて、こう……本当にマリーにそっくりになった。髪のほうはミミは茶褐色だし、目の色もブラウンだ。だがな、ちょっとした仕種とか、微笑み方とか、全体的に善意に溢れてるといった感じのするところとか……本当、『天使の歌声』なんて言われてるとおりの娘に育ったよ」
イーサンがこう言うと、語られた言葉以上のことをラリーもルーディも読み取っていた。ランディとロンとココもそうだが、マリーがマクフィールド家にいた三年の間に、ある意味、その後の成長を決定づける指針のようなものがしっかり根づいたのだ。あとはその根はただ正しい方向、光のほうへと向かって真っ直ぐに伸びていった。これはイーサンという言わば、兄というよりも父という片親だけでは絶対になしえなかったことだったろうと、イーサンは確信している。
「あれから二十年か。本当、びっくりだよな。俺はほとんど直接口なんか聞いたことないってのに、おまえらから色々聞かされたせいで、なんか深い知り合いかなんかみたいに思ってんだな。実際、実は聖女でした……なんて話が出た時には、茶をだしてもらったりしたことがあっただけにビビったぜ。植物園通りにあるマンションで起きたことも、消防士どもは相変わらず口を堅く閉ざしてるらしいしな。何分、調査段階で体に煤とかそういうもんが一切ついてなかったもんで、それもまた神の奇跡だとかなんとか……俺は流石にそれはこじつけなんじゃないかと思ったりするんだが、あの時あの場所にいた消防士たちはみんな、口を揃えて『俺たちも神さまの奇跡ではないかと信じています』としか言いやしないんだからな」
だが、マリーの体も衣服もとても綺麗だったというのは確かだった。イーサンはユトレイシア市立病院でマリーの遺体と体面した時、誰かがマリーの顔などを綺麗にしたのだろうと思っていたほどだ。何分、相当取り乱していたため、イーサンにしても自信はない。だが、衣服にしても綺麗な状態のものが残り、それは驚いたことにはヴァチカンに聖遺物として引き取られていたほどだったのである。
「それが本当に神の奇跡だったかどうかなんて、俺は大して問題じゃない気がするな。実際に、マリーさん以外の人が彼女の尽力によって助かったっていう、そのことが大事なんであってさ……ネットで彼女が聖人であることに異を唱えるような連中は実際クズみたいなもんだ。ああいう手合いの連中ってのは結局、自分では何もしないくせにボランティアをする人間のことを偽善者と呼んだり、長期的に見た場合、アフリカの難民を助けるのは無駄だ、だから自分は寄付などしないとかいう、そんなどうしようもない奴らばかりなんじゃないか?」
「確かにな」と、イーサンも微かに笑った。「ロイヤルウッド時代に地理の教師が言ってたことを思いだすよな。何故アフリカの地図は国境が真っ直ぐなのかってやつ。あれは植民地時代にヨーロッパの国々が取り決めたもので、もともとアフリカに住んでいた各部族の人々っていうのは比較的友好的な関係を築いていたらしい。ところが、イギリスがある部族に肩入れすれば、フランスが別の部族に武器を供給し……なんてことをしてるうちにそうした元あった平和の均衡がブッ壊れちまったんだ。だから、アフリカで起きてる戦争なんかは放っておけばいい――なんていうふうには言えんわけだよな。特に元ヨーロッパ列強の諸国連中は特に」
「はーあ。まったくもってイーサン、おまえは一体なんなんだ?」
そう言ってルーディはポーカーをしていた手札をテーブルの上に投げだした。もはやハッタリをかます気力もない。
「飲み屋にいって可愛い子がもしいたら、哲学の話でもちょっとすればもう相手はイチコロだってのに……大して遊びもせず、毎日毎週マリーなんとかの講演をしたり、生活の何もかもがマリー・マリー・マリーだ。まあな、今やラリーだけでなくイーサンもユトレイシアの名士だから、変なスキャンダルなんか起こしたらマリー・ルイス財団の品格が下がるとか、そういうのはかわるがな。それにしても、しかし……」
「そりゃそうさ。ルーディみたいに豪放磊落な作家と違って、俺なんか、セックス・スキャンダルをひとつ起こしたが最後、知事を辞任するだけじゃなく、その後も一生その汚点がついてまわるんだ。性欲の強い赤毛猿とかなんとか、ネットでもいいだけのことを書かれるだろうしな」
ラリーは手札を引いて、ロイヤルストレートフラッシュが揃うと、笑みが浮かびそうになるのを堪えた。イーサンもまたスリーカードで勝負に出ようと思ったが、やはりやめておく。マリーのことを考えているうちに、何故だかすっかりルーディ同様気力が萎えてしまったのだ。
「なんだ、おまえら。俺が珍しく強いカードを持ってる時に限ってその態度は。せっかくのポーカーが面白くもなんともないじゃないか!」
「そうさ、ラリー。俺たちの青春時代はとっくに終わったんだ。大学時代と同じようにはもういかないさ」
客人たちに食事を提供するため、ルーディがそう言って立ち上がる。普段は不真面目な彼も、流石にマリー・ルイスのことを思うと良心が疼いた。これからは自分の妻のことを大切にして、そろそろいい年なんだから女遊びのほうは控えなければと一瞬考えてしまうほど。
このあとイーサンはルーディを手伝ってボンゴレスパゲッティを一緒に作った。ラリーは料理がまったく不得手なので、むしろ一切手伝いなどしてくれないほうが助かるというものだった。
「しっかしおまえ、料理までこんなにかんっっぺきに出来ちまうだなんて、頭おかしいんでねえの?つか、世の中間違ってる。容姿と才能と学歴と運動神経と、こんだけ揃ってる上に料理まで出来るとなったら、女が放っとかんわなあ、実際。俺がおまえなら今以上に絶対人生とち狂ってるぜ。それか、『悪いな。Dカップ以上の子は相手にしない主義なんだ』とか言って、フェミニストの女にある日ブッ刺されて死ぬかのどっちかだ」
テーブルの上にボンゴレスパゲッティが三人前と、ほうれん草のスープ、ツナのサラダなどが並ぶと、ルーディもラリーもイーサンの料理手腕の鮮やかさにいつもながら舌を巻いた。ここまで、三十分ほども時間がかかっていない。
「そりゃそうだろ。マリーが死んでから、毎日俺がココやミミの食事を作ってたんだからな。まあ、今じゃマクフィールド家の料理頭はランディだがな。あの美食家の元デブときたら、今じゃすっかり味にうるさくなっちまって……『イーサン兄ちゃんの料理も悪くはない』とか、こっちがカチンと来ることしか言わねえんだから。しかも、セブンゲート・クリスチャン・スクールに六年も通っちまっただろ。まあ、そう仕向けたのは確かに俺なんだが、たまーに俺が宗教に関して不謹慎なことを言ったりすると、ただの冗談だってのに『マリーおねえさんが悲しむ』だのなんだの、そんなことしか言いやしねえ。まったく、昔の小さい頃のあいつのほうが、俺にとってはよっぽど可愛いブタだったさ」
ここで、ラリーもルーディも遠慮なく大笑いする。
「確かになあ」と、ルーディ。「だがまあ、それでも兄貴に説教できるくらいしっかりした子に育ってよかったじゃないか。しかも、コックとしてメニューを提案してるレストランのチェーン店がどこも評判いいんだからな。あれだろ?おまえんとこで引き取ったメアリーと結婚してからは、夫婦ふたりしてそのチェーン店の味が一定以上の水準で提供されてるかどうか、ユトランド中を回って歩いてるんだろ?」
「俺もテレビで、あいつが従業員を叱ってるところを見たことがあるがな、昔あいつを叱ってた自分を見ているようで、あんまりいい気はしなかった。だがまあ、経営者ってのはあのくらいじゃなきゃいけないからな。何分、子供も生まれたばっかりだし、俺はただ、あいつにはこれからも健康でいて欲しいってだけだ。あとのことは兄貴の俺が心配しなきゃいけないようなことは何もない」
――メアリーは今年の一月、女児を出産してマリーと名づけた。実はこのことではロンと喧嘩になりそうになったようである。というのも、ロンも自分にもし子供が生まれてその子が女の子なら、マリー、男の子ならルイスと名づけたいということだったからである。
『じゃあ、おまえはルイーズに男の子を生ませてルイスってつけろよ。俺たちは男が生まれたらイーサンって名づけるってずっと前から決めてたんだから』
ロンはまだ生まれていない未来の子のため、これで妥協したようである。だが、ふたりは和解した際、次のように取り決めをしたらしい。自分たちの子供が結婚してさらに子をなした時、マクフィールド家の子には、必ずマリーかルイス、あるいはその両方の名前を受け継がせるということを……。
「ロンだって、しっかりした子に育ったじゃないか。俺もこれまでに五冊ほど、ロンには小説の挿絵を描いてもらってるからな。大体、こういう小さい時にした約束ってのは、叶わないことのほうが多いもんなんだが……ずっと夢だった漫画家になって結構な収入があるんだ。イーサン、おまえは一時期、そんなことより大学をきちんと卒業しろって言ってた気がするがな」
「そりゃ親としちゃそう言うのが当然だ。あいつが二浪してた時は、本当にこいつはこんなんで大丈夫なのかって毎日思ってたしな。ひとつかふたつレベルを下げて他の大学にしろって言っても、本人はユトレイシア大学じゃなきゃ嫌だって言って、二年も予備校に通ったんだ。それなのに、留年に留年を重ねてとうとう卒業できないだなんて、どういうこったって話だろ?同じ大学を卒業した兄貴としてはな」
ここでまた、ラリーがさも愉快そうに喉を鳴らして笑う。
「まあ、いいじゃないか。大学の雰囲気に馴染めないとか、友達が誰も出来なくて中退とか、そんなんじゃないだけでも……実際ロンの漫画は画力もあって面白いし、えっと、今つきあってる子が獣医なんだっけ?お互い忙しくて結婚してる暇がないっていうのも、長く彼女のいなかった俺にしたみたら羨ましい話だな。そのうち、ルイーズさんとの合作で、獣医が主人公の話も描きたいと思ってるんだろ?」
「らしいな。俺はロンが小さかった時にはあいつが漫画家になりたいなんて聞いても、将来はサラリーマンか何かになってるんじゃないかと思ってたがな。もちろん、あいつには親父の残してくれた結構な財産があるわけだが……まさか、兄妹の四人ともが親父の遺産に寄りかかるでもなく、こんなに立派に育つとは思ってもみなかった」
「そりゃイーサン、おまえの生き方が子供たち全員に反映されてるってことさ。あとはマリーさんのと」
ボンゴレスパゲッティを食べ、白ワインを飲むということを繰り返す途中でラリーが言った。
「もちろん、おまえがここまで立派な兄貴でもなく、何か親父の金を無駄に使って暮らしてるって感じでも、おまえは十分あの子たちに尊敬されたとは思う。だけど、正確には兄であっても、実質的におまえは父親みたいなもので、マリーさんはお母さんでさ。こんなに立派な背中を見て育ったら、親の財産に頼るのは卑しいことだと思ったり、それ以外のところでしっかりとアイデンティティを確立すべきだとか、そんなふうに考えるものなんだろうな」
「さて、どうだか」
イーサンはツナとトマトとレタスをフォークで刺すと、口許に運びながら肩を竦める。
「その上、ココちゃんは看護師だものなあ」と、感心したようにルーディ。「俺、看護師が事件の鍵を握るってな具合の医療小説を書いた時、色々アドバイスしてもらったんだよ。そしたら、手術室での先生方の様子はこんな感じだとか、看護師たち同僚の関係っていうのはこんな感じとか……ほんと、物凄く助かったよ。一度、手術室の中にも入れてもらったことで、大体の雰囲気も掴めたし」
「いや、あいつだってそのことを喜んでたからな。本が出版されて一年くらいした時、映画化されることに決まっただろ?そんで、看護師の役をルーディのカミさんがやることになって……本当はココも、そういうスポットライトの当たる仕事のほうが好きだったんだろうに、ココが看護師になるっていう道を選んだのは、マリーの死のことが関係してるのかと思うと……嬉しい反面、兄貴としては少し複雑だったりもしてな」
実際、ココに対してはイーサンは反省したことが多々ある。マリーがまだ生きていた頃、「もう少しおねえさんのことを手伝え」と言ったりしたことや、その後も長女として損な役割を押しつけてしまった向きがあったことなど……イーサンはそのことについてココに一度あやまったことがある。だがココは、ただひたすら涙にかき暮れるばかりだった。そんなことは全部、言われなくてもわかっていることばかりだというのだ。
「まあでも、ココちゃんが看護師になることを決めたのは、ネイサンのこともあるだろ」
ずずっとほうれん草のスープを飲んで、ルーディが言う。
「確かにな。十六の時からつきあいはじめて……看護師になって二年目に破局したわけだから、結構長い間つきあってたことになる。俺はネイサンが相手なら安心だと思ってたりしたんだが、あれだけの男だ。やっぱりモテるらしくてな。ネイサンが宿直の時には看護師の誰かしらが部屋に訪ねてくるんだと。そんなのは医療ドラマの中の話であって自分には関係ないとかなんとか、ネイサンも最初は言い訳してたらしいんだが……やっぱり、女同士の嫉妬とか、そんなこともあったんだろう。同僚のちょっと意地悪な感じの看護師がネイサンの浮気のことをココの耳に入れたらしい。で、まあココが仕方なしに問い詰めてみると、ネイサンのほうでも事実を認めたってことでな。最初はココも、あれだけ格好よくて医者のレジデントでもあった日には、それも無理はないと思って許すことにしたんだが……やっぱりな、ネイサンが宿直のたんびにそのことが頭をよぎったりとか、ネイサンのことを信じられなくなったことが別れた理由だっていうことだった」
「もったいないな」と、溜息を着いてラリー。
「どっちがだ?」と、すかさずルーディが聞く。
「どっちにとってもさ。もちろんネイサンはレジデントにしてあれだけ優秀な医者なんだし、女性にモテるのは当然だと思うし、誘惑に屈した気持ちもよくわかる。だけど、傍から見ていて本当に素敵なカップルだったからさ。ネイサンとココちゃんは……」
このあと、少しの間沈黙が落ちた。その間、三人の男たちは無言で食事を続け、食事が終わると恒例のDVD鑑賞会ということになった。あるいは、アメフトのシーズンであればアメフトを三人で見たり、あるいはバスケットやサッカーの贔屓チームを声を限りに応援する夜もある。
「今日は珍しく、おまえ好みのDVDを用意してやったよ」
「『フィガロの結婚』か。これ、ミミがスザンナの役をやってる奴じゃないか!」
ラリーは喜々として、そのオペラDVDのパッケージを眺めた。表にはフィガロ役のバスの色男が載っているだけだが、後ろにはスザンナ役のミミが可愛らしい衣装で映っている。
「イーサン、今夜はたまにこいつの趣味につきあってやろうぜ」
「だな。いつも、くだらんDVDばっかり俺たちの趣味でチョイスばっかしてるからな。たまにはラリーの高尚な趣味にもつきあってやるとするか」
とはいえ、この手の類のものはイーサンもルーディもいつも、ミミが出ているから見通すことが出来るようなもので、そうでなければ寝ていること必至だったかもしれない。それでも……アグネス院長に送ってもらって、マリーが賛美歌を歌う様子を初めて見た時、イーサンにしても鳥肌が立ったものだ。手紙のほうには一切言及がないが、イーサンはマリーは今のミミのように歌を歌うことこそ天職だったのではないかと思ったほどである。
以来、イーサンは以前はあまり興味のなかったその手のことにも随分興味を持ったものだ。もっともそれは、ミミの演じるオペラの役柄を理解するためだったり、あるいは『スターバト・マーテル』や『レクイエム』といったミサ曲について深く知るためでもあったが。
この日、イーサンは『フィガロの結婚』を見ている途中で、実は席を立ち、家のほうへ帰ることにしていた。内容が退屈だったとか、そうしたことではない。ただ、ほんの時折陥ることのある感傷になんの前触れもなく捉えられたことがその理由だった。
マリーが死んで数年が経つまではそんなふうになど、到底思えなかったイーサンだが、いまやイーサンはこうした感傷の訪れがあった時には心の隅で微かながら喜んでいることさえあった。やはり、亡くなって三、四年、あるいは五、六年というのならばともかく、二十年も経ってしまうと……ある部分、悲しみにも慣れてすっかり友達のようになってしまう。だが、それでもやはりイーサンは今も、何かの拍子に「マリーが今生きていたら」と考えない日は一日だってない。
そしてこの時も――ミミがソプラノのソリストとして初めて舞台に立った時と同じく、(マリーと一緒に連れ立ってこの舞台をもし見ていたとしたら)と思い、堪らない気持ちに襲われていたのだった。
タクシーで自宅へ戻るまでの道すがら、イーサンは不覚にも少しばかり泣いてしまった。ヴィクトリアパーク通りの自宅前でタクシーが停まると、「釣りはいい」といって五十ドル札を一枚渡す。
庭のほうがあちこちライトアップされているお陰で、屋敷内が暗闇に包まれていても、あまり暗くはない。イーサンは庭のライトに照らされているマリーの像に(ただいま)と心の中で挨拶すると、鍵を開けて中に入った。
ランディとロンとココとミミがまだ十代だった頃は――早く成長して自分に面倒をかけないようになって欲しいと思っていたにも関わらず、家族が家を出て誰もいなくなると、子育て中だった過去のことが色々と懐かしくなるのだからまったく不思議としか言いようがない。かつて昔、ネイサンが自分の義理の母がいる家庭を「墓場の家庭」と表現していたことがあったが、実際のところイーサンは今その「墓場の家庭」というものに生きていた。
朝はマリーが生きていた頃とまったく何も変えていないキッチンで料理し、新聞を読みながらダイニングで食事する。そして、昔そうだったように新聞で見えていないというだけで、マリーがその向こう側にいるという想像を彼はやめることが出来ない。マリーの部屋のほうは二十年前とほとんど同じくそのまま残してあったし、イーサンはかつて昔マリーが自分の部屋を掃除してくれたように、今は彼が彼女の部屋の掃除をし、テーブルに花を飾っておくのだ。
奇妙な話、いまやイーサンはこのマリーの<不在の存在感>があるために、あまり寂しくなかった。普通、どう考えても五階建てのこんなに部屋数のある屋敷で一人暮らしをしていたら……「ひとりでも寂しくない」と聞いても、そんなのはただの強がりであるようにしか聞こえなかったことだろう。だが、イーサンがあまり寂しくないというのは事実だった。というのも、朝起きると、もうすでに庭のほうには誰かしら人がいるのだ。特に春から秋にかけては、庭の手入れが好きな近所の御夫人がいて、花壇の世話をしていることが多い。冬は冬で、大雪どころか、ほんのちょっと雪が降ったというだけで、庭の隅から隅までを誰かが掃いてくれていたりする。イーサンがいつも起きるのは、七時くらいであることが多いが、いつ起きても庭が綺麗なため、誰が雪かきをしているのだろうと不思議に思い、あえて五時頃に起きた時のことだった。自分でもすっかり身仕舞いしてスコップを片手に外へでると、その老人は言ったものだった。「お宅さんが起きてきてからこれみよがしに雪かきしたっていうんじゃ、かえって迷惑じゃろうと思ってな」と。イーサンはこの時もちろん礼を述べ、彼とふたりで温かいお茶を飲んだ。
「わしは、夏場はずっとそこのヴィクトリアパークのベンチのところで夜は寝とったんじゃよ」
粗末な身なりをした七十くらいに見える老人は、真っ赤な鼻をすすって言った。
「昼間もな、そのままベンチのあたりにぼんやり座っておったもんじゃ。そしたら、マリーさんとあの可愛らしいお子さんが……」
「ミミのことですか?」
イーサンは言いながら、コーヒーを出すのと同時、彼にあざらしパンとラッコパンを出した。
「そうそう、そのミミちゃんがよく散歩に来ておった。子供っちゅうんは、ほんま、可愛らしいもんで、ホームレスの汚らしいおっさんだとかなんとか、そんなことは思わんで、『こんにちは!』だの『元気でしゅか?』だの、挨拶してくれる。ほんで、お母さんのマリーさんのほうでもな、わしがホームレスっちゅうのは身なりでわかっとるだろうに、隣に座ってくれてな。『ほら、ミミちゃん、そろそろお食事にしましょう』なんて言うて、そのお相伴に与っておった。そのうち、わしがいつも大体同じ場所におるもんで、ミミちゃんのいない時に身の上話をしたりとか、そういうことがあったんじゃよ」
「今は、どうされておられるので……?」
「生活保護を受けて暮らしておるよ」
彼――ベンジャミン・メイソンはその時だけ、一度下を向いて言った。
「前からな、たまーにそういうホームレスの見回りっちゅうのをしとるボランティアの人が来てな、生活保護受けたらどうかっていうようには言われとった。じゃがまあ、わしは働け働けせっつかれんは嫌やったし、ようするにそういう職場の人間関係っちゅうのが嫌になってホームレスになったわけよ。だから、わしはそんなのはええ言うとったんじゃが、まあ、何分わしも年なもんやから……マリーさんがな、一度、一緒に役所のほうに行ってくれるいうもんで、まあ、話聞くだけ聞きにいったんじゃ。そしたら、所持金見してください言われて、一ドルも持っとらんかったもんで、その場ですぐ生活保護のお金が出たんじゃよ。ほんで、マリーさんと一緒に住むとこ探したりとかして……その時、次の住居が決まるまでうちに来ませんかって言われたんじゃがな、流石にそこまで図々しいことはできんと思って、断ったんじゃ。ま、なんにしても安いアパートを契約してな、その後も時々マリーさんは来ておったよ。このあざらしパンとラッコパンを持ってな……」
――実をいうとメイソン氏は今、ラリーが新しく建てたホームレスのための施設の役員をしている。彼曰く、ホームレスの人々にただ住むところと金と働く場所を与えるだけでは、そうした施設は長続きしないということだった。彼自身経験のあることだったが、職場の人間関係などが嫌になってホームレスになったにも関わらず、やはりホームレス同士が多人数集まったら集まったで、また似たり寄ったりの問題が生じて、そこに適応できなかった人はやはりホームレスに逆戻りするのだという。しかも、今度はより絶望的で孤独な物思いを抱えることになるだろう、と。そうならないためのケアが必要だとの理念の下、役員たちはセーフティネットを形成していると言ってよかった。
「『一粒の麦は、落ちて死ななければ、それはただの一粒のままだが、もし死ねば豊かな実を結ぶようになる(ヨハネの福音書、第12章 24節)』……か。実際、おまえは大した女だよ、マリー」
イーサンはリビングでウィスキーを飲みながら、マントルピースの上の家族写真を見上げて言った。
「ランディもロンもココもミミも、真っ直ぐにいい人間に育った。俺ひとりの力では、絶対こうはいかなかっただろう。結局、おまえが死んだあともずっと見守り続けてくれたから、あいつらはみんないいように育ったんだ……」
いつもは平気なのに、それでもほんの時折、イーサンにもマリーのいないことが今更ながらにつらく感じられることがある。だが、そういう時、イーサンは何故かいつもマリーの夢を見た。マリーが死んでから何日かあとに見た、あの夢の続きだ。
イーサンは最初、草むらに横になって満天の星空を見上げている。だが、二度目にこの夢を見た時には、隣に目を転じてもマリーの姿がなく、慌てたイーサンはすぐに体を起こした。すると、マリーは自分を見下ろすように立っていて、目と目が合うとすぐに先のほうへ進んでいった。あたりは暗く、星明りしかなかったが、それだけで十分、ものの輪郭くらいは見分けられた。
イーサンはマリーを捕まえたかった。夢の中でまで彼女を見失いたくなかったのだ。すると、マリーは少し進んでいったところで足を止め、夜空を見上げていた。イーサンはようやくのことで彼女に追いつくと(大した距離を歩いたわけでもないのに、やたら体が重かった)、マリーの見ているのと同じ方角を眺めた。すると、そこには星の落ちる滝つぼのような場所があって……流れ星が次から次へと落ちていくのだった。
二度目にマリーの夢を見た時には、そこで終わりだった。だが、この二十年の間に――イーサンは三度目にこの夢を見た時にはマリーと手を繋ぐことが出来たし、その次には手を繋いだままふたりで星の流れる滝つぼのふもとを目指して歩いていくところだった。そして、五度目にこの夢の続きを見た時には、以前よりもほんの僅かに空の闇が薄くなっており、ここから先、暫く道は平坦なのだということがイーサンにもわかった。そしてマリーが『こんなのつまらないかしら?』というように、イーサンのことを振り返ったところで、イーサンは目を覚ましていた。
それから今に至るまで、イーサンはマリーの夢を見ていない。だが、イーサンはこの夢を通じて、おぼろげに死後の世界がわかってきたようなところがある。もちろん、敬虔なキリスト教徒だったマリーは今、イエス・キリストのお膝元の天国にいるのだろうとイーサンも信じている。だが、それとは別に――いわゆるキリストの<偏在>(どこにでもいるということ)と同じことで、まったく同じ時間にイーサンの夢の中にマリーが現れることも、ミミの夢の中に現れることもまったく不思議でないということなのだ。
そういう意味で、<イーサン向きの夢>として、マリーはそのような形で現われるのだろうと、イーサンは何かそんなふうに感じていた。
「おまえが俺にやるように残してくれたことはすべて、つまらないことなんかひとつとしてなかったよ」
イーサンはこの日、酒の力も手伝ってか、マリーのことを思って胸を熱くしながら眠った。すると、再びあの夢の続きを見た。流れ星の落ちてくる滝つぼのふもとに辿りつくと、そこでは湖の底が透けて見えていた。そして、ひとつ、またひとつと星が流れ落ちてくるごとに、美しい青い光でもって湖の湖面を照らすのだった。
夢の中で、マリーはいつも何もしゃべらない。だが、目と目が合っただけで、イーサンには彼女の考えていることがすべて読みとれた。マリーは眼差しだけでこう語っていた。『ここまで、ふたりでこうして来ることが出来てよかった』と……そして、ここでイーサンはまた夢から覚めたのだった。
>>続く。