3月4日にBSプレミアムで放映された『ヒューマニエンス』の録画を観た。「“皮膚” 0番目の脳」というタイトルで,感覚器官としての皮膚の役割が,専門家との対話をまじえて,解説されていた。
皮膚が触覚と温度感覚をつかさどっていることは知っていたが,そのほかに,視覚,聴覚,味覚,嗅覚の機能があり,しかもそこで感じた情報を脳に伝えずに,皮膚そのもので処理するという話は,初めて知った。
胎児はかなり早い段階から子宮壁に触ることで皮膚感覚を発達させ,それが脳の発達を促すそうだ。まさに脳に先駆けての情報処理で,第0の脳ということになる。耳を通しては感知できない超高周波の音を皮膚は「聴き取る」ことができ,自然の中にあるせせらぎの音や鳥のさえずりに含まれる高周波音で安らぎを感じている可能性がある。音楽を聴くときは肌の露出度を大きくした方がいいかもしれない。
このような多彩な皮膚の働きを考えると,ヒトが体毛を薄くすることによって,危険察知などの能力を発達させ,進化上有利になった可能性もあるのではなかろうか。かねてから疑問に思っていた,なぜヒトは裸になったのかという進化上の謎を解く鍵が見つかったような気がした。
皮膚は触られることによって,血流を増大させる一酸化窒素を放出し,さらに「幸せホルモン」といわれるオキシトシンを作る能力を持っているという。まさにスキンシップの効果であり,それを阻害している新型コロナには早く退散して欲しい。
羽花山人さんの洞察力に、感心し、その解説に、成程・・なるほど・・とうなずいています。知識が増えました。
「感謝」。