絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

構成力をつけるには

2016-04-22 | 美術
美大を出た人は、デッサン力は抜群にある。しかし、構成力は別という気がする。
構成力を持っていて、美大出の人なら、必ず良い絵が描けると思う。

現状は、この構成力のない人がとても多い。

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私は、どうやって構成力をつけたのだろうと考えてみた。
それは、高校の美術部の顧問を長年してきたことだろう。

私は、60名以上の美術部を担当していた。
例えば、県展制作がある。全員に違う絵を描かせなければならないので、
生徒たちに、必死になってテーマ探しをさせる。

そうすると、一人の生徒のテーマと構図が決まるまでに、少なくとも20枚はアイディアが出てくる。私はそれについて、全て評価を下す。
極端な例は、250枚描いた子がいた。一日5枚描くと言って、50日続けた。
これは、例外としても、結構たくさんの下絵を見ることになる。

部員が60名いたので、20×60で、1200枚を見るわけだ。
その一つ一つについて、良いとか悪いとか言う。生徒に納得させるために、どうしてダメかを説明する。自分としてのだめの理由付けをするわけだ。

県展だけで、これだけのことをする。一年間では、生徒たちが他の展覧会を含めて5~6枚は描くので、1200×5としても、6000枚である。

これが、私が構成力をつけることにつながったのだろうという気がする。

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この展覧会への取り組みは、ほとんどが具象絵画だが、私はデザインの指導もするので、様々なジャンルのアイディアのアドバイスもする。だから、現代絵画の構成力もつけることができた。

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ここで、結論は、

構成力をつけるには、たくさんの絵を見て、それについて構図について思うことを自分で書き出し、メモしていくことだろうと思う。
また、まず、自分の考えで作品を批評し(これは頭の中で)、専門家がどのように批評するかを聞いてみると良いと思う。

私がラッキーだったのは、ダメな例をたくさん批評したからだと思う。
また、途中経過での批評も自分の構成力をつけるのには、役立ったと思う。

初めに見せてもらったときに感じることと、描き進める途中で感じるものは、また違ったことが思いつくからである。

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たくさんの作品を見るには、展覧会に行くことである。
画集を見ることである。
しかし、すばらしい作品だけを見ていては、力がつかない。
ダメな絵をたくさん見ることである。

そして、なぜダメなのかをしっかり理由付けすることである。

今の私は、県展、県北展、麓原展など、様々な展覧会で審査をしている。
そのことも力をつけるのに役立っている。
なぜなら、なぜだめなのか、なぜ良いのかを説明する義務があるからである。

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今日は、これから本庄第一美術部の県展制作を見に行く。
批評会を頼まれたからだ。数十名の絵を批評する場が与えられた。
がんばってアドバイスをしたい。自分の勉強として。







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