すずきせいこの「日々雑感」

政治や暮らし、孫のことから平和・原発問題まで“本音でしなやかに”・・・

「はだしのゲン」の閲覧禁止と地域情報誌「ささら」

2013年08月20日 | 本・雑誌・映画

漫画家の故中沢啓治さんが自らの被爆体験を基に描いた漫画「はだしのゲン」が「描写が過激だ」として、松江市教育委員会が自由に閲覧できない措置を全小中学校49校に要請していたという。このことを知ったのは3日程前のネット上で、市教委は昨年12月に学校長の許可なく児童生徒への貸し出し禁止を求めたもので全校が応じていたという驚くべきことです。


「はだしのゲン」は1973年に連載が始まり、87年に第1部が完結。原爆被害を伝える作品として教育現場で広く活用され、世界約20カ国語に翻訳されており、出版の汐文社ではこのようなケースは初めてということです。
松江市では昨年8月、市民の一部から「間違った歴史認識を植え付ける」として学校図書室から撤去を求める陳情が市議会に出され、同12月に不採択となっています。その後、市教育委員会が内容を改めて確認し、このような対応となったようです。
市議会で不採択としたことは評価できるものの、一部の市民からの「間違った歴史認識・・・」とする偏った意見に対応の何とも情けない教育委員会ではないでしょうか。

そんなことで昨夜のTV朝日「報道ステーション」ではこの「はだしのゲン」閲覧禁止問題を取り上げていました。松江市内6年生の児童が「こんなよい本が読めないとは残念です」と話していましたがその通り・・・。戦争を美化する風潮が強くなる中で今、戦争とはどういうことなのかと子どもたちにしっかりと伝えていかねばと思います。


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ところで最近、能生谷の郷の茶店「えほん」へはすっかりご無沙汰ですが、昨日オーナーから「ささら」8月号が送られてきました。「ささら」はNPOくびき野サポートセンター発行の地域活動の情報誌で、地域の魅力的なことが満載の月刊誌(無料)です。

8月号はオーナーの小林マツ子さんの寄稿「母が教えてくれた“もてなしのこころ”」が掲載され、栃木県生まれの小林さんはお母さん直伝のメニューなどを心温かく綴っていました。

「はだしのゲン」に限らずあらゆる書籍が閲覧禁止になってゆく社会と、表現の自由をめぐり言論や出版に規定を加えようとする自民党「憲法改正草案」・・・、危うい時代に進んでいることを感じてしまうこの頃です。


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写真は黒メダカがいる水瓶の布袋草(ホテイアオイ)の花。