すずきせいこの「日々雑感」

政治や暮らし、孫のことから平和・原発問題まで“本音でしなやかに”・・・

新鮮な「正信偈」と心洗われる一日

2014年11月01日 | 日々思うこと

今年も残り2ヶ月となった11月の初め、土曜日は親戚の33回忌の法要に出かけました。昨年の左足骨折もあって正座が苦手になり、お経が長くなることを想定してある物を持参です。ところが驚いたことに座敷の畳の上には来客分の椅子が配置されており、何でもお寺から借用したとのことで正座をすることなく一安心です。浄土真宗のご住職が読み上げるお経は正しくはお経ではなく、親鸞聖人が書かれた七文字を一句とした「正信偈」(しょうしんげ)と言われるもので、事前に配布された冊子を見ながらご住職に合わせての約1時間半でした。

終わりにご住職は「正信偈」のその一部を語られました。それは「無明」(むみょう)と「貪愛 瞋憎」(とんない しんぞう)という言葉で、先ず「貪愛」とは「貪欲」(とんよく)とも言われ、しがみつく愛着・欲望で、しがみつくべきでないものにしがみついてしまい、それは無知によって起こる心の動きということです。次に「瞋憎」は怒り憎む心で、自分の思い通りにならないときに起こり、これも無知によって起こるということです。最後に「無明」という言葉を語られ、これは真実に暗く、真実を知見〈ちけん〉する智慧〈ちえ〉の明るさが欠けている状態で根元的な無知ということだそうです。悪いことを悪いと思っている人と悪いとも思わず行っている人の例を挙げ、悪いことと思っていない人は反省もなく、また同じことを繰り返すと・・・、ここで私は安倍首相のことを重ねました。

そんなことで我が家とは宗派が違うことで、「正信偈」の初めて聴く“解説”に新鮮さを感じ心洗われるひと時でした。その後は会場を移してのお斎おとき)で、33回忌というおめでたきことで親戚同士のそのルーツを和気あいあいと語りました。また若きご住職とは「9条の会」などでもご一緒で、私は「無明」という言葉と安倍首相を重ねたことを伝えると、戦争への道へ進もうとしていることに危惧し、我々もしっかりとやっていかなければと、嬉しい言葉が返ってきました。

 

3時頃にお斎を終えて急いで着替えてから、能生生涯学習センターでの作品展へと車を走らせました。「えほん」での陶芸教室の一年間の作品の陳列で、お仲間数人が集まりました。飾りつけを済ませホッと一息・・・、同じ部屋の短歌グループの短冊の中に、故村山常雄さんの妻カズさんの一句がありました。

「オリオンは望郷の星を病む夫の まどろみて言うシベリアを言う」

また、相馬御風創刊「木かげ」の冊子がたくさん置かれて、ご自由にどうぞとあったので何冊かをいただき、御風さんの流れをくむ短歌「木かげ」の輪が全国各地に広がっていることが伝わってきました。そして「無明」政権の中で、「平和を守れ」と言われた村山常雄さんや、親鸞さんが残された数々の言葉を思いながら心洗われる一日でした。