すずきせいこの「日々雑感」

政治や暮らし、孫のことから平和・原発問題まで“本音でしなやかに”・・・

宮中の敷居を踏む首相と消極的な核廃絶への道

2019年10月26日 | 日々思うこと

台風19号による被災地の復旧もままならない中で、またしても昨日は大雨が被災地を襲い犠牲者も出ています。今回は台風ではないものの千葉や福島などでは半日で10月一ヶ月の降雨量というから、どこまで踏みつけられるのかとその異常さに驚くばかりです。

踏みつけるといえば22日の即位の礼正殿の儀で、万歳をするアベ首相が敷居を踏んでいる映像に後から気づき驚きました。お茶席でもたたみの縁を踏まないことは作法ですが、敷居となると茶席でなくとも常識ではないのかと受け止めています。

坂東眞理子さんの『礼儀作法としきたり』でも、敷居を踏むのは「その家の主人の頭を踏みつけること」「親の顔を踏むのと同じ」などといわれ、敷居を踏まないことは昔からの作法とされています。そういえば私も幼い頃、敷居を踏んで親に叱られたことを思い出しました。

ところで昨日、国連の軍縮問題を扱う委員会へ日本政府は1994年以来連続で核廃絶に向けた決議案を提出していますが、核兵器使用の結末に対する「深い懸念」などの文言が含まれていないことが分かりました。

日本が提出した決議案の中で、これまで記載されてきた「核兵器の使用の非人道的な結末に対する深い懸念」という文言が用いられておらず、さらに今年も「核兵器禁止条約」には触れていません。

日本政府関係者は、「来年のNPT=核拡散防止条約再検討会議を前に、核保有国と非保有国との間のかけ橋を目指し、現実的なアプローチをした」と説明していますが、核軍縮に対する日本政府の消極的な姿勢に世界で唯一の被爆国としてこれでよいのかと首を傾げるばかりです。決議案は11月上旬に採決にかけられる見通しです。

宮中の敷居を踏みながら万歳をするアベ首相、日本人なのに日本の習慣を知ってか知らずか、その姿を見るにつけ広島長崎の被爆者の心を平気で踏みつけ核軍縮に消極的な姿勢とを重ねながら、憤りを通り越して悲しくなってしまう終日です。