拈華微笑 ネンゲ・ミショウ

我が琴線に触れる 森羅万象を
写・文で日記す。

  在瑞三十周年の日

2021年07月18日 | 還暦録

  スイスに住んで今日で30年の歳月が過ぎた。

  『アッ!』・・・といういう間だったような。

  今になって思うのは、自分はスイスに住んでいるというより、日本の外に住むことで『日本』をより客観的に眺め、自己についてもそれまでの一切の

  シガラミを断った環境に自分を置いて、あらためて『禅と修行』について反芻する時間を十分に持つことが出来たこの三十年ではなかったか・・・という感想。

  私はスイスやヨーロッパに興味を持って、こちらに来た…というわけではなかったと思う。

  興味があったのは、『自分と禅』であり、『禅と外日本との関係』のことであった。当時はそうハッキリと意識していなかったが、

  つまるところはそうであったのだ。

  フランス語の『仏語』より、禅が示すところの『仏語』の方が私にとってより重要で意味あった。

  フランス語圏のヨーロッパに30年も住んで、フランス語より漢字により教養が深まった・・・という東洋人は珍しいだろう。

        

  この写真は定年退職した翌年の夏、大好きな近所の公園を7周する私を待っていた女性カメラマンが撮ってくれた私の肖像画。

  その女性は『Humas of My Lausanne』という地元ローザンヌに住む人々をテーマにSNSを利用した媒体で写真とインタビューをもとに

  その人物について紹介するというもの。公園を走っている時、カメラを持った女性が私に声をかけてきて、主旨を説明した上でインタビューを始めた。

  ちょうど私は定年退職してスイスに来た頃の初心に還って、自分の禅とこの土地での関わりについて模索していた時であったので、そういったことを

  話したと思うが、後で彼女がまとめた文章(英、仏)を観ると、そのタイトルは『Mr.Zen』であった。(冷汗)



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