逝きし世の面影

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日本の金融危機の真の教訓(メモ)

2009年05月25日 | 経済

『日本の「新芽」は誤解のもと 日本の真の教訓は』フィナンシャル・タイム2009年4月26日社説

「新芽」を探し求めている人にとって、日本というのは実に教訓だらけの国だ。
「失われた10年」の間に日本は少なくとも2回も、「回復」の兆しをかいま見せておきながら、その「新芽」は結局のところ育たなかった。
1990年初めのバブル崩壊に端を発する危機を日本経済はまだ克服できていなかったというのが現実で、日本はその現実を乗り越えられなかったのだ。

バブル崩壊から20年もたった。2002年から2008年にかけて続いた経済成長によって豊かな緑が生い茂ったかと思いきや、それも結局は立ち枯れてしまい、今は何も残っていない。
今回の危機は米国発だが、その余波のせいで日本の成長率は約6%もマイナスになりそうだ。

日本の成長がいきなり拡大したのは政府の政策のおかげだと、多くの人が小泉純一郎元首相の「改革なくして成長なし」というスローガンを鵜呑みにして、そして判断を誤った。
小泉氏は本当なら「外需なくして成長なし」と言うべきだったのだ。
小泉政権時代の日本の成長はほとんど全てが、米国や中国をはじめとする諸外国からの需要頼みだったのだから。
その外需は今や激減しており、経済成長の期待も一緒になって墜落している。
先週公表された統計によると、日本の2008年度の貿易収支は約30年で初めての赤字に転落。
輸出も生産も資本支出も冷え込んでしまったのだ。

輸出の落ち込みは持ち直しつつあるという兆候もある。
日本企業が俊敏に動いたおかげで、需要が減るよりも早く在庫が調整され、ささやかな生産回復の環境が整った。
つまりまたしても例の「新芽」が出てきたというわけだ。

しかし日本経済全体が回復する前に、ほかの部分で経済は悪化するだろう。
たとえばみずほフィナンシャルグループは先週、日本のほかの多くの銀行と同様に、期待されていた利益が実は巨額損益になってしまったと発表(みずほの場合、最終損益は約60億ドル)。
欧米の金融機関を次々と葬った不良資産問題の影響から、日本の金融機関はかなり守られていたのだが、実体経済悪化の影響がいよいよ追いついてきてしまった。
融資は回収できなくなり、株価は下落し、自己資本比率は低下してしまったのだ。

日銀の白川方明総裁はニューヨークで先週、金融と実体経済の負の相互作用が強く働いており、そこからひどい悪循環が起きる危険があると警告した。
そのひどい急降下から日本が脱出できたのは主に、旺盛な外需のおかげだったし、外需によって企業活動が大幅に改善したおかげで日本の金融システムは立ち直ることができた。
一方で欧米にはそうした外需のような刺激剤がない。
まさにそれが、欧米にとっての問題なのだ。今月の「フォーリン・アフェアーズ」でロバート・マドセンが指摘するように、「ほかの惑星に輸出して好景気を作り出すわけにはいかないのだ」。
欧米は輸出に頼ることなく、自力で回復しなくてはならない。それこそが、日本の金融危機の真の教訓だ。






『森、小泉政権の亜流が続く日本』

米の保守系経済紙フィナンシャル・タイムは、ネオコンとも関係が深いが、その保守紙にまで、
『「改革なくして成長なし」というスローガンを鵜呑みにして、そして判断を誤った。』と、批判されている小泉純一郎元首相と日本経済。
元々国家の財政再建(金融改革等)は、近代経済学(ケインズ学説)でも経済成長を阻害する要因である事は自明の理である。
小泉流改革と経済成長は(短期的には)全く関係なく、(長期的には)元々相反するのである。
本当は『小泉改革と経済成長は関係なし』が正解だった。
小泉純一郎元首相の『改革なくして成長なし』というスローガンは大嘘で、実体は『海外の好景気による単なる外需頼み』だった。
其の為に、今日のように世界が不況になれば(震源地のアメリカ以上に)世界で一番、日本経済が悪化してしまったのは、ある意味で小泉改革の当然の結果であった。
しかし、それでは何故この様な『必ず自国経済を悪化させる政策』を長年にわたって自民党政権は取り続けた来たのだろうか。?との疑問が当然湧いてくる。
今の悲惨な結果を分っていて、行っていたのだろうか。?
それとも何も知らなくて、自分では『良くしよう』と思って行っていたのだろうか。?
どちらにしても実に不思議な話だ。

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