2001年9月11日、噴煙をあげながら崩れ落ちるWTCビルの映像を見て、多くのチリ人たちが、それを28年前のモネーダ宮殿の姿に重ね合わせたと言う。
1973年9月11日は、アメリカCIAに支援されたピノチェト将軍率いる軍事クーデターで選挙で選ばれたアジェンデ左翼政権が崩壊する。
空軍機の爆撃を受けて炎上する大統領官邸(モネーダ宮殿)からアジェンデ大統領は最後のラジオ演説を行った直後に殺害される。
その時以来、チリでの「9・11」は、クーデタで行方知れずになった息子や恋人を思い起こす日であり、命を落とした人々を追悼する日となっている。
チリの『9・11事件』ではその後16年間の過酷な軍政の弾圧により9月11日の時よりも多くの尊い命が失われている。
『世界中の無数の9・11』
2001年に数々のテロ事件を行っていた米国自身で発生した同時多発テロは「9.11」の呼び名で長く人類史に記憶されていくことになりそうだが、1973年のチリのクーデターもまた9月11日で、新旧の「9.11」は、日付はおろか曜日が火曜日であることまで完全に符合する。
惨劇の起こった時間までもが符号する。
アメリカ国内の9・11事件は、事件そのものの悲劇性よりも事件後に起こった惨劇(戦争)の方が遥かに悲劇的で被害も大きいことを考えれば、新旧の「9.11」が単なる日付の符合以上のものであることを知るだろう。
どちらも国内に其れまであった民主主義的な政治システムを圧殺するクーデターだった。
多分、日付や曜日だけではなく事件を引き起こした犯人までもが符合する可能性が有る。
そして2001年の「9.11」と重ね合わせられることで、1973年の「9.11」は時空を越えて現代に甦った。
私たちはもう一度客観的に「時間」と「距離」による違い超え、9・11の意味を考える必要が有る。
この「もうひとつ9.11」の存在により、2001年の出来事はけっして一回かぎりのことではなく、繰り返された悲劇にほかならないことを、わたしたちはよりよく理解出来る。
そしてさらに、じつは世界には「無数の9.11」と呼ぶべきものが存在していることも、リアリティをもって理解する事が出来る。
『新自由主義が荒れ狂った中南米』
チリの9・11でピノチェトがクーデターアジェンデを殺してからグローバリゼーションの実験が始まり、サッチャーのイギリス、レーガンのアメリカ、で事態は進行し、ミルトン・フリードマンらのシカゴ学派による経済学理論が相まって、一気に加速し、現在の新自由主義万能、市場至上主義に到る。
アメリカの9・11だけでなくチリの・11も日本の政治や経済に甚大で深刻な傷跡を残している。否、残しつつある。
『アジェンデ大統領、最後のラジオ演説』
歴史の転換点にあって、私は人々の信頼に対し自分の命を捧げる。
何万ものチリ人の胸に我々が蒔いた種は、必ずや芽吹くことだろう。
敵の力は強大であり、我々を屈服させるだろう。
しかし、社会の歩みを、犯罪や暴力で押し留めることはできない。
歴史は我々のものであり、歴史は民衆が作るものである。
市民は自分自身を守らなければならない、しかし自分自身を犠牲にしてはいけない。
市民は圧殺されても、迫害されてもいけない。
しかし卑屈であってもいけない。
私はチリを、チリの運命を信じている。
やがて大道が開かれ、自由になった人々が、よりよき社会の建設を目指して歩む日が来るだろう。
チリ万歳!市民万歳!労働者万歳!以上が私の最後の言葉です。
(1973.9.11 9:10AM 炎上するサンティアゴ・モネーダ宮より)
『9・11から35年目の9月11日』
南米チリのアジェンデ社会主義政権が1973年に米中央情報局(CIA)の支援を受けた軍のクーデターで倒されてから35年となった2008年9月11日、アジェンデ大統領が死亡した大統領宮殿の執務室が修復され、公開された。
執務室は当時と同じように家具などが置かれ、同氏の肖像画が飾られた。
クーデターを起こした故ピノチェト元大統領の軍事独裁政権下で、自らも拷問を受けた経験を持つバチェレ大統領は式典で「自由を信じない者たちの腹黒さに抵抗することを決めたアジェンデ氏らが残した教訓を学んで欲しい」と訴えた。
チリの9・11
『サンチャゴに降る雨 』 大石 直紀 (著) (光文社文庫)
『戒厳令の夜 』 五木 寛之 (著)
『戒厳令下チリ潜入記 ― ある映画監督の冒険 ―』G.ガルシア=マルケス著/後藤政子訳
『禁じられた歌―ビクトル・ハラはなぜ死んだか 』 八木 啓代 (著)
素晴らしいですね。
永く歴史に残るに違いない、素晴らしい演説ですね。
詩のようにも感じられました。
目を覆うばかりの人権侵害は有ったが、確かに新自由主義で経済は上向いた。
しかしその恩恵を享受できたのは一握りの人だけだった。それ以外の人は新自由主義の痛みだけを味合わされる。
しかも経済が上向いたのは最初の頃だけで、だんだん痛みや弊害ばかりが目立ってくる。
日本の今の問題点が、10年以上早く新自由主義が導入されていた中南米諸国では矢張り10年早く起こっていた。
今の中南米はアフガンソックリの麻薬大国のコロンビアなどの特殊な少しの国を除いて、チリを含め主だった全ての国が新自由主義を捨て去って社会主義的な左翼政権に入れ変わっている。
アジェンデは殺されたが、アジェンデの残した言葉は現実となりました。
アジェンデ最後の言葉は今でも生きています。
明けない闇夜は有りません。今の日本の右傾化と経済的な停滞も、私はそれほど心配していません。
どちらも20年前に日本に新自由主義が導入された結果です。
原因がわかり結果が判れば、あとは解決するだけです。
日本人が新しいと勘違いした小泉改革なんかは、中年米で三十年以上前に導入され、十年以上も前に失敗が確認された古臭い手法です。
今の日本政府までもが、企業がこぞって導入した新自由主義の『成果主義』が成果をあげるどころか逆に職場の人間関係を壊し、生産性を引き下げる結果しかない事を認めている。
今の日本の新自由主義とは強者も弱者もこぞってセーフティネット無しに空中で曲芸をやらせるようなもので、成功者は少数で大多数は失敗するように出来ている。
もともと新自由主義は、少数の富める者や強者には優しく、其の他大多数の弱者や貧しいものには過酷で残酷だ。
中南米であれ日本であれ、誰がやっても失敗するものは失敗する。
護憲左派ブログ界の恥部『水騒動』を引き起こした解放同盟の名指ししてから連中の嫌がらせが頻発していた。
NHKのムペンバ効果をインチキと告発してからは2ちゃんねるの携帯中毒の若者も加わり忙しい忙しい。
面白いものは削除せず保管していますが、未だに解同のkoji氏が偽名で低級な嫌がらせコメントを送ってくる。
ですので、良好なブログ環境維持の為にタイトル名も名前も無いものや表示されていても通りすがり等個人が特定されていないもの、不真面目と看做したものはブログ主の独断で削除しています。
農婦さん。お手数でしょうが、タイトルの記入には何卒協力のほどを宜しく御願い致します。
元祖刺客で5党を渡り歩いた政界渡り鳥の小池百合子を小泉純一郎が支持しているらしいですよ。
小泉らしいですね。
まあしかし、今度の自民党総裁選挙では麻生を除く外の4人の目的は総裁選挙での当選ではなく、目の前にある総選挙での自分の当選らしい。
麻生以外が全部危ないらしい。
それで必死になっている。
見かけだけで中身が無いアホの石原の子倅は、5人揃った街頭演説で思わず『このたび衆議院選挙に立候補した石原 伸晃です』と演説して失笑をかっていた。
何代も続く世襲議員のお粗末さ。粗雑なコピー商品は駄目ですね。