以前、とーちゃんから「お弁当とかのブログが人気が高いみたいだよ」って言われました。「あ、そう。ふう~ん」と素っ気ない私。別に人気を呼びたいわけじゃないし、これは仕事でもないし。それに、私は「お弁当」が好きじゃないんです。遙か昔、私が20歳くらいの頃まだ実家に住んでいて、仕事に行くのに母にお弁当を頼んでいました。私の母はもの静かで優しい人なのですが、たまに妙なことでキレてました。お弁当も持って行くときはいいのですが、空になってかさばるお弁当箱を持って帰るのが面倒で、数日たまってから家に持って帰っていたんです。母はそれが気にくわなかったみたいで、言えばいいのに黙ってて、お弁当の中身で反撃されました。ある日、お昼のお弁当のフタをあけて絶句。白いご飯の上に鯵の開きが一匹、ド~ンとあるだけ。ネコじゃないんだから。隣に座っていた同僚の子にも絶句されました。また数日後、今度は白いご飯の横になにやら緑色の粒。なにかと思ったらサヤから出された枝豆、他におかずはなし。隣の子が見る前にフタを閉めて「おかずが入った方を忘れたみたい」とごまかしました。さらに数日後、枝豆ではなく今度は、白いご飯にケチャップだけのスパゲティ。「オイオイ、炭水化物だけじゃん」。もう、これは言わないとダメだと思い母に文句。鯵の開きの言い訳は「シャケが売り切れだった」。枝豆だけの言い訳は「サヤからだすの大変だったんだからね」。具のないナポリタンの言い訳は「白とオレンジできれいじゃないの」だと。怒る気にもなれず「もうお弁当はいいよ」と言ったら、嬉しそうに「あら、いいの。あなたはお弁当箱を持って帰ってこなんだもの。それに、朝お弁当を作るのは面倒だったのよね」と言われました。以来、お弁当と聞くと昔を思い出し急に食欲がなくなります。今、80歳でピンシャンしている母に、こんなことあったよねと話したら「覚えてない」ととどめをさされました。中身が見えるお弁当も、高価なお弁当も私は好きじゃありません。