風極の岬 えりも 法光寺住職の「善き人々に出逢う旅」

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遺偈を書く~禅僧の正月行事

2016-01-05 20:42:18 | 日記
   5日も穏やかな日が続いている正月です。
   不気味な位良い天気です。
   しかし、そのような日でも、哀しい訃報が続きます。
   拙寺の世話役さん、地元の名士も今朝往生されました。

   昨日紹介した、一休禅師の原文はこうです。
  「門松は冥土の旅の一里塚
      めでたくもあり めでたくもなし」

   西洋風に言えば、「メメントモリ」(死を想え)
      <元旦も一年のうちの一日に過ぎぬ>です。

禅僧は二日書初めの日に、遺言の偈を書くのが常です。
 毎年、その歳にあわせて、己の境涯を認めるのです。
(最近は横着して、年齢のみを替えるだけですが~)
ゆっくりと墨をすり、いつお迎えがきても良いように。
(還暦を過ぎると、本当にそんな気持ちになります)
拙僧の偈は、まだ公表は出来ません。
(弟子が直すかも知れません~)
いずれにしましても、「いま この時」を
        「限りなく十全に生きよ」
それが『而今』という意味です。
古い歌にこうあります。
   「世の中に今という時はなかりけり
    まという時 いの時は去る」

大正生まれの気骨のあった世話役様に合掌を捧げます。黙礼

(ばっだばら菩薩様です)