風極の岬 えりも 法光寺住職の「善き人々に出逢う旅」

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花畑牧場を散策~北野武美術館を発見しました

2015-10-12 19:38:05 | 日記

10月11日 夕刻
閉店間際の、十勝花畑牧場に立ち寄りました。
言わずと知れたタレント田中義武さんが社長のスポットです。
昔行った頃は、社長さん自らが、馬に乗ってサービスしてたっけ~
あれから?年。すっかり有名になった観光名所です。



御案内したK老師にお土産を調達。
急いで写真を撮り、ついでにトイレタイムも。




さて、引き上げようとすると、見慣れぬ看板がありました。
「北野武美術館}? たしかここは、「ホエー豚亭」だったはずです。
しかし、たしかに美術館と書いてあります。

そこでようやく思いだしました。
この春、ビート武さんの絵を展示するとの、ネット告示があったような~
この建物は元々昭和初期に馬小屋として使っていたもの。
すでに閉館していましたが、中を除くと、何やら音楽が聴こえます。
やっぱり美術館なのだと、合点しました。



武さんと花畑牧場のつながりは2010年からだそうです。
元付き人のゾマホンさんが母国に建てた「たけし日本語学校」。
それを応援した武さんが、ペナン国の農業改革への協力を、田中社長にお願いします。
そして社長は、同国の学校を優秀な成績で卒業した2人の研修生を受け入れるのです。
豚や乳牛の飼育を学習した、2人は、指導者として現在活躍中です。

この次は、「武さんの絵を味わいに伺いたい」と、思いました。

双つの龍に出逢う~小泉淳作美術館を訪れて

2015-10-11 20:50:44 | 日記

10月10日 北海道は晴天
十勝晴れといわれる絶好のドライブ日和。
秋田から布教に来ていらっしゃるK老師を案内し、中札内美術村を訪問しました。
十勝の銘菓「六花亭」が、林の中に数棟の美術館を建て、多くの観光客が訪れている場所です。


素晴らしいロケーションの中で、とりわけ光を放っているのが、小泉淳作美術館。
拙僧の大好きな画家です。
政治家小泉策太郎の七男である淳作画伯は、山本丘人氏に師事し、東京芸術大学日本画科を1952年に卒業。
その後デザイナーや陶芸家として活動をされましたが、日本画家として花開いたのは1970年代です。
その才能に早くから注目し、密かに作品を買い集め、後援していたのが「六花亭」の社長さんでした。


広大な敷地を上手に使い、林の中に美術館やレストランを点在させている贅沢な空間。
初秋の風景の中で、ひと際落ち着くのが、この個人美術館です。

代表作である山の絵や、数種の野菜、牡丹の絵群。
最奥でにらみを利かせているのが、晩年の代表作、臨済宗建仁寺の天井に描かれた双龍の下図です。
閉館間際なので、特別にお願いして写真を撮ることができました。


2000年に建長寺の「曇龍図」を完成された次の年。
一つの龍はあちこちで描かれていると考えた画伯は、「双龍図」にとりかかります。
二つの龍が向き合っている、めづらしい絵柄です。
(中札内の元小学校の体育館で、これらの絵が完成されました)

こちらに伺う度に拙僧は、二つの龍の意味を考えます。
 ライバル同士がにらみあっている姿~切磋琢磨の象徴?
 おのれの中に眠るふたつの龍の可能性~真龍を目指せということか?
 自己の中にある二つの葛藤~真の自己をどうやって目覚めさせるか?
様々に楽しんで、考えます。
そして、画伯のお言葉を想いだすのです。
「美というのは、汚さや色々なものを含んでいる。
 心の奥に響くもの、それが本当の芸術。
 涙とともにパンをかじる中から、でてくるもの」

不遇の時代が長かったからこそのお言葉であると、胸をうちます。

えりものお年寄りは元気!~老人クラブに伺いました

2015-10-09 20:41:19 | 日記

10月9日 午前10時
えりも町福祉センターで行われた、本町老人クラブ。
例会に伺い1時間のお話をつとめました。



本日お集まり頂いたのは、男女合わせて約30名。
どなたも、こなたも、お元気です。
勿論、気になる病や、身体の痛みを殆どの方が抱えていらっしゃいます。
でも、こうして毎月例会に参加し、お話に頷いて下さる気力があります。
えりもの潮風に鍛えられた、人生の先達たちなのです。



お話の中心は、(幾つになっても)「身体と心を調えることが大事」ということ。
姿勢を調えて、呼吸を調えると、自然に心も調ってまいります。
そのためには、お腹にできるだけ力をいれて、ゆっくりと呼吸をしましょう。
まず吐き出すことが、肝要です。悪い空気を、思い切り、吐き出して下さい。
そのあとに、御自分の出来得る限りに、ゆっくりと、息を吸い込みましょう。
(呼吸を調えることを禅では、調息と申します)
「長い息」は、「長生き」に通じます。
若い人に、腹が立ったりイライラしそうになった時は、ゆっくりの呼吸です。
是非お試しをお願いします。~雑駁ですが、こんな感じです。


身体と心は一如(いちにょ)です。これを「身心一如」と申します。他の人のことも同じようにとらえて頂き「自他一如」の境地を感ずる事が出来れば、素晴らしい人生ですね。


長生きの秘訣~アメリカ西海岸でお逢いしたお年寄りの皆様

2015-10-08 20:05:44 | 日記

明日10月9日 
えりも町本町老人クラブで1時間の講話をします。
演題を「身体と心を調える」と致します。

仏法では「身心一如」といいます。
身体と心は一つという意味です。
まったく同じではないが、別のものでもありません。
「心も風邪をひきます」
身体を調えると、心も次第に調ってまいります。


老人クラブに出席される皆さんは、実にお元気です。
先年、アメリカでお逢いした日系の方々も実に元気でした。
(西海岸のお寺や禅堂で二週間の間講演をつとめました)
写真は、その時一緒に行われた敬老会です。



この時お話したのは、
「呼吸を(各自に合わせ)ゆっくりとすること」
思い切り吐き出してから、ゆっくり吸い込む法です。
坐禅の呼吸の仕方です。
姿勢を調え、丹田に力を入れ、呼吸します。
身体の中の悪いものを出し切り、新鮮な空気を吸い込みます。
腹が立ったときも、一呼吸をゆっくりと意識します。(すると心が落ち着きます)
「長い息は長生きに通じる」と、お話しました。

百歳近くのお二人

長い間坐禅に励んできた女性と

明日は、この時の出逢いもお話致しましょう。

続~布施行について=滝川のお寺で訴えたこと

2015-10-07 20:07:29 | 日記
10月6日の午前と午後、滝川のお寺の本堂は、活気がありました。
中年、初老、老齢?、年齢不詳の女性群~
常に増してノートをとる方も多く、熱心な教場でした。

写真は昨年完成したという、立派な会館の外観と、床の間です。





さて、布施について、もう少し敷衍してみます。

一般的には、僧侶に法礼として差し出すものと、理解されていましょう。
しかし、布施には様々な意味があります。

1、「財施」=物や金銭等を、困窮されている方に、差し伸べる
2、「法施」=教えを施す。
  (僧は信者から財施を頂戴する。そして信者に法施を伝える)
3、「無畏施」(むいせ)=安心を与えること


その他にも、何も持たない方が、布施をする「無財の七施」
 (席を譲る、泊まる場所を提供する等等
)という分類もあります。

道元禅師様は、独自のお言葉で布施を示していらっしゃいます。

「一句一偈の法をも布施すべし」
 ~たとい一句一偈であっても、その方のためになると思えば布施すべきです。
「布施というは不貪(ふとん)なり」
 ~布施とは、貪らないことです。貪らないということは(世に言う)へつらわないことです。
「一銭一草の財(たから)をも布施すべし」
 ~金額の多いことや、量が多い少ないなどは関係ありません。
  わずかなお金でも立派な浄財です。たとい一本の花、草木でも真心を持って仏さまにそなえましょう。

さて、お釈迦さまは、すべての布施の中で「法(教え)を施すことが最も優れている」とお示しです。
未熟な拙僧ですが、お釈迦さまの法を、解り易くお伝えする努力を重ねているつもりです。

「分かち合う心」が畢竟布施の現れです。


昨年の東北での講演は、このような演題でした。