今期の大河ドラマ『光る君へ』第六回「二人の才女」にて、
遂に、紫式部と清少納言がエンカウントしましたね。
オープニングの出演で、
『ききょう役・ファーストサマーウイカ』と出たときには
「え?外人さんでも出るの?」・・・とか思いましたが・・・
清原元輔の娘(清少納言)が「ききょうと申します」と自己紹介していて
「お前かよっ!」と成りました。
どうやら、このウイカさんは、
元アイドルだった為、芸名が奇抜なだけで、生粋の日本人みたいです。
そんな感じで、清少納言の名前は「ききょう」という事で
紫式部同様にドラマオリジナルの名前を使う感じなのですね。
まぁ、「香子」も「諾子」も一説にしかすぎないので
ドラマオリジナルでいった方が、むしろ無難だという事なのでしょうか。
それはさておき、
「実際の清少納言なら漢詩の会なんて絶対に参加しないでしょ。」
と思いながら見ていました。
いくら漢詩が好きとはいえ、顔出しで人前に出られるような人では無いですし、
興味があったとしても、御簾の隙間から垣間見るくらいが関の山でしょう。
逆に、清原元輔は、凄いそれっぽい感じでしたね。
娘を諫める様とか、実際の元輔も同じ感じだったのではないかと思わせる解像度の高さでした。
この『漢詩の会』自体は、
道隆・道長兄弟を始め、公任、斉信、行成、とオールスターそろい踏みで
枕草子ファンには、たまらないシチュエーションで、
この贅沢な画を撮りたいのであれば、まあ、性格の解釈違いも致し方無いかも知れませんね。
あとは、この作品でも、
「紫式部と清少納言は仲が悪い」という設定なのですかね?
紫式部日記のせいで、すっかり不仲が定説みたいになっておりますが、
実際の二人は、もっと仲が良かったのではないかと、私はにらんでおります。
紫式部日記では、以下の様に書かれておりますが…
”””
清少納言こそ、したり顔にいみじうはべりける人。
さばかりさかしだち、真名書き散らしてはべるほども、
よく見れば、まだいと足らぬこと多かり。
かく、人に異ならむと思ひ好める人は、かならず見劣りし、
行末うたてのみはべれば、艶になりぬる人は、いとすごうすずろなる折も、
もののあはれにすすみ、をかしきことも見過ぐさぬほどに、
おのづからさるまじくあだなるさまにもなるにはべるべし。
そのあだになりぬる人の果て、いかでかはよくはべらむ。
”””
本心というよりは、世間ウケを気にした様な内容ですし、
その中にも清少納言の漢字の知識や機知に富んだ言動を認めており
憧れすら持っていたのではないかと思わせるふしが見てとれる様に感じます。
「得意げに漢字なんて使っちゃって!」と言いながらも、
自分も源氏物語を漢字を使って書いている訳ですから、
恐らく本心からの言葉では無いと感じます。
清少納言は、道長陣営と仲が良かった様ですし、
それによって嫌がらせされて、実家に引きこもっていた事を考えると
紫式部もまた、自衛の為に、この日記を書いたのではないかと思います。
逆に言えば、
そんなふうに仲が悪いアピールをしないといけないくらいには、交流があったのではないでしょうか
歳も近く、稀代のインテリオタクどうしですから自ずと気が会うのは普通だと思います。
紫式部日記の行間からは、
清少納言の「女らしさ」というステレオタイプに縛られず、
男とも対等に渡り合う姿に憧れる気持ちが読み取れる様な気がします。
幸薄代表みたいな紫式部から見たら、
派手好きな清少納言は、輝いて見えていたとしても、おかしくないでしょう。
あと、紫式部はレズビアンの気もあった様ですので、
そっちの方向での憧れもあったかも知れませんね。。。
ちなみに、
光る君へに出てきた衣装っぽくアレンジしたらこうなりました。
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