ヒッキーはつむじ風!!

ヒッキーが観て気に入った映画を、ブログで紹介します。

「明日に向って撃て!」

2021-02-27 19:35:17 | Weblog

                 「明日に向って撃て!」

 

監督・ジョージ・ロイ・ヒル

脚本・ウィリアム・ゴールドマン

音楽・バート・バカラック

主題歌・B・J・トーマス『雨にぬれても』

 

1969年(日本では1970年)公開の作品です。

オープニングで「これは実話に近い物語である」と出ます。。。

'70年だと、自分は3才くらいなので、リアルタイムでは当然観たことがなく、高校生くらいになってからだったと思うのですが、テレビの「○○洋画劇場」みたいな番組で、初めて観たような記憶があります。。

まぁ、田舎だったもんで、映画館は2つくらいあったにしても、古い映画をやってくれる名画座のようなものは無いので、封切り時に映画館で観れなかった、あるいは東京とかでの「単館上映もの」で、うちの町の映画館では掛からなかったような作品などは、前述の「○○洋画劇場」でやってくれるのを待つしか手はない(当時はレンタルビデオなんて無いっすから(+o+))というような状態でした。。。

そんでこの作品なんですが、最初観たとき、「ん??・・・ん~ん?」正直よく解りませんでした。。。(+o+) 

「アメリカン・ニュー・シネマの傑作」、とか聞いていた(アメリカン・ニュー・シネマ自体がよく分からない)のですが、ブッチ(ポール・ニューマン)とサンダンス(ロバート・レッドフォード)たちが、列車強盗して、銀行強盗して、ひたすら逃げる。。。みたいな。。。??う~む。。。??

この映画の4年後の1973年に、ジョージ・ロイ・ヒル監督とポール・ニューマンとロバート・レッドフォードの3人が再び組んで作られた「スティング」は、二転三転するどんでん返しのような、切り替わりの速いストーリー展開なのですが(実は私、「明日に向って~」よりも「スティング」のほうを先に観ていたので)、本作「明日に向って撃て!」は、それほど細かい場面転換という感じはなく、どちらかというと、アメリカ西部の開拓時代の終わり頃の「空気感」のようなものを感じる映画です。

ちょいあらすじ・・・。かなりネタバレあります。。。

アメリカ西部開拓もひと区切り、新しい時代の波が押し寄せる1890年代末。。。ブッチ・キャシディ(ポール・ニューマン)とサンダンス・キッド(ロバート・レッドフォード)は、仲間と共に、列車強盗、銀行強盗を生業としてきた。

列車を止め、金を積んである車両を開けさせ、金庫の鍵をダイナマイトで吹っ飛ばす。。

ある日、いつものように列車を止め、ダイナマイトで金庫を開けて、舞い上がった金を拾っているところに、馬に乗った追っ手が現れる。

逃げるが勝ちと、ブッチとサンダンスは馬に乗って、追っ手を引き離そうとするが、どこまで逃げても、追っ手の姿は消えない。

「あの先頭は多分、バルチモア卿だ」「白い帽子の奴は、保安官のレフォーズだ」

二人の行く手に、断崖絶壁が・・・!

絶体絶命!・・・ブッチは、泳げないというサンダンスと二人で、崖下の河に飛び込んで、難を逃れる。。。

辛くも難を逃れ、エッタ(キャサリン・ロス)の家までたどり着いた二人だったが、あの数人のプロフェッショナルの追っ手は、自分たちを殺すまで追ってくる事を知り、ブッチとサンダンスは、エッタを連れて、新天地、南米のボリビアに渡ることを決意する。。。

 

という感じで、ニューヨーク経由で南米行の船に乗り、列車に乗ってたどり着いたボリビアの、あの駅の映像はラパスということなのでしょうか・・。駅舎も無く、家畜が放し飼いになっていたりして・・。

ゴールドラッシュに沸く、新天地ボリビアのはずが・・・??

まぁ、この映画、よく判らないけど、いわゆるそれまで作られてきたジョン・ウェインなんかに代表されるような「西部劇」のセオリーから、かなり逸脱しているんですね。「勧善懲悪」とか、「主人公は戦う」とかから。

ブッチとサンダンスは強盗だし、追われれば、どこまでも逃げちゃうし・・・。主人公が逃げまくる西部劇っていうのは、それまでありえなかったということもあって、公開当時は評論家には酷評されたとのこと。。。

でも、観たお客さん達からは、支持されたんですね。

この作品の魅力は、たぶんこれが公開された1960年代をアメリカで過ごしたとか、なんかその時代はどんな感じの世の中だったのか分かるとか、じゃないと、本当には解らないんじゃないのかな・・・なんて思ったりもします。

ブッチとサンダンスは、ボリビアでも銀行強盗を繰り返し、次第にお尋ね者として、ボリビア当局から狙われるようになってゆきます。。。

追っ手から逃れるために、一旦は堅気の仕事に就いたりもした二人なのですが・・・。

最後の舞台となる街で、食事をしているところを、いきなり銃撃されます。相手は複数人(多分、警察隊)。

一旦は建物の影に隠れたブッチとサンダンスですが、このままでは弾が足りなくなる、ということで、馬の鞍に掛けてある弾を取りに、ブッチが飛び出して、サンダンスが援護射撃しますが、二人とも被弾して、物陰に戻ります。。

このあと、相手側の警察隊に加えて、今度は、ボリビアの軍隊のおびただしい人数がライフルを持って二人に照準を合わせます。

この時、スペイン語なのでよく判らないのですが、ボリビア軍の指揮官が、警察隊の指揮官に状況を聞くシーンがあって、「ずいぶん苦戦しているな!!敵は何人だ?」「はい!二人であります!」「ふ、ふたり!?たったふたりにこんなにやられたのか!?」みたいな会話が印象的でした。

ラストシーンは、あまりにも有名なのですが、負傷しながらも、「次はオーストラリアだ」と、二人で算段するシーンは、「滅びの美学」とでも申しましょうか、悲しくも、めちゃカッコイイのであります(T_T)

バート・バカラックの音楽は、主題歌の『雨にぬれても』はポップな感じですが、映画全体としてはとても控え目で、作品の持つ「寂しさ」のようなものを感じさせて、好感が持てます。

 

ー鉄砲撃ちの時代の終わりー。。。西部劇の舞台となった時代の終わり。。ラストのストップモーションは、「青春はもう終わったんだよ。。。」と、観る者に語りかけているようでもあります。。。

 

 

 

 

ヒッキー的満足度★★★★

 

 

 

 

 

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