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昭和初期(昭和3年~昭和15年)のバス(車両)
写真:「神姫バス70年史 車両年表」より
※昭和初期には、オールズモビル、ビュイック、フォード、シボレーなどのアメリカの高級車が輸入されバスとして活躍していた。
◆ 戦時統制の時代 ◆
木炭・薪車の登場
昭和11年(1936)の2・26事件を境に、軍部独裁の傾向が強まり、戦争への備蓄から民間に出回るガソリンが制限され、翌年の日華事変の勃発により、いよいよ戦時統制が強化され、石油資源の入手難に備えて代用燃料の開発が官民一致で進められた。
しかし昭和16年(1941)9月、政府はガソリン車の使用を禁止し、軽油の配給もなくなった。
こうして全車両が代燃車となった。いわゆる木炭・薪バスの登場である。しかし、木炭・薪(まき)の入手も困難になるなか、木炭車のエンジン胎動には相当の時間がかかること、運行途中ガス漏れ等により、坂道が登れなくなり客が下車しバスの後押しをする場面もしばしばで、その光景は当時の利用者の語り草となって伝わっている。
当時の神戸新聞の見出し
・ 木炭バス・街へ 試運転も上乗、国策委も颯爽と
・ お尻を膨らませて木炭バス・国策姿 さあ走るぞ・速力上乗
昭和12年の木炭車の出現を当時の新聞は、国民の物資不足の生活に耐え、戦争への協力を呼びかけているが、当時の乗客は戦争の足音が近づいているのを感じ取っていたという。
▼木炭車
▼薪車
▼薪ガスの発生炉図